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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2008syuin/kyushu/20090617/20090617_0001.shtml
自民恐々 支持急落 地方選連敗 民主上々 鳩山代表就任1ヵ月
2009年06月17日 11:19
■若手「大政奉還」訴え
鳩山邦夫前総務相の更迭などによる内閣支持率の急落や地方選連敗の影響で16日、自民党内の動揺はさらに広がった。ますます苦境に陥る事態に業を煮やし、総裁選前倒しに言及するベテランや「大政奉還を」と訴える若手まで現れ、党内は浮足立っている。
「『鳩山政変』で党は国民の信を失った。自民党はこの際、大政奉還を決断して、国民の懐深く帰るべきだ」
麻生太郎首相も出席した代議士会で、古川禎久環境政務官(宮崎3区)はこう訴えた。民主党への政権移譲を促したとも受け取られかねない発言に騒然となる会場。それでも古川氏は、「最高指導者は小手先の策をろうすることなく、後世に恥じぬような道筋を示してほしい」と批判を繰り広げた。
「それぐらいの覚悟を持って、この難局に当たっていただきたいということだ」と記者団に釈明した古川氏。大島理森国対委員長は「何を言ってるのかちっとも分からなかった」と憤慨したが、鳩山氏は「自民党再建に懸ける熱い思いがああいう表現になった」と、元秘書をかばった。
内閣支持率が10%台に落ち込み、「麻生首相では衆院選を戦えない」という悲鳴も再び拡大している。総裁選前倒しの署名を求める山本拓氏は、ホームページ上で一般からの署名も募り始めた。
「総裁選を前倒しして、選挙の顔を変えよう」。九州のある衆院議員も、千葉市長選で自民推薦候補が敗れた14日夜、派閥の同僚からこんな電話を受けたという。
加藤紘一元幹事長も総裁選前倒しに前向きな姿勢を示す。「37年ぐらいの議員生活だが、自民党の今の評価はずばぬけて低い。ここで選挙を打つのは自殺行為。(総裁選には)麻生さんも立候補していいわけです。信任投票にもなる」
ただ麻生首相が自ら退かない限り、総裁選前倒しは難しいという見方が強い。首相に批判的な幹事長経験者は「名誉ある撤退だってある」と自発的な辞任を促す。麻生首相は16日夜、記者団から「大政奉還」発言について聞かれ、人ごとのように語った。「若い方々には、緊張感というものが非常におありになるんだと受け止めてましたけど」
× × ×
■役割分担の運営評価
民主党の鳩山由紀夫代表が16日、代表就任1カ月を迎えた。「小沢問題」で逆風だった党勢を立て直し、代表選で争った岡田克也氏を幹事長に据えて挙党態勢を確立。支持率は回復し、政令市長選で連勝するなど順調な滑り出しをみせている。しかし、鳩山氏の指導力への懸念の声があるほか、西松建設の巨額献金事件関係者の初公判も迫っており、対応次第では、また風向きが変わる可能性もはらむ。
「この1カ月で、国民の不満の受け皿になれるという思いを感じている。政権交代は天命だという思いで行動したい」。鳩山氏はこの日の記者会見で、政権交代への自信をみなぎらせた。
鳩山氏の党運営のポイントは「役割分担」。選挙は小沢一郎代表代行が仕切り、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)づくりは岡田氏や直嶋正行政調会長らが担当。政権構想策定は菅直人代表代行に任せている。その上で最終判断は自らが下すと強調し、存在感をアピールしている。
当初、党内外に小沢氏の「傀儡(かいらい)」との批判もあったが「トップダウンで決める小沢氏と違って、自由に意見が言える雰囲気になった」(若手議員)と党内の評価は上々だ。応援に駆けつけたさいたま、千葉両市長選では民主党系候補が連勝。西松建設事件以降、低調だった支持率も上昇し、一気に党内基盤を固めた。
ただ、鳩山氏の指導力に疑問を投げかける声もある。18日告示の静岡県知事選で、県連は前大学学長の推薦を党本部に要請したが、元民主党参院議員との候補者一本化で紛糾。最終的に推薦決定は16日にずれ込んだ。中堅議員は「鳩山氏が決断しなかったからここまで遅れた」と「優柔不断」ぶりを指摘する。
19日には、西松建設事件で同社前社長の初公判が開かれる。展開次第では小沢氏の問題が再燃し、党としての対応を求められる可能性がある。
党内には「政権交代は間違いない」との空気が広がるが、あるベテラン議員はこう注文する。「実は鳩山さんは何もやっていない。麻生政権が勝手に転んでいるだけ。政権交代を実現するには代表にもっと力強さとしたたかさが必要だ」
=2009/06/17付 西日本新聞朝刊=