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民主、強まる「小沢支配」=政府人事に介入、新人統制も徹底
民主党内で小沢一郎幹事長の影響力が一段と高まっている。小沢氏は、新人研修を連日行うなど人事管理を徹底。行政刷新会議で事業仕分けを行う国会議員メンバーの人選も「鶴の一声」でやり直させた。人事を通じて政府を動かす腕力を見せ付けた格好で、党内からは「小沢支配」を懸念する声も出ている。
「ルールをちゃんと作ってやってくれ」。22日の政府・民主党首脳会議で、小沢氏は、政府が決めた事業仕分けのメンバー32人に当選1回の衆院議員14人が含まれていたことを問題視、人選の撤回を求めた。
予算の無駄排除は「ベテランでも難しい」というのが理屈。結局、新たなメンバーは新人らを外して7人となり、仙谷由人行政刷新担当相が29日、小沢氏に陳謝して収束した。
鳩山政権下では、内閣が政策を決定し、人事など党務は小沢氏が担うこととされ、政府と党の役割分担が明確になった。しかし、小沢氏が人事権を盾に「横やり」を入れたため、2010年度予算の仕分けの準備作業は1週間も中断し、陣容も大幅縮小を余儀なくされた。党内では「しがらみのない新人だからこそ下せる判断もある」(ベテラン議員)との声が上がった。
新人研集会も小沢氏主導だ。同氏に近い山岡賢次国対委員長を仕切り役に、今国会が召集された26日からは毎朝開かれ、社会人としてのマナーや国会のしきたり、選挙のノウハウなどをたたき込んでいる。国対幹部は「各省政策会議より優先度が高い」と言い、新人は事実上出席を義務付けられている。
しかし、出席者の間では「幼稚なことばかり」「全寮制の学校のようだ」と評判は必ずしも芳しくない。「幹事長は『新人の仕事は選挙』と言っているのに、研修で地元に帰れない」との不満も漏れる。
また、28日には代議士会の部屋のいすに新人141人の「名札」が張り付けられた。新人教育にこだわる小沢氏の意向を踏まえ、欠席した議員が一目で分かるようにとの「工夫」だ。
「小沢幹事長にものが言える人が党に誰もいなくなった」。新人議員らのはしの上げ下ろしにも口を挟むような小沢執行部の手法に、非小沢系の中堅議員はこう表情を曇らせた。(2009/10/31-15:35)