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2009/11/10
小沢幹事長、松長有慶・高野山真言宗管長と会談
小沢一郎幹事長は10日、和歌山県伊都郡にある高野山真言宗の総本山・金剛峰寺を訪れ、全日本仏教会会長の松長有慶管長はじめ役員の方々と会談した。会談には姫井由美子、藤谷光信両参院議員が同席した。
小沢幹事長らはその後、美しい紅葉に囲まれた奥の院を参拝した。
参拝後、記者団の質問に対して小沢幹事長は、初の高野山訪問についてこれまでは「地理的、物理的になかなか機会がなかった」としたうえで、今回はスケジュール的にも機会に恵まれ、「念願が叶って松長管長閣下との会談などが実現した」と説明した。
「高野山は1200年前につくられ、今なおその仏教を守り続けてきたところ。気づいていないことが多いが、日本人の考え方、生活そのものの背景に仏教哲学があると思っている。仏教は大自然の中に生きる人間がどのようにあるべきか、その生き様を原点から教えてくれると思っている」との自らの認識を示し、「素直に日本人としての心を取り戻すことが大事だと改めて感じた」と語り、「先人の偉い方のところにお参りして心が洗われた気がする」と所感を述べた。
一方、現代社会では日本人の原点である、心の本質を忘れたり、見失っているところに日本社会の倫理観の低下、喪失が起きる大きな原因だとの見解も幹事長は示し、仏教の教えの重要性を重ねて強調した。
会談では、松長管長から来年1月に開かれるダボス会議で講和を行うことが明かされ、「仏教はあらゆる人を受け入れ、皆が仏になれるという度量の大きい哲学であり、管長が欧米人の前で仏教の真髄を説き聞かせることは非常に意義があり、嬉しく期待している」と幹事長は語った。
また、松長管長からは機会があれば講話を聞かせていただけるとの提案があり、小沢幹事長は感謝の意を表するとともに、「政治家も政治家である前に、人間、日本人として心構えがきちんとできていないと政治はやれない。日本人の代表として日本人の心、精神を叩き込まなければ本当の意味での政治はできない。自分自身を向上させなければならない」と説き、「是非一度話を伺いたい。楽しみにしたいし、実現させたい」と意欲的な姿勢を示した。
自民党の支持基盤が強い和歌山県においても、先の総選挙において民主党が多くの支持を集めたことについて問われた小沢幹事長は、「和歌山県のみならず、自民党が長年にわたって強い基盤の地域で皆、政権・与党たる自民党から民主党を中心にした政権交代に票を投じてくれた。それは本来、日本人的政党として政権を獲ってきた自民党が、日本人の持つ心、美しい価値観を全く失ってしまった。それが人心が離れた最大の原因」だと分析。
そのうえで「政治、政治権力は本来、国民の生活を守り、豊かにすることが本来の目的であるにも係らず、自民党政権はその点を忘れ、権力、ポストそのものを守ることだけに汲々としてきたところに国民の心が離れた。何のための政治権力かを自民党政権が根本を見誤った結果」だと厳しく断じた。