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719 :無党派さん:2009/10/22(木) 19:11:11 ID:IPHbws4J
【40×40】宮崎哲弥 経済学者は役に立っているか?
日本経済学会と日本経済新聞が経済学者560人に対しアンケートを行った。
その結果が10月16日付の日経朝刊に掲載されたが、なかなか興味深い。
例えば「経済危機に対する日本の政策対応に経済学は貢献したか」という設問に、当の経済学者の約半数しか「貢献した」と答えていない。
私などは「それじゃあ、一体何のための実学の雄か!」と慨嘆を禁じ得ないところなのだが、世間の見方はずっと冷めたものだ。
同じ問いに対し、一般人の実に8割弱が「貢献していない」と回答している。「経済学者なんか肝心なときには何の役にも立たない」と思われているのだ。
かかる専門家への不信は、先進諸国ではかなり特異な現象だろう。アメリカやヨーロッパでは、経済学者が財務当局や中央銀行のトップに就くことも決して珍しくない。
然るに、わが国では経済官僚や日本銀行員への信頼がなお厚く、学識経験軽視が基調になっている。
マスコミの経済報道の水準にいたっては教科書のレベルにすら届いていない。例えば国家財政をまったく質の異なる家計に喩(たと)えて「わかりやすく」説明するような愚が繰り返されている。
こうしてミスリードされた「世間知」に基づいて財政問題の議論がなされ、やがて投票行動まで左右していくとなると、もはや収拾がつかない。
現下の財政や金融をめぐる政策論は完全にそのような陥穽(かんせい)に嵌(はま)っている。
経済学者の大部分がこの状況の奇妙さに気づいているはずだ。しかし、実際に声を上げているのは、ほんのわずかな学者に過ぎない。
そして先のアンケートでは、やはり大半の学者が財務省や日銀の政策を支持している。
政治家と専門家集団の協力による政策立案を前提としている「政治主導」も、このままでは画餅(がべい)に終わる可能性が高いということだ。(評論家)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/091022/fnc0910220806002-n1.htm