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業界団体/自民との二人三脚に変化も
2009年08月11日
自民党と密接に結びついてきた業界団体が、総選挙を前に揺れている。主に団体を通じて間接的に国民を支援してきた自民党に対し、民主党は子ども手当など国民の直接支援策をマニフェストで提示。政権交代もあり得る中、組織員数の減少で集票力が落ちつつある業界団体は難しいかじ取りを迫られている。
「マニフェストを見てわかる通り、民主党に票を投じることは業界の首を絞めることだ」
7月31日、仙台市内のホテルで開かれた「東北公共工事品質確保安全施工協議会」の総会。県建設業協会の奥田和男・前会長が、東北各地から集まった建設業経営者ら約70人に、民主党が公共事業のカットを唱えていることを指摘した。自身も建設会社を経営し、自民党の国会議員らとは旧知の仲。選挙応援にも奔走してきた。
「民主党政権になれば、公共事業が確実に減らされる。みんなそれがわからないのか」と焦りをにじませる。
自民党政権は、業界を支援することで地域経済の活性化を図ってきた。特に「公共事業を地元に引っ張るのが議員の実力」(自民党県連幹部)とされ、地元建設業者との関係は密接だった。30年近く業界で働く男性(65)は「昔は国会議員が仕事を持ってきてくれたし、月に27日は働けた。何度も社員旅行で海外に行った」と懐かしむ。
だが、90年代初頭に520社あった県建設業協会の会員数は今や266社に半減。業界の力は、参院選における推薦候補の得票数で量れるとされるが、県内では80年代の参院選で見られた3万票以上の得票が、07年には8千票にとどまった。
労働条件の悪化も影響している。普通作業員の設計労務単価は97年に8時間あたり1万9千円だったが、今年は1万1600円。ある経営者は「ボーナスも出せないところがほとんど。恨みがたまっているのに、社長の指示通り自民党に投票してくれといっても難しい」と嘆く。
一方の民主党。マニフェストでは、子ども手当や農家への戸別所得補償など国民への直接支援をうたう。自民党から業界への見返りともされる税の減免手当て「租税特別措置」では「効果が不明なもの、役割を終えたもの」の廃止を打ち出す。
「これまでの政権は団体を通して企業や業界に予算をばらまいた。国民に予算がダイレクトに届く枠組みに変えたい」。今月6日、マニフェストの説明で仙台市を訪れた民主党の大塚耕平・政調副会長は、農協や漁協など業界団体の関係者らに語った。説明会に出席した団体職員の一人は「自民党を支援してきた団体の敵視だ」と危機感をあらわにした。
ただ、自民党寄りだった建設業界にも「異変」が起きている。今春、県建設業協会内の政治団体「自民党県建設支部」が解散した。同時に設立された「自民党県地域振興支部」は表だった政治活動は抑え気味だ。
昨春から県建設業協会の副会長には民主党の小沢一郎・代表代行の、県内にあった政治団体で長く実質的代表者を務めた人物が名を連ねている。協会の佐藤博俊会長は一連の変化を「選挙とはまったく関係ない。民主党が与党になった時は一番良い対応を考えるが、予見では動かない」と説明しつつ、「大変な時に会長になったという思いはある」と漏らす。
両党との距離に温度差こそあるものの、変化の兆しは建設業界にとどまらない。今は自民党支持を明確にする県医師連盟の幹部は「今後は時の与党に寄り添うことになる可能性はある」。県漁協などが加わる水産関連団体は自民党候補に加え、民主党の安住淳前衆院議員も推薦する予定だ。県漁協の木村稔会長は「自民党はダメという声も聞く。政権与党に寄っていかなければならない」。一方、県農政連の木村春雄会長は「バラ色の民主党政策は信頼できない。一度やらせてみたらいいという声を聞くが、そんな簡単なことでいいのか」と話す。(守真弓)
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「政権選択」選挙の公示まで、あと1週間。選挙戦を下支えしてきた業界も揺れている。現場はどうなのか。農業、医療、教育、雇用に関する政党の政策を軸に探った。