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2009年7月24日(金)
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■断面2009
INDEX
民主党の「国家戦略局」/早くも「骨抜き」観測
政権奪取に猛進する民主党が政策立案の司令塔として打ち出した「国家戦略局」。現在の経済財政諮問会議に代わり、政治主導で予算編成などの中核を担うとの触れ込みだが具体像はまだ見えない。霞が関では早くも「脱官僚」は「骨抜きになる」との観測が浮上している。
▽積み上げ方式
「制度論に帰するというのは私の取らない手法だ」―。与謝野馨財務相は24日の記者会見でこう指摘し、政策決定過程の大幅な見直しを進める民主党を批判した。
支持率が低迷した状態で解散・総選挙に臨んでいる麻生内閣の主要閣僚の発言だけに「割り引いて考える必要はあるが真実を突いている面もある」(経済アナリスト)。
予算配分には政治家の利害が大きく絡むため、これまでの自民党政権下では、利害調整のためには財務省が政治家や各省庁、自治体と折衝を重ねて予算を積み上げる方式が続いてきた。
同省は「閣議の形骸(けいがい)化は常識。形式的な事務次官会議もやめればいい」(幹部)と民主党が矢継ぎ早に打ち出す政権構想に異論を唱えていない。しかし存立基盤である予算編成については「政治で大枠だけ決めて、後は官僚がやれと言われても実務上難しい」(別の幹部)とけん制。ノウハウを蓄積している同省が方針決定に絡む必要性を強調する。
▽皮肉
民主党は「国家戦略局の事務局は政治家や民間人が担当する。役人は一切入れない」(中堅幹部)と意気込むが、財務省の中堅幹部は「いま民主党の先生が役人を呼んで説明を求めているのはどうなのか」と皮肉る。
内閣府幹部は「諮問会議と中身は一緒で弁当箱を変えるだけ」と指摘。むしろ政権交代の混乱に乗じて、財務省が予算編成の主導権を握ろうとするのではないかと警戒している。
しかし民主党は財務省からの予算編成実権奪取に執念を燃やしてきた。2005年に発表した政権構想では「財務省の予算・財政企画部門を実態として内閣府に移管」すると規定。菅直人代表代行が6月に発表した論文からも意気込みが読み取れる。
▽大物起用
鳩山由紀夫代表が国家戦略局創設を表明したのは14日。「あまり細かいことを国民の皆様に申し上げても、なかなか伝わりにくい」と述べただけで詳細な説明は先送りしたが、首相を中心とした「トップダウン方式」の予算編成に大きく転換するのが基本的な目標だ。
「国家戦略局」のメンバーには「ミスター円」として国際金融界に異名をとどろかせた元財務官の榊原英資・早大教授ら、官僚の手の内を知り尽くした大物の起用も取りざたされている。
「さまざまなリスクの対応に向けて引き続きやっていく」―。麻生太郎首相は17日の諮問会議をこう締めくくったが事実上最後の会議となる可能性がある。
01年に設置された諮問会議は、小泉政権で総務相などを務めた竹中平蔵氏のほか、民間議員も議論に参加し「構造改革路線」の象徴となった。しかしその後の安倍、福田政権下では、与党が力を盛り返し独自性を発揮できなくなった。「諮問会議は仮に自民政権が続いたとしても存在意義を問われただろう。早晩消えゆく運命だった」。諮問会議に長年携わってきた閣僚は少し寂しげだ。