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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2009091902000050.html
【コラム】
筆洗
2009年9月19日
「〜を廃止」「〜を見直し」…。この種の見出しが新聞に溢(あふ)れている。もちろん、鳩山政権が発足して以後だ▼前政権のにおいがするものは、事業であれ、人事であれ、慣習であれ、当たるをさいわいなぎ倒す感じがあるが、歴史的な政権交代がなったわけだし、多くは、総選挙で掲げたマニフェスト(政権公約)にうたっていたことだ。そのこと自体は、だから、当然だろう▼だが、持ったが病で、心配症。今度は、新政権が世に「変革」の様を強調せんと思うあまり、「変革しすぎ」が起きやしないか、と気になっていた。思う先から出てきたのが、官僚の記者会見禁止令である▼早速、国連大使や気象庁長官の会見までがキャンセルに。同庁が「三カ月予報の会見もどうなのか…」などと戸惑うに至っては、もうジョークである。脱官僚は結構だが、情報公開のチャンネルを制限するなど、筋違いというほかない▼なにしろ、本当の意味の「新」政権だ。気負いがあるのは仕方がないが、「騎虎(きこ)の勢い」は困る。会見の件に限らず、変革も落ち着いて進めてほしい。<壊れていない物は直すな>とかいう西諺(せいげん)や、『徒然草』の一節、<改めて益(やく)なき事は、改めぬをよしとするなり>辺りを心に留めておくぐらいで、ちょうどいい▼当然だが、国民が望んだのは「とにかく変わる」ことではない。「よく変わる」ことである。