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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090413-02-1201.html
「小沢一郎」立件が不発となった地検特捜の敗北
2009年4月13日 リベラルタイム
西松建設から違法な企業献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部は小沢一郎民主党代表の公設第一秘書である大久保隆規氏ら三人を政治資金規正法違反の疑いで立件、起訴したが、結局、小沢代表には迫れなかった。実際にはさしたる見通しもなく、特捜の内部分裂さえ起こした「欠陥捜査」だった。
秘書逮捕の四日前の二月二十七日、特捜部の特殊直告一班のキャップを務める検事は「こんな事件、やるべきではない」と、事件着手に反対。しかし、吉田正喜副部長は「絶対にやる」と宣言する。通常はキャップが書く「着手報告書」を自ら書き上げ、着手当日の三月三日午前、東京高検や最高検の決済を仰いだ。反対したキャップは後に、同地検総務部に放り出されることが決まる。
容疑は、西松OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」「未来産業研究会」が実態としてはダミーで、小沢氏側は西松からの献金と知りながら、資金管理団体「陸山会」で計二千百万円を受け取ったというもの。問題点は多岐にわたった。一つは、規正法違反のみで政治家側を立件する場合には、額が一億円以上という特捜部内部での取り決め額に、まったく届かないこと。贈収賄に発展するならば話は別だが「その見通しもまったくなく、三分の一の七百万円が三月で時効を迎えるとか、規正法の法定刑が五年以下の懲役と贈収賄と同様に重く、見過ごせない等という、もっともらしい理由が語られた」とある検察幹部は語る。
もう一つの理由は、バランス感覚。ある特捜OBは憤る。「特捜は暴走している。本来、特捜は罰するべき罪と、それが社会に与える影響を天秤にかけ、バランスを考える。今回、政権交代も予想される中、わずか二千百万円の違法献金、しかも汚職捜査に伸びる見通しがないまま着手したことは、著しくバランスを欠く」。
特捜部は秘書逮捕後、他のゼネコンから小沢氏への献金状況を調べたり、東北地方で発注された公共工事に小沢氏側がどのように関与していたかの捜査を進め、「いかに小沢氏周辺が悪質かを浮き彫りにする手法を取っている」(法務省幹部)。だが、あくまで容疑は規正法違反。「とても汚職に発展させる捜査には移れない」(検察幹部)という。当初の証拠が甘かった証左といえる。
「小沢氏に対する捜査が秘書だけで終わり、検察は完全に信頼を失った」と法務省幹部は危惧する。特捜部副部長の暴走とはいえ、それを止められなかった上層部も責任を問われる。今後、二階俊博経済産業相ら自民党議員側の立件も検討されているが「これで検察の威信を取り戻すことはできない」(特捜OB)という声が大勢だ。
リベラルタイム5月号「CONFIDENTIAL」