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タスポ“逆効果”顕著 自販機1・5万台 1年で消えた
9月2日7時56分配信 産経新聞
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タスポの普及が低調で、たばこ自動販売機の台数が大きく減少している=東京都港区のたばこ店(写真:産経新聞)
成人識別カード「タスポ」対応のたばこ自動販売機が、7月末までの1年間で約1万5000台減ったことが1日、業界団体などの調べで分かった。喫煙率の低下やタスポ普及の低迷を背景に、自販機の撤去が相次いでいるためとみられる。タスポは、未成年者の喫煙防止を狙い、昨年7月まで全国で導入を進めた。対面販売のコンビニエンスストアに顧客が流れ、自販機離れが顕著になっていることが浮き彫りになった。
[グラフでチェック] 右肩下がりのたばこ自販機台数
日本たばこ協会などによると、タスポや顔認証方式などの成人識別機能を付けた自販機は、昨年7月末で約42万4000台あったが、今年7月末には3.4%減の40万9000台まで減少した。顔認証方式は5000台前後でほぼ変化がなく、減少した分のほとんどがタスポ対応の自販機といえる。
自販機が減っているのは、タスポ自体の普及が進まなかったからだ。手続きに身分証明書や写真が必要なタスポを作成しない喫煙者も多く、タスポの発行枚数は約935万枚(8月末時点)と、推定喫煙人口の34.9%に止まっている。
これに、タスポがなくてもたばこが買えるコンビニの増加が、自販機減少に拍車をかける。
日本フランチャイズチェーン協会によると、たばこを取り扱うコンビニは、今年2月末で約3万7000店あった。全店に占める比率は88.0%で、前年に比べて2.9ポイント上昇し、ほとんどのコンビニでたばこが買える状況になっている。
一方、自販機離れで割を食っているのが、店先に自販機を置く個人経営のたばこ店だ。
東京都や神奈川県など1都9県を管轄する関東財務局によると、今年3月末のコンビニを含むたばこ小売店は前年に比べて約1500減少した。この間、「コンビニの申請は増加」(関東財務局)しており、自販機離れで売り上げが伸び悩むたばこ店の廃業が進んでいる。
タスポは、未成年者の喫煙防止に一定の役割を果たす一方で、たばこの流通形態を一変させたといえる。(大柳聡庸)
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