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スゲノ沢では呼び掛けるといっても機体の瓦礫だらけだった。今から思えば川上慶子さんが脚を動かし、上の瓦礫が少しずつ空間に落ち込み、表面に出ている余り大きくないお盆くらいの瓦礫が少しずつ下がり、「これはおかしいぞ」ということになった。幾人かがそこをずっと見ているうちにまたその場所が下がった。いずれにしてもそこに誰かいるぞということになり、とにかく行って見ようとわれわれが歩き始め9メートルくらい歩いて行った時に瓦礫の奥から手が出た。その手は吉崎博子さんの手だった。「ソラッ」と上野村消防分団員全員がダーッと寄って行った。
吉崎美紀子さんは斜面に脚の方がちょっと高くなっている状態だった。吉崎博子・美紀子さん母娘がいた後ろは土が土間状で、川上慶子さんと落合由美さんは機体の瓦礫の中に埋もれていた。吉崎博子さんに呼び掛けをしたら応答はあった。「助けてください」という身振りで身体中が腫れ機体のグラスファイバー等で凄い埃を被り、服もズタズタだった。吉崎美紀子さんは黙っていて顔色も悪くもうまったくグッタリし、応答もなかったので上の仮設ヘリポートまで上げるまでに駄目になるかと思うほどだった。
生存者4名はすべて3メートル以内の三角形範囲内にいたわけだが、川上慶子さんを瓦礫の中から救出している時に、落合由美さんの手が瓦礫から出て自分はそこへ行ってその手を「もう大丈夫だよ」と言って握ってやった。ところが瓦礫が入り組んでいて、なかなか取り除けなかったが落合由美さんは確かに生きていて、落合由美さんに自分が「今、順番に瓦礫を取り除かないと出せないのでもう少し我慢するように」と言った。
川上慶子さんは幾人かで瓦礫を捲り、その時は自衛官も来たし長野県警レスキュー隊員も飛び込んで来た。川上慶子さんの上半身はまだ見えず横に寝た感じで下半身が腰から上に上がっている格好で、脚をバタバタ動かしたのだろう。自分はレスキュー隊員と川上慶子さんの脚を持ったが、脚は随分とあちこち切れて怪我をしていた。自分が川上慶子さんに「脚の他にどこか痛い所はある?」とか「もし痛い所があったら脚を動かしてみて」と言ったらそれなりに川上慶子さんは脚を動かした。とにかく川上慶子さんは短パンで日焼けして真っ黒だったので、最初男の子だろうということになり早速無線で「男の子が入った」と連絡した。その後瓦礫から引っ張り出した川上慶子さんの顔はどっちかといえば男っぽい顔をしていて、出した時も女かな男かなという感じだった。「女の子?」と聞いたら「ウン」と言っていた。