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はじめに、当委員会の目的と課題
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投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 6 月 13 日 22:47:24: 4sIKljvd9SgGs
 

はじめに 当委員会の目的と課題
2009年3月3日、東京地検特捜部は、民主党の小沢一郎前代表の資金管理団体「陸山会」
に関する政治資金規正法違反事件の強制捜査に着手した。小沢氏の公設第一秘書で陸山会の
会計責任者の大久保隆規氏が、2003 年から2006 年までの政治資金収支報告書に、西松建設
からの政治資金の寄附を「新政治問題研究会」などの政治団体からの寄附である旨の虚偽の
記入を行った政治資金規正法違反の事実で逮捕され、同日夕刻から陸山会事務所などの関係
箇所に対して捜索が行われた。
これについて、民主党の鳩山由紀夫幹事長(当時)は、捜査について批判的なコメントを
行い、小沢氏は、翌3 月4 日に記者会見を行って、「衆議院総選挙が取りざたされているこ
の時期に異例の捜査が行われたことは、政治的にも法律的にも、不公正な国家権力、検察権
力の行使」と強く批判した。これに対して、報道からは、連日、小沢氏の政治資金をめぐる
「疑惑」が大々的に報じられた。
また、3月24日、大久保氏は逮捕事実とほぼ同じ同法違反の事実で起訴されたが、同日夜、
小沢氏が民主党代表を続投する方針を表明したことに対して、小沢氏を批判する報道が集中
し、「説明責任を果たしていない」「世論調査の結果『辞任すべき』との意見が6 割を超え
ている」などの理由で、小沢氏の辞任論が展開された。つまり、事件の位置づけに関して、
民主党執行部の意見と、報道などから示される主流的な論調とが、真っ向から対立する図式
となったのである。また、検察の捜査については、有識者などから、法律解釈、重大性・悪
質性の問題、強制捜査のあり方などについて、少なからぬ疑問点が指摘された。
こうした中で、民主党は、上記の政治資金をめぐる問題が、「政治的側面に留まらず、政
治資金規正法の解釈、それを前提とした検察官僚や報道のあり方など、検討すべき角度が多
岐にわたり」、「党代表が関わる問題であるため、党内の議論だけでは議論が偏向して見ら
れる恐れもある」として、党外の議論に委ねる方針を立てた(この点については、報告書をま
とめる過程で、民主党に確かめた)。そして、上記政治資金問題をめぐる政治・検察・報道
のあり方に関し、各分野の専門家が自由闊達に議論し、個々の問題点について「客観的かつ
公正な見解を示す」党から独立した第三者機関を設けることとし、4月3日に鳩山幹事長(当
時)から、「有識者会議」の設置が発表された。
それを受けて、4 月11 日に発足したのが当委員会である。委員会発足にあたって、委員
会の独立性・客観性を重視する観点から、議論すべき点、議論の方向性などは民主党側から
は明確には示されなかったため、4月11日の初回会合では、委員会の目的自体について議論
するところから活動をはじめた。
そこで、健康上の理由で欠席した服部委員を除く3 委員で「当委員会は、民主党小沢代表
(当時)秘書の政治資金規正法違反事件に関する小沢代表(当時)および民主党の対応、説
2
明責任について検討するとともに、政治資金問題をめぐる検察およびメディアのあり方につ
いて議論を行うことを目的とする」こととし、名称も「政治資金問題を巡る政治・検察・報
道のあり方に関する第三者委員会」とした(なお、このことは、この後、服部委員から了解を
取った)。また、事務局は、新日本パブリック・アフェアーズ株式会社が担当し、民主党から
独立した第三者委員会として活動を続けてきた。
また、民主党としても事態の把握に苦慮していることをふまえ、当委員会の役割としては、
事態の把握に関わる論点の整理が重要であると考えた。そこで、当委員会の活動は、捜査機
関ではない以上、個別具体的な事案の実態解明には限界があるので、むしろ、民主党が政党
として取るべき対応を中心として、法的問題の整理も含め、関連する事項についての問題点
を指摘することとした。
問題は広く民主党の運営体制そのものにも関わってくるが、代表の進退などに具体的な示
唆を与えるような検討の仕方は避け、多角的な観点から、今回の事件および対応に関して、
どのような問題点があるのかを検討した。
検討の方法としては、本件に関する問題を全体的に検討するため、関連する事実の調査・
確認、関係当局への書面による質問やヒアリング、ゲスト有識者との懇談・意見交換、当事
者である小沢代表(当時)や民主党側を代表する鳩山幹事長(当時)などから書面による質問や
ヒアリングを行う一方、委員会内部において議論を重ねてきた。
本報告書は、それらの議論・検討の結果をとりまとめたものである。  

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