★阿修羅♪ > 昼休み17 > 488.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/83928
政治献金 政界に自浄能力はあるか
2009年3月18日 10:56 カテゴリー:コラム > 社説
準大手ゼネコンの西松建設の巨額献金事件で、「政治とカネ」の問題があらためて浮かび上がっている。
小沢一郎民主党代表の公設秘書が政治資金規正法違反の容疑で東京地検特捜部に逮捕されて、2週間が経過した。小沢氏は、きのうの記者会見で自らの進退について「検察当局の結論が出た時に判断したい」と述べたが、「潔白」を主張する基本的な姿勢は崩していない。
その一方で、東北地方の公共事業受注に大きな影響力を持つとされる小沢氏側と、西松建設を含むゼネコン業界との疑惑を指摘する記事やニュースが連日のように報道されている。
国会はハチの巣をつついたような大騒ぎになるかと思ったら、なぜか奇妙な静寂に包まれている。
西松建設の「疑惑のカネ」は、政治献金や政治資金集めのパーティー券購入を通じて、与野党の国会議員や政治団体にばらまかれているからだ。へたに追及すると、返り血を浴びかねない−。そんな萎縮(いしゅく)した雰囲気が自民党にも民主党にも、まん延しているという。
参院予算委員会の審議でも「政治とカネ」は論戦の焦点とならず、腰が引けている。質疑の持ち時間が短い共産党や社民党は熱心に取り上げるのに、肝心の二大政党が及び腰とはいかがなものか。
西松建設の事件は捜査中であり、不用意な言及は避けたいという議員心理は理解できないでもない。しかし、「検察の捜査待ち」で政界が沈黙しているのは見過ごせない。政治の自浄能力が問われていることを厳しく認識すべきである。
さすがに、このままではまずいと判断したのだろうか。民主党は政治資金規正法の改正に向けた党内論議を始めることにした。公共事業を受注した企業からの献金を禁止する方向で検討するという。
「公共事業受注企業からの献金禁止」は目新しい提案ではない。菅直人代表で臨んだ2003年衆院選でマニフェスト(政権公約)に掲げ、岡田克也氏が代表だった04年参院選と05年衆院選でも同様の主張をしていたからだ。
小沢氏はきのうの会見で、企業・団体献金の規制に関連して「禁止するならば、全面的に禁止すべきだ」と述べたが、公共事業受注企業の分別は不可能だとの認識も示した。
実際、公共事業受注企業とは何かという定義や線引きも難しい。政府の公共調達まで含めると、規制の対象は事務用品の納入業者にも及ぶ。とはいえ、決して解答が出せない問題でもないはずだ。
今回の事件を教訓にするのであれば、ゼネコンを頂点とする業者と、公共事業、政治献金で形成される政官業のトライアングルに切り込み、その「絶縁」へ踏み込むべきではないか。
自浄能力があるのなら、党利党略を度外視して、超党派で政治資金の透明化へ取り組むときである。
=2009/03/18付 西日本新聞朝刊=