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民主・中井氏が虚偽記載 慶弔花代 タクシー代 05年、光熱水費に286万円
2007年3月15日(木)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-15/2007031515_01_0.html
民主党の中井洽(ひろし)元法相(衆院・比例東海)の資金管理団体が二○○五年分の光熱水費として計上した二百八十六万円について、別項目として記載すべき慶弔の花代やタクシー代などの経費を付け替えて記載していたことが十四日分かりました。資金管理団体の事務所は、松岡利勝農水相同様、光熱水費が無料の衆院議員会館に置いており、政治資金収支報告書の虚偽記載を禁じた政治資金規正法に抵触する可能性があります。
本紙の調べによると、中井氏の資金管理団体「洽和(こうわ)会」は一九九一年十月に設立届がだされ、九五年三月に東京・麹町から衆院議員会館に事務所を移転しています。
議員会館は、電気代や水道代がかからず、政治資金収支報告書によると、九五年、九六年は光熱水費が「ゼロ」でしたが、九七年に四百三十二万六千円を計上して以降、九八年=百八十二万八千円、九九年=四百四十二万六千円、二〇〇〇年=百三十六万円、○一年=三百三十六万円、○二年=四百四十六万円、 ○三年=五百四十六万二千円、○四年=二百三十六万円と推移しています。
九七年から○五年までの光熱水費は総額三千万円を超します。
中井氏が支部長を務める民主党三重県第一区総支部の〇五年の収支報告書によると、光熱水費は四十六万六千円です。議員会館に事務所を置く、「洽和会」の光熱水費の異常ぶりが際立っています。
中井氏の会計責任者は「本来は別の項目に記載すべき議員連盟の会費やタクシー代、慶弔の花代などを、疑問を持たずに間違えて計上していた。保存している領収書に基づき訂正する」と話しました。
政治資金規正法は、収支報告書の虚偽記載について三年以下の禁固または五十万円以下の罰金を定めています。
中井氏は旧民社党出身で、九四年五月、羽田内閣で法相に就任。新進党、自由党を経て民主党副代表などを歴任。当選十回。
解説
松岡農水相と同様の疑惑
光熱水費問題をめぐっては、松岡農水相の資金管理団体が多額の費用を計上していることが問題になっています。
松岡氏は、本紙の調べによると、二〇〇〇年から〇五年まで光熱水費は六年連続四百万円以上で、恒常的に虚偽記載の疑いがあります。中井氏の場合も同様です。
規正法上、光熱水費は事務所費同様、収支報告書には総額を報告するだけでよく、内訳の記載や領収書の添付を義務付けていません。
松岡氏は、「適切に報告している」と二十三回も繰り返し、安倍首相は「法律の定めるところに従って農相は報告している」とかばっています。
しかし、規正法は会計帳簿の備え付けや、光熱水費など添付しなくてもいい領収書についても三年間の保管義務を定めています。規正法は政治活動を「国民の不断の監視と批判の下に行われるように」することで、その「公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与する」と目的を掲げています。
中井氏は「領収書は残っており、間違ったところはきちんと訂正する」といっています。松岡氏は「虚偽記載は一切ございません」(十二日、参院予算委)というのなら、進んで領収書を公開することこそ求められています。虚偽記載という犯罪行為を追認する首相の責任も厳しく問われています。
(藤沢忠明)