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http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090503/stt0905030323000-n1.htm
【土・日曜日に書く】政治部・阿比留瑠比 特異な小沢流政治資金哲学
2009.5.3 03:22
このニュースのトピックス:小沢一郎
≪知らぬ顔の半兵衛≫
西松建設による迂回(うかい)献金事件をめぐり、民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書が3月24日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で起訴されて、もう40日になる。
この間、一時は各種世論調査で10%台前半にまで落ち込み青息吐息だった麻生内閣の支持率は、3割前後に回復した。次期衆院選での敗北を半ば覚悟し、悲壮感すら漂わせていた自民党は、今では自信を取り戻したかのようだ。
一方、政権交代は確実と意気込んでいた民主党はすっかりおとなしくなり、国会審議も与党ペースで進んでいる。政党のリーダーのスキャンダルが、どれほど政治のあり方に直接影響を及ぼすかの実例となったといえそうだ。
ともあれ、自らの「政治とカネの問題」で国民の民主党への期待をしぼませた小沢氏が、今も代表の座にとどまっているのはやはり不可解だ。小沢氏は4月21日の記者会見でも「(常任幹事会など)民主党の組織としての総意と手続きを含め、それ(続投)はもう決まりきったもの」と強調した。
次期衆院選の行方を懸念する党内の声や、辞任論が過半を占める世論など知らぬ顔の半兵衛か。
「3月3日に秘書が逮捕された時点ですぐ辞めておいた方がよかった。でも小沢さんは、検察捜査のやり方にカーっときて、意地になってしまったのではないか」
小沢氏をよく知る民主党のベテラン議員はこう指摘する。この見方の当否はともかく、小沢氏の居座りは、その特異な政治資金哲学に基づくのではないかと思う。
小沢氏は秘書逮捕後、自身の政治資金問題については「すべて公開している」「法律にのっとって適正に処理している」などと繰り返す一方、具体的な言及、説明は避けている。とはいえ、過去の発言からその考え方はうかがえる。
≪違法でなければOKか≫
小沢氏は新生党代表幹事当時の記者会見で、大手ゼネコンの鹿島から、政治資金規正法で認められた上限の年間150万円を超える500万円の献金を受けていた問題を質問され、こう答えている。
「いくつかの団体で資金協力をいただいたのは事実だ。資金は領収書も発行され、使途も明らかだったと報告を受けている。すべて法にのっとって適当に処理されたと認識している。(資金を処理した政治団体は)法的に中身を要求されているわけではないので(言わない)」(平成5年11月9日付産経新聞)
このときから、「適法処理」を盾にしてきたわけだ。後に佐々木毅東大教授(当時)のインタビューで、その分かりにくさを指摘されると、小沢氏はこう語った。
「今の法秩序にのっとって処理している。(中略)『その法がザル法だからけしからん』とか『そんな脱法行為的なことをしてけしからん』とか、そういうたぐいの批判だ。今の税法の仕組みで許容されているいろんな特例や、税務署の裁量の余地がたくさんある」(6年2月14日付読売新聞)
法の網の目をかいくぐろうと脱法行為的であろうと、とりあえず違法でなければいいと主張しているようだ。なるほどこの考えに従えば、今回も自分には何ら問題はないという発想になるのだろう。
≪国民がどう判断するか≫
政治資金規正法は、その「目的」として「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ことを挙げている。また、総務省政治資金課は政治資金問題は「要は国民がどう思うか」が大事なのだと解説する。
一方、小沢氏をめぐっては西松建設からの巨額の献金のほか、政治資金でなぜか計10億円以上の不動産を購入していた件や、関係政治団体の保有資産が総額30億円以上に上ることなど、違法ではないにしても誰の目からも不自然な政治資金問題も指摘されている。
「『民主党よお前もか』と、こういう話に庶民の間でなっている。なぜこんな巨額なお金を集めなければ政治ができないのかと」
民主党の仙谷由人元政調会長は4月27日、都内の会合でこう訴えた。また、輿石東参院議員会長も同日、BSテレビ番組で「なぜそんなに小沢氏にたくさんカネが必要か。国民の率直な疑問かもしれない」と危機感を表明した。
「違法行為は司法が取り締まる。妥当性はオープンにすることで、税金を納めた国民、献金した国民が判断する」(19年2月28日付毎日新聞のインタビュー)
小沢氏は自身の不動産問題が報道された際、こう強調していた。検察の違法認定はすでに秘書の起訴で示され、国民の判断は世論調査結果にはっきり表れている。とるべき道は、おのずから明らかではないか。(あびる るい)