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小沢院政、後継に鳩山…“剛腕”が描く3つの狙い
政治力温存、党勢の回復、自民混乱助長
なにか吹っ切れた表情で辞任会見に臨んだ小沢氏。狙いはどこにあるのか=11日夕、民主党本部(クリックで拡大) 民主党の小沢一郎代表が辞任表明したことで、政局が一気に動き出した。3月に西松建設事件で公設秘書が逮捕されて以来、熟慮に熟慮を重ねて切った「辞任カード」。ポスト小沢には、鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表の名前が挙がっているが、「院政を敷くためにも小沢氏は後継を鳩山氏にしたいと考えている」(中堅)と言われる。47歳で自民党幹事長を務めた「希代の策略家」が描く、3つの狙いとは−。
小沢氏の最大の狙いは「政治力の温存」だ。
辞任表明のタイミングは、公設秘書の逮捕直後、または起訴直後という選択肢もあったが、GW明けで2009年度補正予算案の衆院通過直前にしたのには意味がある。
小沢氏周辺は「早期辞任では『西松事件の政治責任』という意味合いが強くなるが、代表は11日の記者会見で『政治資金の問題でわたしは一点のやましいところはない』と明言した。あくまで、『党のため、政権交代のため』の辞任だ」といい、こう続ける。
「13日に予定されていた党首討論では、麻生太郎首相から『政治とカネ』の問題を蒸し返され、補正予算案が衆院を通過した後は、GWに地元の厳しい意見を聞いてきた民主党議員から『小沢降ろし』が吹き荒れる危険性があった。連休明けの電光石火の辞任表明は、政治力を温存するには最後のタイミングだった」
新代表選びは、党員やサポーターが参加する大々的な選挙ではなく、緊急事態のため、16日に開かれる両院議員総会で投票される。ポスト小沢には、鳩山氏と岡田氏が有力だが、民主党関係者はこう話す。
「議員投票の場合、党内最大約50人のグループを持つ小沢氏の影響力は無視できない。小沢氏としては、幹事長として自分を支えた鳩山氏を後継に考えている。鳩山代表なら小沢氏の院政となるし、仮に、岡田氏が後継となっても、小沢氏の存在感は残る」
実際、小沢氏は3年前の代表就任以降、徹底的に地方行脚を続け、選挙区事情を知り尽くしている。このため、小沢氏を選挙対策本部長で処遇する案も浮上、小沢氏自身も「代表を退いても、全力で政権交代のために頑張りたい」と意欲を見せている。
永田町事情通は「新体制では選挙責任者として院政を敷き、次期総選挙で勝ってみそぎが済めば、表の総理ではなく『闇将軍』として君臨するつもりだろう」と解説する。
第2の狙いは「民主党の党勢回復」だ。
麻生内閣の支持率は2月に政権末期とも言える10%前後まで下落。永田町では「次期総選挙で民主党の単独過半数もあり得る」という見方も出ていたが、西松事件で攻守逆転となった。
読売新聞が10日報じた世論調査結果では、麻生内閣の支持率は28.7%(前回24.3%)に回復。政党支持率でも自民党26.8%(同27.2%)、民主23.4%(同24.2%)とやや離された。
ただ、次期総選挙の投票先では、自民27%(同28%)、民主30%(同31%)で、政権交代への国民の期待も根強い。
小沢氏も会見で「皆さん(=マスコミ)の懇切丁寧な報道ぶりにもかかわらず、(民主党は)20%以上の支持をもって、自民党とほぼ拮抗している」とチクリ嫌味を混ぜ、「国民の『やはり政治は変えなくてはならない』という理解が進んでいる」と語り、新代表の下での党勢回復に期待感をにじませた。
【麻生降ろし…無党派層の動きカギ】
第3の狙いは「自民党の混乱助長」だ。
最近の麻生内閣の支持率回復は小沢氏の「敵失」という面が大きい。
現時点で「麻生降ろし」は沈静化しているが、民主党が新代表で支持率回復に成功すれば、自民党内の反麻生グループが動き出す可能性が高いと読んでいるのだ。
実際、首相に距離を置く中川秀直元幹事長は早くも「無党派を中心とした世論の動きがカギだ。注目していきたい」などと語っている。
孫子の「兵法」を通読する小沢氏だけに、天下分け目の次期総選挙前に、宿敵・自民党を混乱させて叩きのめす作戦とも言えそうだ。
ZAKZAK 2009/05/12