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筑西市長選、吉沢氏
2009年04月20日
筑西市長選は19日、投開票され、無所属で新顔の元市議会議長の吉沢範夫氏(45)が、現職の冨山省三氏(70)=無所属、自民・公明推薦=と、新顔の元農林水産省職員の鳥生厚夫氏(66)=無所属=を破り初当選した。前週の坂東、稲敷両市に続き、県内の市長選で現職は3連敗。筑西市民は今後の4年間を変革を訴えた40代に託した。財政再建や病院問題への関心が高く、投票率は58・73%と、前回の39・93%を大幅に上回った。当日有権者は9万132人。
筑西市倉持にある吉沢氏の選挙事務所には、午後7時すぎに支持者らが集まり始めた。当選が決まると吉沢氏は、大勢の人たちを前に「負の財産をきちんと整理して、市民の暮らしを最優先に、弱者にやさしい健全な市にしていきたい」と抱負を語った。
選挙戦で吉沢氏は、JR下館駅前にあり市の分庁舎にもなっている再開発ビルの民間譲渡を訴えるなど、冨山市政の負の部分を突き、「変える勇気」を掲げた。合併以来の市民サービスの低下や、補助金カットなど現市政に不満を持つ市民に共感を広げた。
陣営に加わった市議らは少なかったが、旧関城、明野、協和町など農村部をこまめに訪れ、1票ずつ積み上げていった。終盤に入ると、冨山氏の地盤の旧下館市でも支持を広げた。
一方、冨山氏は過去の実績を強調し、自民、公明両党の推薦や、国会議員、県議、市議らの支援を受けた。推薦団体も150を超え、組織的な選挙戦術を繰り広げた。
しかし、下館市長時代を含め4選しており、交代を求める声も多かった。冨山氏は19日夜、支持者らに「私の不徳の致すところです」などと説明した。
また、鳥生氏は最後まで知名度不足に悩まされた。
《解説》「平成の大合併」に伴い各地で首長選が繰り広げられる中、県内3市長選はいずれも現職が敗れた。初当選した3氏が独自色の強い政策を掲げたわけではない。にもかかわらず支持が集まったのは、政治も経済も閉塞(へい・そく)感が漂う中、「現職では何も変わらない」という地方の疲弊感が噴き出した結果と言える。
市長選を通じ浮き彫りになったのは、組織力の低下だ。現職市長が落ちた3市はいずれも、民主が圧勝した07年の参院選の選挙区でも自民候補が民主候補を抑えていた地域。自民県連は稲敷、坂東の両市長選で自主投票にしたが、地元選出県議は現職を推していた。
筑西市長選では冨山省三氏を自公が推薦した。ここでの敗退は、地盤とする赤城徳彦衆院議員にとって、次期衆院選への大きな懸念材料になった。
多選に対しても有権者は厳しかった。坂東市長選で落選した石塚仁太郎氏と筑西で敗れた冨山氏は、旧市長時代から数えるといずれも連続5期目を目指した。今秋に予定されている県知事選に、仮に橋本昌知事が立候補した場合、同様の流れが生じることも予想される。
三つの市長選では、組織と実績が通用しなかった。衆院選も知事選も、「チェンジ」に飢えている有権者が結果を左右しそうだ。(岡村夏樹)