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http://society6.2ch.net/test/read.cgi/giin/1236784708/l50
871 :無党派さん:2009/03/12(木) 12:03:27 ID:kqGrSbca
3/12 朝日新聞 視点 ジェラルド・カーティス 米コロンビア大教授(日本政治)
◆違法献金事件 検察には説明責任がある
今回の東京地検特捜部による小沢一郎・民主党代表の公設第1秘書の逮捕と事態の展開には、解せない
ことがある。逮捕から1週間余りたつのに、検察当局は強制捜査に踏み切った理由などについて、国民に
対し公式の説明をしていない。これは一体、どうしたことか。
私は、公共事業に絡む建設業界と政治家の腐敗構造がなくなっていない事実を軽視するつもりはない。ま
た、検察が不正献金の問題を追及するのも当然のことである。
しかし、この事件は普通の政治スキャンダルとは質的に違う。数ヶ月以内には総選挙が行われ、政権交代
が取りざたされている。その微妙な時期に、「政治資金規正法違反」という形式犯で、次期首相になる可能性
がある人物の公設秘書をいきなり逮捕するとは、極めて異例である。だからこそ、検察の説明責任が問われ
ているのだ。
検察が自民党のために動いたとの憶測が出たり、民主党から「国策捜査」の非難が飛び出したりした。検察
当局は沈黙を守るが、マスコミは「関係者によると」などの形で様々な情報を流している。公共事業をめぐる
「斡旋利得」の疑いがあるとか、事件はさらに二階経済産業相に飛び火するとかいう報道が事実のように語
られ、当局のリークなどによる巧妙な情報操作への疑念も生じさせている。
検察当局は、逮捕した秘書の勾留期限が来る3月24日に記者会見し、起訴か否かも含めて事情説明すると
見られている。だがこの間、逮捕されただけでも世間的には「有罪」の印象を持たれ、次期首相の最有力候
補の政治生命をも奪いかねない。
(続く)
874 :無党派さん:2009/03/12(木) 12:03:59 ID:kqGrSbca
>>871続き
私は、小沢氏の肩を持ったり、特定の政党の側に立ったりするものではない。検察が政治的に動いていると
か、検察のやっていることが怪しいとかいうつもりもない。しかし、総選挙を前にして、動き出した検察が沈黙
し、公の場で説明しないということは、国民の間の政治不信ばかりか、国家権力に対する不信感を深めるこ
とになりかねない。この危険の重大性こそを、検察は認識すべきである。
なぜ、検察の説明責任を求める声がもっと強く出てこないのだろうか。朝日新聞は3月10日、「民主党、この
不信にどう答える」と題した社説を掲げたが、どうして「検察、この不信にどう答える」と問いかけないのか。
検察のやることは絶対に正しく、疑う余地がないとでも思っているからなのか。マスコミは検察側が不機嫌に
なるような報道を自己規制して控えているからか。
検察当局は、現時点ではまだ捜査中なので、すべてを明らかにすることはできないという立場なのだろう。だ
がそうであれ、記者会見をして説明できる事は説明し、話せないことは話せないと言えばいい。肝心なのは、
国家権力を行使する機関の姿が国民に見えることだ。
国家権力があくまでも公平・公正に使われていると国民が信じられることが、民主主義の絶対条件である。い
ま日本では政治家もマスコミも、さらに国民一般も、この問題にあまりにも鈍感になっていないか。
今回の事件は一人の野党リーダーの問題だけではない。党利党略ばかりを考えず、法治国家としてのプロセ
スの正当性を守る意味においても、麻生首相をはじめ与野党の政治家たちは、検察の責任者が公の場に出
てきて国民に説明責任を果たすよう求めるべきだ、と私は思う。