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http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/pro/news/20091025spn00m050012000c.html?inb=yt
楽天・野村監督:岩隈&山崎武涙のお別れ
【楽天4−9日本ハム】あふれる涙が止まらなかった。梨田監督のインタビュー中、岩隈は手で何度も目をぬぐった。
「本当に悔しいですね。僕があの場面を抑えていれば、何とかなったかもしれなかった」。涙声で唇をかみしめた。4−6の8回2死二、三塁の場面で志願してマウンドに上がった。22日の第2戦で8回125球。わずか中1日だったが、チームのピンチにエースとして、そして選手会長として立ち上がった。リリーフ登板は近鉄時代の01年5月29日、同じ日本ハム戦(東京ドーム)以来8年ぶり。プロ初登板の試合でプロ野球人生で2度目のことだった。迎える打者はスレッジ。野村監督の敬遠指示に「勝負させてください」と直訴。だが結果は非情だった。スレッジへの2球目、145キロの内角直球を右翼席に運ばれ、壮絶に散った。
「あの場面さえ抑えれば何とかなったかも。本気で日本一を目指してやってきたので悔しい。監督とは4年間一緒にやって本当に良かったと思います」。指揮官の花道を日本一で飾ることができなかった後悔と惜別の思いが交錯した。
40歳チーム最年長の山崎武も悔し涙をこぼした。今シリーズでは打率・235、最後まで豪快な一発は出ず、4番らしい仕事を果たせなかった。「ちょっと今何も考えられない」。声を詰まらせた後「最後に監督の期待に応えられずに申し訳なかった。1日でも長く監督と野球をやりたかった」と無念の表情を浮かべた。04年オフに当時在籍したオリックスを戦力外となり楽天に移籍。そして06年に就任した野村監督から「配球を読んでヤマを張れ」と言われ、07年に本塁打王を獲得するなど長距離砲として不死鳥のごとくよみがえった。
「野球を1度挫折したけど、楽天でもう1回野球をやらせてもらった。監督には一から、弱いイーグルスを強くしてもらった。悔しい気持ちも教えてもらった。決戦に連れていってもらったのも監督のおかげです」と恩師への感謝の言葉は尽きなかった。ただ、これで終わりではない。エースも主砲も心は1つ。「来年こそCSを勝ち抜き日本シリーズに出たい」と声をそろえた。楽天を日本一のチームにした時こそ、野村監督への本当の恩返しが果たされる。(スポニチ)
2009年10月25日