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1980年代にアメリカのポートランドの小学校で、一学年に4人が小児癌になっています。小学校の父兄たちは電磁波を疑い色々と調べたのですが、学校の近くにある電磁波を出す施設は調査の結果いずれも白と断定されました。原因は明らかになっていません。
「電波は危なくないか」 徳丸 仁 講談社ブルーバックス より抜粋
p129〜p130
1980年代に入ってからのアメリカのポーランドの話である。バンクーバー地区の小学校で、四年生から五年生になった生徒の中で、一年間に四人が小児ガンになった。その内訳は白血病二人、悪性リンパ腫、脳腫瘍それぞれ一人であった。常識的に考えてみて、これは大変な出来事に違いない。
重大な出来事と判断した父兄たちは、その時、学校から三キロメートル離れたところにある、12.43ギガヘルツのマイクロ波回線のアンテナに、疑いの目を向けた。
その学校におけるマイクロ波の電力は、理論計算によると一平方センチメートルあたり10ナノワット以下で、第八章に述べるANSI安全基準よりも低い値であった。会社側が、このことを父兄たちに示しても、信用してもらえない。電波と癌を結びつけた論文もいくつか発表されている。そこで会社側は電力値の現場測定をすることになった。
その学校における測定値は、ANSI基準より四桁も少ない一平方センチメートル当たり6.8ナノワット(1ナノワットは10億分の1ワット)以下の、測定すらできないほんのわずかの電力値であった。また比較として、その小学校から約五キロメートル離れていて、それまでの六年間、生徒の間にガンの発生がなかった小学校でも測定をおこなった。そして、これらのふたつの学校間の測定結果に有意の差がないことも明らかにされた。
さらに、近くに敷設されている60ヘルツの高圧送電線についても測定をした。送電線の直下の電界は170ボルト/メートルであったが、両学校内では問題になるほどの磁界量はなかった。
そこで初めて父兄は、その電波が小児ガンの原因ではないと納得したのである。
以上が本からの抜粋です。
この本では、この問題をこれ以上は取り上げていません。この問題の結びで「そこで初めて父兄は、その電波が小児ガンの原因ではないと納得したのである」とありますが、この本全体が「電磁波は危なくない」とする内容ではありませんので、父兄が疑いを持った学校の近くにある「いずれの施設の電磁波でもそのように異常な小児ガンが発生することはない」と言いたいのだと思います。要するに原因は不明なわけです。
一学年で一年の間に四人が小児ガンになるということは偶然ではありえないことです。電磁波による人体実験を行った可能性が大だと思えます。
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