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【日本の議論】地球温暖化って本当? 太陽活動低下で寒冷化説も(産経)
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/177.html
投稿者 ピノキ 日時 2009 年 8 月 03 日 15:05:24: /cgEbzQ/iEx0c
 


2009/08/02 21:33更新

 「環境問題はなぜウソがまかりとおるのか」「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」。温暖化を防ぐためのさまざまな対策が講じられているが、書店では今も温暖化に異論を唱える本が、売れている。こうした議論をめぐって、東京地裁で裁判も起き、係争中だ。温暖化「異論」の背景は−。(杉浦美香)

 ■温暖化懐疑論が裁判に

 東京地裁で気象学者らが注目する裁判が行われている。

 原告は「CO2温暖化説は間違っている」などの著書がある“懐疑論者”の一人、槌田敦・元名城大教授。被告は日本気象学会(東京)だ。

 槌田氏の訴えはこうだ。

 昨年4月、「二酸化炭素(CO2)の増加が地球温暖化をもたらす」という“通説”の因果関係の逆、つまり「気温が上昇することで海中に含まれるCO2が放出され、CO2濃度が増加する」とする論文を日本気象学会機関誌「天気」に投稿したところ、学会は2度にわたり論文の書き直しをさせ、一部は評価したにもかかわらず「長期的な因果関係の論拠が示されていない」などとして掲載の拒否を決定したという。

 槌田氏は、自説を5月の気象学会大会で発表することも求めたが、学会側はやはり「学術的ではない」などという理由で拒否した。このため、槌田氏は精神的苦痛を受けたとして慰謝料100万円を求める訴えを同月27日に提起した。

 槌田氏は「化石燃料を使用して発生したCO2が大気にとどまり、地球を温暖化したという『仮説』が政治経済を動かし、膨大な金額が投じられている。こうした通説と異なる説の発表の機会を奪い、封じ込めようとする動きに一石を投じたいと思って裁判に踏み切った」と語る。

 これに対して、気象学会側は「2度の改稿を経ても、原告の論文は掲載するに適さないと判断した」などとして全面的に争っている。

 7月9日の初弁論では、槌田氏自身が東京地裁に出廷、槌田氏の説を支持する市民らが傍聴に来ていた。

 会社を休んで傍聴に来たという東京都板橋区の男性(59)は「社会が温暖化一色になっていることに以前から疑問を感じていました。槌田氏の説はその疑問に答えてくれている」と話す。

 ■「懐疑本」人気

 八重洲ブックセンター(東京都中央区)をのぞくと、環境分野のコーナーでは、従来からの温暖化を指摘する本の横に“懐疑本”も並んでいた。

 温暖化の本で、空前の大ヒットとなったのは2007年1月に出版されたアル・ゴア元米副大統領の映画「不都合な真実」の書籍版だ。出版元のランダムハウス講談社(東京)によると、これまでに19刷22万部発行。同本のコンパクト版である「不都合な真実 エコ入門編」も本体には及ばないが10万部に達した。

 同ブックセンターの津久井昇さんによると、懐疑派関連の本は「不都合な真実」の後、相次いで出版され、温暖化問題が主要テーマになった北海道・洞爺湖サミットが開かれた昨年夏ごろにピークの売れ行きに。月100冊以上売れ、品切れになった書籍もあったという。

 津久井さんは「サミットのころは、温暖化に疑問を呈するテレビ番組も多かった。今年はそういった番組も少なく、かつての勢いはありませんが、それでも、安定して売れています」と話す。

 「丸善」丸の内本店の専門書売り場担当者は「昨年は環境、環境と一辺倒になっていた。その反動が、懐疑本の売れ行きにつながったのではないでしょうか」と指摘する。

 ■地球は寒冷化?

 「温暖化懐疑論」は諸説あるが最近、「地球は寒冷化している」という説がとりざたされている。その根拠の一つが、ここ10年間の低温化傾向だ。

 地球の平均気温は1970年代半ば以降上昇してきたが、98年をピークに、この10年間は横ばい、もしくは低下しているというのだ。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年にまとめた第4次評価報告書は、「気候システムの温暖化は、疑う余地はない」「20世紀半ば以降の平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガス増加による可能性が非常に高い」などとして、ゴア元米副大統領とともにノーベル平和賞を受賞した。IPCCは、今世紀末の気温上昇を、社会条件により化石燃料消費の少ない場合で1・8度(予測幅1・1〜2.9度)、多い場合4度(同2・4度〜6・4度)と予測している。

 国立環境研究所の野沢徹・大気物理研究室長は「地球が低温期にあるのは、事実だが気候の揺らぎが原因の一つ。太平洋や大西洋の水温は、約10年間隔で高温、低温を繰り返している。平年値を考えるとき、気象庁は30年間の平均をとるわけで、この10年だけでははかれない」と指摘する。

 同研究所の江守正多・温暖化リスク評価研究室長も「(低温傾向の)自然変動は、いずれ反転して気温を押し上げる」と断言する。

 ■100年ぶりの太陽活動の低下

 もう一つ、注目されるのが太陽活動の影響だ。太陽の表面温度は約6000度なのに対して、黒点は約4000度と低い。しかし、黒点は温度は低いが磁石のような強い「磁場」を持っており、黒点の周辺では「フレア」と呼ばれる大爆発も発生している。

 その黒点が今年は全く見えない日が多い。米航空宇宙局(NASA)やベルギーの研究機関の観測によると、太陽の活動は100年に1度のレベルまで低下しているという。

 黒点は約11年ごとに増減を繰り返しているが、2008年の黒点の数は1日平均2・9個、過去100年で2番目に少なかった。

 野沢室長は「太陽活動が低下して太陽から発生する光エネルギーは低くなっているが、ここ10年間の低温下傾向に影響するほどではない」と話す。

 しかし、そう簡単に説明できないこともある。17〜18世紀ごろ、「マウンダー極小期」という黒点がほとんど観測されない時期があった。この時期、ロンドンのテムズ川が毎日凍るなど欧州が寒冷化し、穀物不足などの被害が出た。

 地球には宇宙線が降り注いでおり、大気中の分子にぶつかると雲の種となる核を生成する。太陽活動が活発になると(黒点が多く現れると)太陽風が強まって宇宙線をさえぎり、雲が少なくなり、地球の気温は上昇する。その反対に、黒点が少ないと宇宙線が多く降り注ぐことでできたたくさんの雲が光を反射させて気温が下がる、という説もある。

 マウンダー極小期に起きた歴史的な出来事や、宇宙線と雲の関係など太陽が間接的に与える影響について不明なことが多く、国立天文台の常田佐久(さく)教授は、「長期的にみれば、太陽活動が(気温に)影響がないとは断言できない。わかっていないことも多く、研究を深める必要がある」と指摘する。

 ■本格化する議論 

 今年1月と3月、エネルギー問題の研究者ら約2000人を会員に持つ「エネルギー・資源学会」は、「地球温暖化・その科学的真実を問う」という特集をネット上公開した。

 IPCCの報告に疑問を持つ赤祖父俊一・米アラスカ大名誉教授や、伊藤公起・横浜国大学教授、丸山茂徳・東京工大教授、草野完也・名古屋大太陽環境研究所教授の4人に、IPCCの第4次報告書の研究にもかかわった江守正多氏がメールで答えるという形をとった。

 企画した京都大学の吉田英生教授は「温暖化CO2主因説が疑いのない事実と信じられているが、違う説もある。自らも疑問に思い、科学的な検討を行うべきと思った」と話す。

 懐疑論もさまざまで、丸山氏は太陽の活動や宇宙線の影響などを理由に「地球は寒冷化している」と主張、オーロラ研究で有名な赤祖父氏は「地球の気温上昇は、小氷期と呼ばれる寒冷期から気温が回復しているためだ」とする。草野氏は「CO2温暖化説は重要な仮説だが実証できたわけではない。宇宙線や雲との関わりなど他の要因を排他することになってはならない」とする。

 一方、こうした「異論」に真っ向から受けて立った江守氏は、「IPCCの予測が、水蒸気効果や自然変動を考慮していないといった批判は的外れ。すべてモデルで再現できている。CO2といった温室効果ガスが増えれば気温が上がるのは基礎的な理論から明らかで、モデル以前の問題」と反論する。

 ■不確かさの判断

 吉田教授は京大大学院機械系3専攻(機械理工学、マイクロエンジニアリング、航空宇宙)の約100人に、江守氏らのメール討論を題材にしてリポートを書かせたところ、「温暖化について世界が一致していると信じていたが、懐疑的な説があることに驚いた」「温暖化の原因がCO2だけではなく、太陽活動や水蒸気、宇宙線といった原因があることに温暖化の議論の奥深さを感じた」「科学が不確実であることを実感した」など、「懐疑論」に対する新鮮なきを述べる感想が多かった。

 吉田教授は「何が正しいか、きちんと見極めなければならない。CO2が温暖化の原因であるとあたりまえのように学校の試験問題で出題されるが、それが真実かどうかはわからないのではないか」と指摘する。

 ■懐疑派バスターズ

 江守氏は「温暖化懐疑論」が“台頭”する理由について、「地球が危ない」「明日では間に合わない」とメディアがあおり、科学的に判明していること以上に危険と触れ回ることへの反発が背景にあると「考えている。

 「温暖化といえば、北極の氷が崩壊する映像や、シロクマが氷の上に取り残された写真が紹介されることがよくあるが、現在起きている氷の崩壊が、温暖化が原因だとは証明できない。こうしたあいまいさが誤解を助長することになってしまう」と誤解を解く難しさを語る。

 江守氏は約3年前から「懐疑派バスターズ」と呼び、明日香寿川・東北大教授ら10人近いメンバーと、懐疑派の動きについてメールで情報交換を行っている。

 明日香教授は今年6月、「温暖化は本当に起きているのか?」「二酸化炭素が温暖化の原因という証拠は?」などといった疑問に平易に答える「地球温暖化 ほぼすべての質問に答えます!」とする冊子を出版した。八重洲ブックセンターでは温暖化懐疑論本をおさえ、売れているという。

 ■予防原則

 温暖化に対する異論はある。しかし、そこで手をこまねいては、対策が遅れてしまう。特に、気候変動のようにさまざまな要素が絡みあうものは証明が難しい。

 環境規制の大きな原則である「予防原則」は、1992年の国連環境開発会議のリオ宣言で明記され、化学物質や遺伝子組み換えなどの新技術導入の際の予防措置として取り入れられている。

 日本は、水俣病で苦い経験がある。昭和31年の水俣病の公式確認から国の「有機水銀が水俣病の原因」とする統一見解までに12年という月日がたち、対策が遅れて被害を拡大させた。

 明日香教授は「世界的には温暖化懐疑論は下火になっている。温暖化は不確かなことが多いが、対策を進めるべきという結論を導きだせる程度に十分な科学的知識は蓄積されている」としたうえで、「気候、地理的、経済的に恵まれている日本を中心に考えるのではなく、アフリカや、洪水などで多くの人が亡くなるアジアの国々と危機感を共有して対応する必要がある」と指摘する。

 【気候変動に関する政府間パネル(IPCC)】 1988年に設立。世界各国の地球温暖化についての科学的な研究を収集、科学、技術、社会の面から評価する。2007年の第4次報告書は、130カ国から推薦された代表者約450人と約800人の協力者が執筆、約2500人の専門家が査読している。

 

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