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タスポ情報 検察に提供 利用日時など捜査に協力 日本たばこ
2009年7月26日 01:10 カテゴリー:社会
たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」を発行する日本たばこ協会(東京)が、特定の個人が自販機を利用した日時や場所などの履歴情報を検察当局に任意で提供していたことが25日、関係者の話や内部資料で分かった。行方の分からなかった罰金未納者の所在地特定につながったケースもあった。
クレジットカードや携帯電話の使用履歴はこれまでも捜査当局に使われてきたが、タスポ情報の利用が明らかになるのは初めてとみられる。
刑事訴訟法に基づく照会に回答した形となっているが、タスポの利用者は通常、想定していない事態だけに、個人情報保護の観点から「どんな情報を第三者に提供するのか、本人に明らかにすべきではないか」と、疑問の声も出ている。
日本たばこ協会は事実関係を認め、「法に基づく要請には必要に応じて渡さざるを得ない」と説明している。
関係者の話などによると、協会は求められた個人の生年月日や住所、電話番号、カード発行日などのほか、たばこ購入の日時や利用した自販機の所在地を一覧表にして提供。免許証など顔写真付き身分証明書の写しが添付された申込書のコピーを渡した事例もあった。
タスポの情報は、カード使用者がいつ、どこでたばこを購入したかという蓄積された履歴を見れば、生活拠点や行動パターンをある程度把握できるのが特徴。
さいたま地検の場合、ある罰金未納者が、特定の自販機を何回も利用した購入歴から活動エリアを絞り込み、うち1台の自販機が、ある会社の関連敷地内に設置されていたことも判明。未納者が派遣社員としてその会社に勤めていたことを突き止めたという。
タスポは未成年者の喫煙防止を目的に、昨年7月から全国での運用を開始。自販機でたばこを買う際、年齢確認用に必要となる。同協会によると、発行枚数は約929万枚で、普及率は喫煙者の34.7%(18日現在)。
会員規約では「個人情報の収集及び利用」という項目で「会員は協会が必要な保護措置を講じた上で利用することに同意する」と規定している。
■提供せざるをえない
「タスポ」を発行する日本たばこ協会の話 販売履歴は、盗難や紛失届のあったカードが不正に使われていないかどうかを確認するために蓄積しており、基本的には第三者に提供することはない。ただ、捜査当局から刑事訴訟法に基づき書面で要請されれば、住所や名前、生年月日、連絡先と同様、必要に応じて提供せざるをえない。情報提供については、会員規約23条で「会員は、協会が必要な保護措置を講じた上で利用することに同意する」と定めており、販売履歴の情報も、この規定の対象になると認識している。
=2009/07/26付 西日本新聞朝刊=