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:2009/08/13(木) 15:15:51 ID:fRzF1I+e
《ルポ決戦前夜:6》「イエスマン」包囲網
■郵政見直し組「花道だ」
オホーツクブルーと呼ばれる鮮やかな青のスーツに身を包むことの多い民主党の松木謙公(50)は、今夏、
白いジャンパーに着替え、自転車で選挙区を駆けめぐる。8日には、北見市の住宅地を地元の67郵便局
を束ねる局長会会長と並走した。会長の自転車には「郵政民営化見直し」の旗が立てられていた。
全国最北の北海道12区で松木が挑むのは、小泉元首相の「偉大なるイエスマン」、自民党の武部勤(68)。
前回郵政選挙で、党幹事長として「郵政反対組」を公認せず、厳しい姿勢で対処した。
今なお、「郵政民営化は間違っていない」と主張する武部に対し、松木は「過疎地の郵便局が次々にシャッ
ターを下ろしている。3事業の一体化などの見直しが必要だ」。かつて自民党を支えた「郵政票」が、民主
党を押し上げる存在になっている。
7月17日、郵政反対組の八代英太(72)が、比例北海道ブロックで新党大地からの立候補を表明した。
今回、大地は北海道の小選挙区で民主党を支援する。八代は前回、自民党の公認を得られず、公明党
の太田代表がいる東京12区に無所属で立って落選した経緯がある。立候補表明の会見では、武部への
敵意をむき出しにした。
「格差社会を作った3悪人。小泉は引退、竹中(平蔵)は辞めた。あとは武部さん。引退しないのなら、私
が花道を用意してあげたい」
この会見の1週間前、武部は小泉元首相と稚内市を訪れた。「仕えた総理とイエスマンの生まれて初めて
の旅」と浮かれていた日、同市には八代の姿があった。
「郵便局は地域の福祉を担っている。郵政民営化は愚かな政策。次の選挙が見直すラストチャンスだ」
:2009/08/13(木) 15:16:56 ID:fRzF1I+e
■「オホーツク党」を強調
衆院解散直後の7月21日午後、武部は国会内でこう強調した。
「自民党か民主党か、ではない。中央や党内の抗争ではなく、政権交代でもない。オホーツク武部党で
今日まで政治家として生き残ってきた」
郵政選挙後の4年間で、武部の自民党内での立ち位置はすっかり変わった。党改革実行本部長として、
「改革」の旗は振り続けるが、党内は小泉改革のひずみ修正にかじを切る。総選挙前に武部が画策した
のは、支持率の上がらない麻生首相の交代。幹事長経験者の中川秀直らと総裁選前倒しを求めた。
自民党が惨敗した7月12日の東京都議選後には「麻生さんには徳性がない、徳性とは謙虚な心、恥を
知る心だ」。これには党幹部から「その言葉、のしをつけて武部さんにお返しする」と反発の声が上がり、
党内で浮き上がった。
幹事長として小泉チルドレンらの応援に回り、選挙区滞在が数時間程度だった前回。今回は解散翌日に
地元入り。知床半島の先端から宗谷岬、利尻、礼文両島までを含み、北海道の面積の6分の1以上を占
める全国最大の選挙区を駆け回る。
2009/08/13(木) 15:17:58 ID:fRzF1I+e
今月8日夕、北見市の夏祭り会場。武部は白の半袖シャツにノーネクタイ姿で、一人ひとりと握手した。
居合わせた市民は「自民党の大物が、こんな街の小さな祭りにも来るなんて」と驚いた。
「小泉改革が全部いいわけではない。地方は大事にしなきゃいけない」
苦境に立つ武部に、往時のイエスマンの面影は薄れていた。=敬称略(今野忍)
◇
北海道12区(北見、網走、稚内市など)
武部 勤 68自前 〈公〉
松木 謙公 50民前 〈国〉
笠松 長麿 56諸新
(カッコ囲み政党は推薦)
◇
〈北海道の選挙事情〉 北海道は「民主党王国」。自民党が圧勝した前回郵政選挙でも、12小選挙区で
民主党は8勝4敗。歴史的な逆風を受ける今回、自民党の危機感は強く、町村信孝前官房長官(5区)や
中川昭一前財務相(11区)らも地元回りに精を出す。9区に鳩山代表が立つ民主党は、「北海道から
首相を」と全勝をめざす。鈴木宗男代表の新党大地から選挙区で支援を受け、逆に民主党が比例区で
大地を支援する選挙協力も追い風になっている。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/special/TKY200908130085.html