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http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/worldwatch/news/20091013org00m020003000c.html
ロシア たばこ市場シェア最大のJT 摩擦回避で根付く文化支援
◇大木俊治(おおき・としはる=毎日新聞モスクワ支局)
モスクワのプーシキン記念美術館が、所蔵品の一部をデジタル化し、インターネットで公開するサービスを始めた。この事業に資金援助しているのは日本たばこ産業(JT)の海外法人で、ロシアに5つの現地法人を持つJTI(JTインターナショナル)だ。
JTIは今やロシアで最大のたばこ製造会社で、生産量は年間約1500億本(08年)、市場シェアは35・8%(同)。販売・流通だけでなく、製造工場も4カ所ある。サンクトペテルブルクの工場はJTグループで世界最大(従業員約1900人)、モスクワ郊外の工場はJTグループで世界第2位(同約1200人)という。海外展開するJTIのなかで、ロシアは最大の消費市場でもある。
日本や欧米の喫煙人口が減少するなかで、ロシアは今も「喫煙天国」。課税を低く抑え、1箱(20本入り)の値段はほとんど100円以下。カフェやレストランには一応「禁煙席」もあるが仕切りはなく、規制はほとんどない。喫煙人口は中国、インド、インドネシアに次いで世界で4番目とされるが、たばこ産業を国が統括している上位3カ国と違い、海外企業に市場を開いているのもロシアの特徴。JTIが大規模展開する理由もうなずける。
かつてJTIはロシアの税務当局から脱税を指摘され、長期裁判になったことがある。結局はJTI側が勝訴したが、こうした摩擦を避けるため、社会貢献活動として文化支援にも力を入れているようだ。プーシキン美術館への支援はその1つ。昨年は同美術館が所蔵する日本の浮世絵2000点の展覧会でスポンサーを務め、このうち300点が近くネット上で公開されるという。
JTIはほかにもバレエやオペラで知られるサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場、モスクワのボリショイ劇場へも資金援助している。ただし、利益を邪推されるのを心配してか、支援額は「非公開」(JTI)という。
2009年10月13日