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迷える小泉チルドレン…不出馬、国替え、他党秋波に反応も
6月7日8時7分配信 読売新聞
2005年衆院選で小泉首相(当時)が巻き起こした旋風に乗り初当選した自民党の「小泉チルドレン」が次期衆院選に向け、苦境に立たされている。
与党が衆院で3分の2超の議席を持つ現状に「数」で貢献してきたチルドレンの消長は政局の一層の混迷を予感させる。
◆「再就職先」がない◆
若さと国会議員らしからぬ言動で注目された杉村太蔵氏(南関東ブロックの自民党名簿35位)の4日の不出馬表明は象徴的だった。
杉村氏は通常なら当選できない順位で比例選のみに立候補したため、再選にはまず、小選挙区を「再就職先」(党幹部)として確保しなければと、北海道1区での党公認を目指した。だが、公認争いで敗れ、一時は無所属での出馬も目指した。最終的に「民主党を利してはいけない」と、苦渋の立候補断念となった。
「比例単独組」で“再就職先”が見つかったのは大塚拓氏(東京29位)と鈴木馨祐氏(南関東34位)ぐらいだ。共に引退議員の地盤を継ぐ幸運に恵まれた。中森福代氏(北関東34位)は市長選に活路を求めた。
「比例復活組」とて、復党した郵政造反組との調整で苦労している。野田消費者相(岐阜1区)と戦った佐藤ゆかり氏(東海1位)のように国替えできればまだしも、長崎幸太郎氏(南関東4位)のように造反組の堀内光雄・元通産相(山梨2区)と調整がつかない例もある。
◆名簿順位を上げる◆
比例単独組の近江屋信広氏(南関東33位)は出身の衆院秋田2区での党公認を求めたが、選考レースに敗れ、次回も比例選で臨む。
そこで力を入れているのが新規党員の獲得だ。「1400人以上を集めた」という。党員拡大で執行部にアピールし、少しでも名簿上位に登載されることを目指している。
小選挙区を探さず、今回も比例単独を貫く構えの猪口邦子元少子化相(東京1位)も、企業回りなどで党員拡大に余念がない。5月には小泉氏に「党員を2000人獲得した」と報告、「よくやっている」とほめられたという。しかし、前回のように当選確実な上位で遇される保証はない。
内閣支持率の低迷が続く麻生首相に05年のような追い風を吹かせる期待も少なく、別の比例単独組は「不安は増す一方だが、根無し草の我々は党員獲得以外なすすべがない」と漏らす。
◆他党からの触手◆
行き場を失いそうなチルドレンに、他党が水面下で秋波を送る動きもある。
各党とも公認作業は最終盤で、チルドレンを遇する余地は少ないが、自民党内には「衆院選前に政界再編の動きが出れば、不安定な立場の比例単独組が『先行部隊』になり得る」と警戒する見方もある。
そうした与野党双方の思惑を意識してか、安井潤一郎氏(東京27位)は最近、自らのブログに「(次期衆院比例選の)順位は(自身に対する自民党の)評価だ。評価が低かったら、その時は考えさせていただく」と記した。 最終更新:6月7日8時7分