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2009/05/30(土) 18:49:01 ID:6T30VaKG
思考停止社会 郷原信郎(のぶお)さん
■お上にゲタ預けてひれ伏すな
「ヤメ検王子」。失礼ながら、もう少し若ければそう呼ばれていたのではないだろうか。端正にしてソフトな
外見。だが、ひとたび口を開けばラジカル(根本的)な言葉を連発する。企業のコンプライアンスや検察を
巡る問題で、今や引っ張りだこの人物だ。
コンプライアンスは一般に「法令遵守(じゅんしゅ)」と訳される。企業が経済活動の中で不祥事を起こさな
いよう、法令や社会的規範などを守ることを指す。「だが、法令を守ってさえいればいいという考え方が、
逆に世の中に弊害をもたらしている」。検事職を辞してから、一貫して警鐘を鳴らし続けてきた。
自身2冊目となる新書。「言っていることの基本は1冊目と変わらないが、問題意識は私の中で深まって
いる」という。ベースにあるのは「日本人の『遵守』の対象が法令以外にも広がってきている」という危機感
だ。
食の偽装、建築の強度偽装、ライブドア事件、厚生年金記録の「改ざん」問題。取り上げられる事例に
共通するのは、コトが表面化した途端に企業、組織がメディアや世の中からバッシングされ、事実や背景、
原因は無視される構図だ。「法令遵守」「偽装」「隠蔽(いんぺい)」「改ざん」「捏造(ねつぞう)」。バッシング
に使われる言葉の数々を、時代劇になぞらえ「印籠(いんろう)」と呼ぶ。
「日本人は『印籠』を出されるとひれ伏してしまう。メディアも世の中もバッシングに加担。思考停止です」
善玉・悪玉の理論が幅をきかせるだけでは、結局問題解決には至らない。「遵守」をつかさどるお上にゲタ
を預けてしまえばいい、という国民にも問題があると語る。「民主党代表の秘書が逮捕された事件も同じ
構図です。検察が刀を振るったから、アイツは悪いとたたく。でも資金の流れは公開されている。法に照ら
して違法かどうか、自分の頭で考えることが必要です」
http://book.asahi.com/author/TKY200904220151.html