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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091026-00000002-diamond-bus_all
崖っ縁の百貨店業界でついに始まった大リストラ(上)
ダイヤモンド・オンライン10月26日(月) 5時30分配信 / 経済 - 経済総合
全国百貨店の売り上げ減はとどまることをしらない…
昨秋のリーマンショック以降、百貨店はかつて経験したことのない売上高急減に苦しんでいる。この10月でちょうど1年たつことから、関係者はマイナス幅の縮小に淡い期待を寄せていたが、売り上げ減少には歯止めがかからない。もはや通常の経費削減策では追いつかず、ついに大リストラが始まった。
「社内はそわそわしています。結構、真剣に考えている人もいますよ」(三越社員)。同社が10月から早期退職制度を拡大して、募集を始めたためだ。
従来、退職金を割り増し支給する早期退職制度はあったが、今回は対象枠と割増金額を大幅に拡大した。40歳以上の社員が対象だった適用年齢を35歳にまで下げ、地方の店舗では、年齢制限を設けずに全社員を対象にしている。
11月末までに応募すれば、通常の退職金に、勤続年数に応じた加算金があり、最大で2000万円が上乗せされる。最も支給が多い50歳前後では4000万〜5000万円になるというから、そわそわもするわけだ。「削減人数を目標設定した肩たたきはしない」(三越伊勢丹ホールディングス)という代わりに、自主的な退職を促すよう、手厚いインセンティブを用意した。そのための資金は、元三越池袋店の店舗を来年1月に不動産ファンドに売却して得る750億円で賄う予定だ。
5月に前期決算を発表した時点で、三越は2009年度の営業損益が43億円の赤字となる見通しである。
三越の正社員は約6200人、なかでも中高年層が多く逆ピラミッド型の人員構成だ。伊勢丹は、正社員と有期雇用社員の比率が45対55であるのに対して、三越は正社員比率が65となる。そもそも「今後3年間で、定年退職を含めた自然減で1000人が減る」(三越幹部)予定だったが、昨秋のリーマンショック以降の百貨店事業の売り上げ急減が、時間軸を狂わせた。
三越の社員にとって悩ましいのは、今後百貨店に残ったとしても、職場環境が劇的に変わることだ。
まず、来年4月には、地方店(札幌、仙台、新潟、広島、高松、松山、福岡)は別会社化され、これに伴い給料は大幅に下がる。東京を100%とすると、75〜90%という水準になる。
東京とて、事情は厳しい。新しい人事制度では、これまで、お得意先を訪問する外商ひと筋で仕事をしてきた社員が、販売員として店頭に立つ光景も珍しくはなくなる。基本給が10万円下がる可能性もある。会社に残ったからといって、もはや従来のポストと給与水準は保証されなくなるのだ。
同様の動きは、百貨店業界全体に広がっている。
J.フロント リテイリングでは、6月に早期退職制度の枠を拡充した。もともと大丸にあった制度のインセンティブを厚くすると同時に、制度のなかった松坂屋に導入した。
「雇用は守る」(Jフロント)というが、三越と同じように新陳代謝を高めるため、インセンティブ部分を増やした。
たとえば、50代社員で、従来の制度では退職金が2000万円だったケースでは2700万円が支給される。ほかに、転職期間中の給与支給額を基本給の60%から80%に引き上げるといった具合だ。これまでに数十人が応じた。
「今の消費不況を抜けた後、消費構造は大きく変わる。これまでの百貨店のように高額帯ばかりの品揃えでは消費者から支持されなくなる」(奥田務・Jフロント社長)と危機感は強く、早々にビジネスモデルの転換を図っている。Jフロントの目指す姿をひと言でいうと、百貨店よりも従業員が少なくテナント主体で運営する“駅ビル化”に近い。
(下)に続く
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最終更新:10月26日(月) 5時30分 ソーシャルブックマークへ投稿: