★阿修羅♪ > 昼休み27 > 262.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
日本改造計画と並ぶベストセラー「平成維新」の大前氏は、民主を批判する暇があるならば「試合」に参加して結果を出すべきです。
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak27/msg/262.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 9 月 02 日 11:04:08: 4sIKljvd9SgGs
 

こんな無駄は省いて、政策実現の財源に回せ (大前研一の提言)
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/446.html
投稿者 Orion星人 日時 2009 年 9 月 02 日 10:08:48: ccPhv3kJVUPSc

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090901/177962/
2009年9月1日

 衆議院は、大方の予想通り、民主党が大勝利を収めた。しかし、わたしもずっと批判してきたように民主党の政策はばらまきそのものであり、その財源をどうするのか、今後は一層厳しい目にさらされることになるはずだ。
 民主党は「役所の無駄をなくすことで財源を増やすことができる」と答えているが、ではその役所には具体的にどのような無駄があるのだろうか。ほかではあまり議論されない視点から、役所の仕事に内包されている無駄を考えてみたい。

【「使われないまま国庫に戻せない金」があるのは釈然としない】

 まずは住宅取得支援策を例に挙げよう。
 緊急経済対策として2009年度補正予算で盛り込まれた住宅支援策は、政府が想定した額の4割程度しか使われていなかった。補正予算では住宅金融支援機構への出資金積み増しに2600億円も計上したのだが、実際の利用は想定の半分以下だった。このまま利用の低迷が続けば、巨額の「使われないお金」が住宅金融支援機構に積まれたままになる。
 ところが、国土交通省は「一度出した出資金は国庫に戻せない」としている。国民から見たらまったくもって、納得のいかない無駄だ。現在、日本の借金は860兆円を超えている(前回の当連載を参照)。この借金返済のメドが立たない状況なのに、「使われないまま国庫に戻せない金」があるのは釈然としない。
 このような嘆かわしい状況に陥るのは、「予算をつけることだけを仕事と考え、使われるための算段をしない」役所の体質が原因だ。麻生首相は「緊急対策だ」として巨額の金をここに積み増したのだが、もともと国民が必要としていたものかどうか、と言う問題に加えて、使い方がわかりにくかった。利用条件には「but、however(しかし)」という注釈があまりにも多かったのである。


【予算を有効に生かすための「心理経済学」】

 予算をつけたからには有効に使ってほしい。国庫に戻せないのであればなおさらだ。そのためには、言うまでもなく利用者が活用しやすい形をしっかり考えておく必要がある。わたしがかねてより提唱する「心理経済学」も、わかりやすさを打ち出して心理的な面から経済を盛り上げるためのものだ。
 たとえば金利支援をするのであれば、ルールをシンプルにしなくてはいけない。もともと金利の話というものは一般の人から見てわかりにくいものだ。支援するのなら、「住宅を建て替える場合は200万円補助する」というように誰が聞いても分かりやすい一言で説明する。注釈や条件は不要だ(ただし「補助は今年いっぱいで終了」といった期限は設けるべきだが)。
 住宅建設を検討している人に「今年、家を建てれば200万円もらえる」と思わせることができれば、飛びついてくる人は少なくない。ところが役所というものは、「それでは公平感が失われる」などと言って、さまざまな付帯条件をつけるため、自分がその適用を受けられるのか、メリットは結局いくらになるのか、などの計算が複雑になる。結局検討する人も少なく、インパクトがない法案、切れ味が足りない「特典」になってしまうわけだ。
 自動車も同じだ。エコカー減税が話題になっているが、仔細に見てみると「×年以上古い自動車の場合はこれこれ」「燃費はいくら未満の自動車でないと…」と、細かい条件が非常に多いことに気づく。テレビを見ているとハイブリッドだけではなく、ほとんどのクルマに特典がつくようなコマーシャルが流れている。もともとクルマの買い換えが目的なのか、エコカーへのシフトが目的なのか、役所の恣意的な判断が入るから分かりにくくなるのだ。
 クルマの需要刺激が目的なら本シリーズでもすでに述べたように、「今年中にクルマを買うならどんな車でも50万円で下取りする」と言った方が効果は大きい。安いクルマほど特典の効き目は大きくなるからである。98万円のクルマなら実質48万円となる。つまり、この分かりやすい特典には小さいクルマはさらにお得、というインセンティブが盛り込まれていることになる。結果、エコカーへのシフトが進む。政府は下取りしたクルマを修理して売り出せば、修理工の雇用にもつながり、さらに予算のかなりの部分を取り戻せる。修理代に平均10万円かかったとしてもそれは雇用創出につながっているし、30万円で中古車が売れたら予算の40%は回収できることになる。200万台の新車が売れたとして当初予算は1兆円。修理代が1000億円。中古車の販売で3000億円返ってくるので結局8000億円でクルマの需要は対前年比大幅増、ということなる。もちろん、これで自動車産業はリストラする必要がなくなり、レイオフは発生しないことになる。
 2兆円の定額給付金でGDPに対する押し上げ効果がほとんど見えていないことを考えると、このような心理経済を使った刺激策がいかに有効かが分かるだろう。住宅に関しても、定額補助方式の方が分かりやすく、効果が見込まれる。1兆円使うなら一軒あたり200万円として50万人に付与できる。いまの2倍の住宅新規着工件数となる。業界の絶望的な現状と比較してもらいたい。


【住宅は購入のほかに、建て替えにも補助が必要だ】

 住宅の場合はそのものが高額なので、ローンの頭金も大きな負担になる。だから頭金の負担を軽減する施策も有効である。一応、住宅取得支援策においても頭金対策があるのだが、いっそのこと頭金なしでも貸します、ということを一定期間銀行に義務つけるのも効果的だ。
 日本の住宅に関する制度はいろいろなものがあるが、規制を取っ払ってしまい、「頭金なしで30年固定の金利はこれだけ」という分かりやすいルール一つで済むようにしたい。それで不足する部分があれば、マーケットから補填できるようにすればいい。その補填部分は、返せる範囲内であればいくらでもかまわない。
 住宅については、建て替えについても補助が必要だ。実は日本の住宅は余っている。だから、新しい土地を買ってそこに家を建てることだけを推奨していても限界がある。景気刺激のためにはむしろ建て替えを推奨すべきである。30年以上の古い住宅であれば、建て替えのニーズは非常に高い。建て替え、あるいは大幅な補強・改修をやるのならそこにも補助金を出せばいい。
 住宅購入のときと同じように「一軒まるごと建て替えるなら200万円、改修なら100万円を国が補助する。その期限は今年限り」と期限付きのシンプルなルールを設ければいいのだ。「心理経済学」の流儀でこのように展開していけば、「予算が使われずに、国庫にも戻らない」という情けない状況は避けられるだろう。新政権は拙著『大前流心理学経済』(講談社)を読んでよく研究していただきたい。

【自治体のシステム共通化にはクラウドコンピューティングを】

「役所の無駄」のもう一つの例は、地方自治体のコンピューター・システムにある。
 いま総務省は、各自治体のシステム共通化に動いている。市町村ごとにバラバラだった地方税の業務や役所内の人事、文書管理などを県ごとに統一し、管理するソフトやデータセンターを一元化するという。そのための実験に「北海道や京都府などの5つの地方自治体が参加する」というニュースが先ほどあった。
 このニュースを聞いてわたしは、総務省、つまり旧自治省は今頃になって何を言っているのかと思った。現在、自治体ごとにバラバラなシステムを使っているのはなぜか。旧自治省のやり方がまずかったからではないか。地方自治体での作業は、日本全国似たり寄ったりで、基本的にはどこでも同じだ。であれば、総務省が自分たちでシステムを作って、自治体に使わせればいい。ボランティアの自治体がクラウドコンピューティングをやるのを支援しますよ、と外野席で応援している場合ではないのだ。
 クラウドコンピューティングとは、インターネット経由で他人の開発したコンピューター処理のアプリケーション・サービスを利用するIT技術のことだ。みなさんもGoogle上でスケジュール管理をしたりWebアプリケーションを利用したりしているだろう。企業でも社内にシステムのサーバーを用意せずに、他社が公開しているネットワークのサービスメニューを利用する例が増えている。そうすることで企業はシステム開発やメンテナンス業務を軽減できるのだ。
 地方自治体も共通する業務は、クラウドコンピューティングを活用すればいい。総務省が用意したシステムにインターネットを経由してアクセスし、そこで必要な業務をやるだけのことだ。一般の利用者(ここでは公務員)にとっては従来の業務と何ら違いはない。役所内のサーバーにアクセスして仕事をするか、国が用意したサーバーにアクセスして仕事をするかの違いだけである。さらに一般国民にとってはこのサービスを使えば、世界中どこにいても、つまり役所の窓口に行かなくても、いいことになる。
 だから、5つの地方自治体が実験に参加するという行為自体がナンセンスだ。5つの地方自治体にやらせると、またお互いに違うものができあがる。今、約1800の自治体が全部違うシステムを作っており、それらを開発する「サイバーゼネコン」が大もうけをしたわけだが、今回もまたそれと同じことが起こってしまうだけである。
 総務省が地方自治体に要求している仕事のやり方があるのだから、それに合ったシステムを全国で1つ用意すればいい。もしテーラーメイド(個別対応)が必要な地方自治体があれば、システム内にそういう余裕を設けておけばいいのである。今は個別の自治体の注文を聞いてテーラーメイドする(という理由で)バラバラな開発が行われ、その自治体でも結果としてIT化は大幅に遅れている。中央省庁の手がけたITシステムはビザ(外務省)にしても納税(財務省)にしても惨憺たる結果になっている。建築の許認可などはこのやり方に最も適したものであり、シンガポールなどでは進んでいるが日本では端緒にもついていない。新政権は役人主導ではなく生活者主権の国作り、ということを言っているので、是非これには優先的に取り組んでもらいたい。


【行政費用が何十分の1になり、職員の数も減らせる】

 クラウドコンピューティングのシステムを作るときは具体的に何をすべきか。2、3のシステム開発会社に提案競争をさせればいいのだ。提案の段階では各システム会社が現場の作業を盛り込むために地方自治体と組んでもいいだろう。例えば3つのシステムを提案させて、そこから一番よいものを国民が厳選し、選ばれたものを全国の地方自治体が一律で使う。そうすれば行政費用は、何分の1どころか、何十分の1になる。つまり、それだけ役所の無駄が省けるということだ。これについては、わたしが16年前(1993年)に上梓した『新・大前研一レポート』(講談社)に記してある。
 行政費用が何十分の1になるうえに、行政担当者も削減できる。削減の対象になるのは、窓際にいて何もやっていないような役人だ。わたしが地元の区役所に行くと、受付の後ろのほうで新聞を読んだりコーヒーをすすっている役人を見かける。わたしが窓口に立っても、わたしのほうを見たら負けだとばかりに新聞や窓の外を見続け、気が向くまで決してこちらを見ようとはしない。そういう役人を削減するのに反対する国民はいないだろう。
 国民から見た役所の不便さとは、何かにつけ役所に行かないと手続きができないことだ。しかも役所の開いている時間は短い。普通に会社に勤めていたら、週末など、役所に行くことすらままならない。だが、用事そのものは役所へわざわざ出向かなくても済む程度のものが多い。それも無駄削減のポイントだ。
 もしわたしが1995年の都知事選で当選し、当時考えていたアイデアを導入していたら、今ごろはそれが役所のシステムの世界標準になっていただろうと想像している。その中にはロンドン、ロサンゼルスなど東京と8時間の時差のあるところに居住する日本人出向者の配偶者(多くは就業機会がない)をうまくつなげてVoIP(インターネット電話か専用回線)で24時間窓口を開けて直接相談に応じる、という提案もある。14年前のことである。当時の技術でそのくらいのことができたのである。それに比べると、総務省の考えているシステム共通化は21世紀の最初の10年が終わろうという今日、何とかったるいことか。
 役所が「効率化を進める」といっても、額面通りに受け取ることはできない。もともとの思考体系が無駄の固まりなので、効果が少ないのだ。民主党が本気で役所の無駄を廃し財源を確保するというのなら、「何が無駄なのか」を突き詰めて考えて、国民生活者の負担が一番軽く、利便性が一番良い効率化を実現してほしい。イー・ジャパンなどとスローガンだけで膨大な無駄をばらまいた前政権との明確な違いを打ち出す最も分かりやすい本テーマ(行政コストを10分の1以下にする)を掘り下げることが民主党の探している「財源」への最短距離だと思う。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 昼休み27掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。