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【journal、高野論説、こんなところで辞任してはダメですよ、小沢さん!5月総選挙?で「勝てる」という自民党の勘違い】
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak17/msg/1192.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 3 月 31 日 11:56:32: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/03/post_244.html
こんなところで辞任してはダメですよ、小沢さん! ——5月総選挙?で「勝てる」という自民党の勘違い
 民主党の小沢一郎代表は、24日の大久保隆規秘書の起訴を受けて 25日に会見を開き、「代表の地位や政権をとって総理になるという類のことに何の未練も執着もない(が)……私が代表を続けることがプラスかマイナスか、私に判断することは出来ない。すべて国民の受け取り方次第だ」と述べて、少なくとも今の時点で辞任するつもりがないことを言明した。引き続き27日には衆参それぞれ の同党議員総会でその趣旨を繰り返した。

 当然である。こんなタイミングでこんな理由で辞任したのでは、何としても「政権交代」を阻止しようとする自民党と検察はじめ官僚機構の中の既得権益死守勢力の思う壺であって、麻生官僚支配政権の延命に手を貸すだけである。そんな選択はあり得ない。

 小沢vs検察の闘いに民主党を巻き込むなという一見もっともらしい意見が、民主党内にもくすぶっているしマスコミにも広がっているが、それは間違いである。このようなやり方が罷り通るのであれば、検察は気に入らない政治家を誰でもいつでも引っかけて叩き潰すことが出来ることになる。検察ファシズムにも繋がるこのような公権力の乱用に対しては、民主党全体が闘って民主主義を守らなければならない。さらに言えば、検察がこのような粗暴な行動に出た背景には、検察を含む官僚機構が抱く政権交代への不安感——「明治以来100年間の官僚支配を打破する革命的改革」を呼号する小沢への恐怖感があるに違いない。だとするとこの事件そのものがすでに政権交代をめぐる熾烈な権力闘争の予告編なのであって、ここで民主党が簡単に膝を屈して、清潔だが毒気もないような当たり障りない人物に代表をすげ替えて凌ごうとするのであれば、仮に政権が獲れたとしても「革命的改革」を成し遂げるような政権とはならない。

 こういう言い方をすると、返ってくる反応は見えていて、「お前はそこまで小沢ファンなのか」「何でそんなに甘いんだ」というものである。しかし、私は小沢ファンでもないし彼に対して甘くもない。“小沢パラドックス”(本誌No.484)を引きずりながらも身を擲って戦後初の本格的な政権交代を実現してみせることが小沢の宿命なのであって、それがいかに過酷なことでありその途上で政治的もしくは肉体的生命を失うことがあったとしても、彼にはそれを全うする義務と責任がある。死んでもいいから政権交代をやってみろ、中途半端に投げ出すことは許さない、ということである。

●検察はすでに半ば敗北

 秘書を事情聴取もせずにいきなり逮捕するという前例のない大騒動を演じた挙げ句に、政治資金規正法の「虚偽記載」という容疑でしか起訴できなかった時点で、すでに検察は半ば敗北している。繰り返しになるが、秘書は形式上、2つの政治団体からの献金をそのように“正しく”記載したのであって、それ自体は罪にはならない。となると、その2つの団体が実はダミーで、実質上は西松建設からの違法な企業献金であることを知った上で、秘書が西松側と談合・共謀してそのような偽装を積極的に行ったというストーリーを仕立て上げなければならないが、これはなかなか難しい。

 第1に、西松がこの迂回献金の仕組みを作ったのは、これも繰り返しになるが、尾身幸次元沖縄・北海道担当大臣に働きかけて沖縄の公共事業を手に入れることが主目的で、その同じ仕組みを通じて小沢にも金が流れるようになったのはだいぶ後のことである。

 第2に、その当時の小沢の資金担当秘書は政界では誰知らぬ者のない“敏腕秘書”の高橋嘉信で、彼がこの仕組みを通じて年間2500万円前後の金が西松から小沢に流れるよう交渉した。偽装の共謀があったとすれば彼であり、大久保はそれを引き継いだだけである。

 第3に、その高橋は自由党時代の2000年に小沢の薦めで東北ブロック比例で出馬して当選したが、何らかの理由で次第に小沢と疎遠になり、1期のみで引退・離党。以後地元に留まって04年参院選では自民党候補を支援し、06年には奥州市長選に小沢系に対抗して立候補・落選、さらに昨年には小沢の地元である岩手4区で自民党公認候補として立候補し、小沢と正面切って勝負することを表明している。21日付読売によると、いつの時点かは不明だが、検察はこの高橋を事情聴取に呼んでいて、「献金の仕組み作りの経緯などについて説明を求めたとみられる」が、小沢に個人的な怨念を持ち、しかも間近に迫った総選挙でその小沢に直接闘いを挑もうとする人物が、検察のストーリーづくりに協力して小沢に打撃を与えようとしたであろうことは容易に想像がつく。これはあくまで推測に過ぎないけれども、高橋自身に金にまつわる問題があって、検察がそれを不問に付することを条件に小沢に痛打を与えるような材料の提供を求めるという、一種の司法取引が行われた可能性さえ否定は出来ない。

 第4に、企業献金が政治団体を迂回することで尻抜けになっているのは、現行の政治資金規正法の天下周知の抜け穴であり、小沢のケースがダメなら西松から同じようにして献金を受けた自民党議員も、西松以外のゼネコンのみならず企業一般から政治団体経由で献金を受けたすべての議員も、問題になりうる。検察は常に「一罰百戒」的にしか問題を採り上げることは出来ないが、今回ばかりはそれでは世論は納得せず、論理的には、すべての政治家に対するすべての政治団体からの献金を精査しなければならなくなる。それをしなければ、小沢のケースが「特に悪質」であることを論証できないだろう。

 こうしたことすべてを乗り越えて、秘書を「虚偽記載」で有罪に持ち込むのは相当大変なことで、検察は公判維持に苦労することになろう。

●自民党ははしゃぎすぎ

 そのような検察の苦衷を知ってか知らずか、自民党内では押せ押せムードが高まっていて、小沢=悪者という世論を盛り上げることで民主党に亀裂を入れて小沢を辞任に追い込む一方で、定額給付金バラマキの“効果”が現れ始める時期に09年度補正予算案を成立させることによって「5月総選挙」で勝負をかけることが可能だとの判断に傾きつつある。

 細田博之幹事長は26日、自民党本部での会合で「(小沢が)法律に違反しておいて『企業献金はやめましょう』と言うのは、強盗に入って『わしが強盗に入ったのは鍵がかかっていなかったからだ。鍵をちゃんとかけなさい』という説教強盗に非常に似ている。検察が横暴だとか、この程度のことで何だというのは30何年前の金権政治。今の政治はそうじゃない」と述べ、小沢が、1976年にロッキード事件で逮捕された故・田中角栄元首相の金権政治の亡霊に過ぎないかに印象づけようとした。この言葉の跳ね方に、この半年来、叩かれ通しで鬱屈し切っていた自民党首脳の解き放たれたような気分が表れている。

 古賀誠選対委員長も同日の古賀派総会で「選択肢は多くない。5月は緊張しなければならない。09年度補正予算案の提出と成立のタイミングが政局の大きな山場となる」と、選挙を打ちたくても打てない閉塞状況の中でようやく「5月」に光明を見いだした喜びを言葉に表した。菅義偉選対副委員長、伊吹文明元幹事長、山崎拓元幹事長も一斉に「5月」を示唆する発言をした。

 確かに自民党にとって選択肢は限られていて、4月末解散〜5月下旬投票、5月連休明け解散〜6月中旬投票というあたりしか打ちようがない。7月初には主要国サミットがあるし、下旬の都議選が近づくと、自公両党が都議選では争いながら衆院選では選挙協力するという器用なことは到底出来ないので無理。と言って都議選直後では、自民党はたぶん都議選で大きく負けて麻生太郎首相の責任論が噴出しかねないので、これも無理。8月のお盆休みにかかるような選挙はあり得ず、結局9月の任期満了ギリギリまでチャンスがない。そこまで麻生流グズグズ政治を続けて行って最悪の結果となるよりも、僅かでも光明が見えたこの春に賭けようということだろう。

 しかしこの賭はかなり危険である。第1に、民主党に亀裂を入れ早期に小沢を辞任に追い込んで、次の代表選びでゴタゴタを演じさせておいて総選挙というのが自民党の狙いであることは分かり切っているから、小沢は辞めないし民主党も辞めさせない。

 第2に、多くの国民は“小沢パラドックス”を理解しているから、小沢が西松から年間数千万円の献金を受けていたからと言って、それほど驚いたり失望したりしない。世論調査では確かに小沢辞任を求める声は63%に達しているが、それでも麻生内閣不支持(麻生は早く辞めろという意味)の64%より僅かながら低い(30日付朝日)。また『AERA』のアエラネット会員を対象としたアンケート調査では、今回の検察のやり方について「おかしい」と思う者が56%で、「適切だった」の44%を上回った。「おかしい」と思う理由としては3分の2の人が「総選挙前で政治的思惑を感じる」と答えている(4月6日号)。

 第3に、そうこうするうちに、西松問題は自民党に波及してくる。すでに二階敏博経済産業相についてはパーティ券の大量購入や事務所マンションの無償提供など、いろいろな手口が明るみに出つつあるが、これが彼で止まって尾身や森喜朗元首相に及ばない保証はない。元特捜部長の宗像紀夫中央大法科大学院教授は、大久保裁判では西松側の2政治団体のダミー性とそれへの大久保の認識が焦点となるが「この政治団体から寄付を受けていた議員は他にも多数あり、自民党議員側の捜査も遂げなければ実態を解明したことにはならない」と指摘しているが、それは多くの人々の認めるところである。

●政治資金制度の改革が一大争点に

 こうして、西松事件そのものはよくて相打ちという程度で、選挙をやれば民主有利、自民不利という基調にはさほど変化がないと見るべきだろう。そこでさらに、「瓢箪からから駒」というか、民主党にとって「禍転じて福となす」ように浮上してきた新しい争点は、企業・団体献金の廃止である。民主党にも企業や労組からの献金に頼っている議員は少なくなく、現に前原誠司元代表は「企業献金をすべて悪とするのもいかがなものか」と注文をつけているが、ここは一旦踏み出した以上、企業・団体献金の「原則禁止」くらいの線で党内をまとめ、出来れば他の野党とも語らって共同提案の形で自民党に突きつければ面白い。

 そもそも日本が政党交付金という形で税金から年320億円を費やして政党を助成しているのは、企業・団体献金は本来禁止もしくは制限すべきであるけれども、それに代わるべき個人の政治信念や政策判断に基づく自発的な献金で政治を支えられるほど社会が成熟していないことに鑑みて、そこへ辿り着くまでの便宜的な経過措置として、国が個人に成り代わって政治文化を支えるという趣旨からのことである。とすると、政党助成金を貰いながら企業・団体献金を減らすかなくすかする努力をしないのは政治の怠慢であり、結果的に二重取りの形になるわけだから、企業・団体献金を減らすかなくすかして個人献金を増やし、その度合いに応じて交付金も減らすかなくしていくのが筋である。

 現行の政治資金規正法では、企業・団体献金は会社、労働組合・職員団体、その他の団体の3つに分類され、それぞれ資本金、加盟人員数、前年の経費に応じて年間750万円から1億円までを政党及び政治資金団体に対して寄付することが出来るが、政治家やその資金管理団体に寄付することは禁止されている。が、今回の事件でも明らかになったように、会社が「その他の政治団体」(と同法上で呼ばれるもの)を設立すれば、政党及び政治資金団体には無制限に、資金管理団体や別の「その他の政治団体」(例えば政治家の後援会)には年間5000万円まで寄付することが出来る。政党には本部だけでなく支部も含まれるので、支部宛に寄付すれば事実上、その支部長である政治家個人に寄付したのと同じことになる。また政党が1つだけ指定する政治資金団体(自民党の場合は国民政治協会)に寄付する場合に、その分を特定の政治家に配分するよう“ヒモ付き”で行うことが可能であるなど、抜け穴がいろいろあるし、それ以外にも表に出ないヤミ献金がある。

 2004年に発覚した日歯連事件は未だに記憶に新しい。日本歯科医師会は日本歯科医師連盟という「その他の政治団体」を持っており、傘下の医師から1人年間3万5000円、計18億円の会費を集め、それを自民党に注ぎ込んでいる。東京新聞取材班『自民党迂回献金システムの闇/日歯連事件の真相』(角川書店、05年)によると、日歯連は00〜02年の3年間に、国民政治協会への献金15億円(うち5億3000万円は特定政治家へのヒモ付き?)、自民党国会議員110人への献金・パーティー券購入など7億円、旧橋本派=平成研究会へのヤミ献金1億円(これが事件化した)、その他支援議員の選挙費用など5000万円、合計23億5000万円をバラ撒いた。1年当たり約8億円である。歯科医師の政治団体1つでこうなのだから、自民党が企業・団体献金を断ち切ることなど出来るはずがない。

 小沢の24日の記者会見では、自身の政治資金の収支の実態について国民の多くが納得するような説明責任を果たしたとは言えないので、まずそれをきちんと果たした上で、民主党が企業・団体献金の禁止について要綱をまとめて総選挙に挑めば、そのこと自体が選挙の大きな争点の1つとなり、政権交代の意義が一段と鮮やかになるのではないか。

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《参考資料》小沢代表の24日記者会見の要旨(文責:民主党役員室)

【代表】それでは、この度の私の政治団体をめぐる問題につきまして、私の思いと現在の心境を申し上げさせていただきたいと思います。

まず、私自身の政治資金団体をめぐる問題につきまして、仲間の皆さん、同志の皆さんをはじめ、国民の本当に大勢の皆さまに、ご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを心からおわび申し上げます。

今月3日に秘書の大久保が逮捕されて以来、私自身が犯罪を犯したような印象を与える状況の中で、本当に自分自身、悔しい思いと無念の思いを抱きながら、必死に耐えて頑張ってまいりました。このような状況にもかかわらず、仲間の皆さん、そして大勢の国民の皆さんから、励ましの言葉をいただきました。私は、この皆さんの激励がなかったならば、今日まで耐えてくることはできなかったように思い、本当に国民の皆様の大勢の方々の「負けるな、頑張れ」という声に励まされ、今日までまいりました。本当に、国民の皆様に、そして同志の皆さんに、心から感謝を申し上げます。

私は、今月3日の逮捕以来、皆さんの前で機会ある度に申し上げてまいりましたが、私自身が収賄罪等、犯罪に手を染めていたということであるならば、それはどのような捜査でも、どのような処罰でも甘んじて受けると。しかし、自分にはそういう事実がないということを、繰り返し、皆様にも申し上げてまいりました。本日はその意味で、私の主張してきたことが事実であるということが明らかになったのではないかと思っています。しかしながら、それはそれとして、秘書が結果として逮捕され、起訴されたことについての自分の責任は非常に大きいと。特に民主党に期待してくださった、また直接、激励してくださった皆さんに大変申し訳ない思いでいっぱいです。

きょうの秘書の起訴の理由を聞くと、収支報告書の政治資金規正法違反、すなわち収支報告書の記載の仕方についての問題が、起訴の根拠と理由とされております。私どもとしては、献金を受けた事実はそのまま報告していますし、献金をいただいた相手方をそのまま記載するのが政治資金規正法の趣旨であると理解していまして、その認識の差が今日の起訴という事実になったことと思います。

今までの過去の例を見ても、この種の問題につきまして、逮捕、強制捜査、起訴という事例は記憶にありません。そういう意味で、政治資金規正法の趣旨から言っても、またそういう点から言っても、私としては、合点がいかない、納得がいかないというのが、今日の心境です。特に総選挙、まさに秒読みの段階に控えている今日であり、私の責任の重大さを感じると同時に、そういった形での結果については、自分としては納得できないという思いです。

したがいまして、先程来、役員会、常任幹事会に、私の心境を述べさせていただきました。私は、40年になんなんとする政治生活ですが、別に代表の地位や、あるいは政権をとって総理云々ということに、何の未練も執着もありません。ただ思いは、何としても日本に議会制民主主義を定着させる、それが私の自民党を離党して以来の大目標でありまして、自分の思いであり、そして、これが最後の機会だと。この機会に何としても国民の皆さんの理解を得て、政権交代を実現することによって、官僚機構の上に立った自公政権を覆して、本当に国民主導の、国民の側に立った政治を実現させる、それが、私の最後の政治家としての仕事だと思っています。

その意味におきまして、皆さんのご理解をいただいて、本当にこの目的をみんなと一緒に力を合わせて今後も頑張っていきたいという趣旨の話を、役員会、常任幹事会において行いました。その役員会でも、とにかく、そういう大目標を、そして大いなる使命を達成するために、一緒に頑張ろうと、本当に温かいご支援の声をいただきました。私としては、本当に微力で、不憫な才能でしかありませんが、本当にみんなと一緒に、みんなのこういった温かいご支援をいただいて、自分の、そして民主党の、国民の皆さんの期待に応えるよう、今後も頑張ってまいりたい、そのように決意を新たにしたところです。

今回のことにつきましては、本当に、仲間の皆さんに、そして多くの民主党に期待する皆さんに、ご心配とご迷惑をおかけしたことを重ねておわびを申し上げながら、私の報告と、今日の心境といたしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

<質疑応答>

【記者】確認ですが、代表を辞任せずに続投するということでいいのでしょうか。また、進退に関しては衆院選への影響を第一に考えるということでしたが、この点はどう判断したのでしょうか。

【代表】進退については、今申し上げたように、私ひとりで決するにはあまりにも大事な大きな問題ですので、役員会の皆様のご判断を仰ぎ、また常任幹事会の皆さんのご意見、ご判断を仰いだということです。

それから、衆議院の総選挙で政権交代を実現し、本当に国民主導の、国民の側に立った政治を実現するということが、私の政治家としての生涯の目標であり、夢であり、そして今日、最後の自分の仕事だと心得ています。したがって、今後もそのことを、これからのいろいろな状況、どうなるか分かりませんが、そのことを前提にして、それで今後も考えていきたいと思います。

【記者】秘書が刑事被告人になる状況で、民主党へのダメージや世論の批判がある中で、あえて代表に留まることが、政権交代を目指す民主党にとってどういう形でプラスになるという判断があったのか。そして、選挙の顔として、あくまで選挙の時期や捜査の進展にかかわらず、代表を続けるという理解でよいのでしょうか。

【代表】今、先ほどの質問にも答えました通り、私の目標、そして私の夢は、政治家としての夢は、日本に本当の議会制民主主義を定着させること。そのためには、本格的な政権交代ということによって、主権者の国民の皆さんの議会制民主主義への理解を深めることが私はできると。そしてまた政権交代しか、本来の民主主義の機能であるこのことによってしか、日本に議会制民主主義が定着することがないだろうと、そういう思いに立っていますので、そのことで私が、今日、皆様のご理解の下で、代表をこのまま続けるということにご承認いただいたわけでありますけれども、あくまでも総選挙で勝利ということを前提に、何事も、私自身、考えていきたいと思います。今日の時点において、私が代表をそのまま続けることが、 プラスかマイナスか、それは私に判断することはできません。全て国民の皆さんの受け取り方次第だと思っています。繰り返しますが、いずれにしても、総選挙で政権交代を実現して、国民のための政治、議会制民主主義を定着させる、その一点で今後も対処していきたいと思っています。 

【記者】総選挙に勝利した場合は、これまで通り内閣総理大臣に就任する考えはあるのか。また、これまで代表は検察批判をしていましたが、政権交代を実現して、内閣総理大臣として政権運営にあたる場合にも、検察と戦い、裁判闘争を続けるというお考えなのでしょうか。

【代表】第一点は何度も言いますように、私が民主党の代表として、民主党が過半数を国民の皆さんにいただいたときは、それはその責任を果たすのは当然だと思っております。

それから、私たちの戦いと言っては何ですが、選挙戦の相手は、別に検察ではありません、自公政権です。そういう意味において、検察は検察の職責を果たしたということであろうと思いますが、いずれにしろ、私どもの対決するのは自公政権。これは国民のためにならない、そういう思いの中でこれからの選挙に向けて努力してまいりたいと思います。

【記者】今回の事件では、違法行為があったかどうかということとは別に、西松建設という違法行為をしていたとみられる企業から、国民の感覚で言えば非常に多額の政治献金が代表のところに来ていたことが明らかになりました。そのこと自体について、普通の国民の感覚では理解できないというか、これだけの額の政治献金がきていながらいろいろな事実が分かっていなかったのかという意識が国民の中にあると思うが、そのような意識を国民が持っていることを理解しているかどうか。また、それによって民主党のイメージが傷ついたと思うが、「政治とカネ」の問題を含めてどう改善していくのか、お伺いします。

【代表】事務所の不動産の時にも皆さんから同じようなことを言われました。私は、今、西松建設、西松建設と言われますが、別に西松建設からだけいただいていたわけではありません。数で言えば、はるかに個人の皆さんからの献金が、私の献金の中身でございます。したがって、私はその献金を、浄財を、ありがたく頂戴して、それを政治活動に使うという点において、何ら国民の皆さん、また献金をしていただいた皆さんに、隠すべき点も恥ずる点もありません。今回のことにつきましても、確かに大きなお金であることは間違いありませんが、それを別に隠していたわけでもありませんし、使い道を、これまた事務所経費をこの間も申しあげましたが、マスコミに全部公開をいたしました。そういう意味で、あとは主権者の皆さんが判断することであろうと思っています。

【記者】代表の持論は、政治資金の収支を全て公開し国民の判断に委ねる、ということだが、今回の事件はダミーの政治団体を使い、いわばその盲点をついたことになっていて、しかもその経緯を秘書が知っていたということが起訴の内容になっている。強制捜査が異例ということはあるとしても、秘書が小沢代表の持論を骨抜きにするような内容で起訴されたことについて、自身の言行に照らして反省するところがないのかどうか。また、今回の事件を機に、民主党の議員からは、小沢代表は自分たちと比べて政治資金がなぜ必要かという声がある。かつての自民党の派閥の幹部でもないのに、なぜお金が政治活動に必要なのか、説明をお願いします。

【代表】第一点ですが、これはダミー云々とか、迂回して云々とかの議論が皆さんの中でいろいろ言われていますが、先ほど申し上げたように、政治資金規正法の趣旨は、献金を受け取った相手方を明らかにするということであると解釈し、その通りの事務作業をしたものと思っています。私のディスクロージャー、オープンにということは、その意味で矛盾する問題ではないと思います。

第二点は、みなさんもお分かりと思います。こういうことを申し上げると差し支えあるかもしれませんが、若い政治家の方々以上に、はるかにスタッフもいっぱいいるし、いろんな意味で、選挙をはじめ、いろいろなお手伝いもさせていただいて、また会館の他に事務所があるのはけしからんという議論に立てば別ですが、当然、人も事務所経費もあります。その意味において、全く同列にそれを論評されると、私もどう答弁したらいいのか。あなた方の方が実態はよく分かっているはずですから。その意味において、私は政治活動の経費も、多分、他の人以上にかかっていることは間違いないと思っているし、それがある意味においては代表として、また年長のものとして、いろいろな形で秘書が手伝いをしたり、なんなりするということが、ごく自然のことではないだろうかと思っています。

【記者】今日の代議士会で一部議員から、新生民主党で総選挙に臨むべきだとの声が出て、代表を代えてということでしょうが、こうした声が党内から出ていることについて、どのように受け止めていますか。

【代表】そういう意見もあるだろうと思います。したがって、私は自分ひとりで、このまま続けるということを決めるには大きな問題である。そう思って幹事長に諮り、役員会、常任幹事会という党の機関の皆さんの意見や判断をいただいて、その中で一緒にがんばっていこうとの結論になったということです。

【記者】今後の世論調査などで小沢代表は辞めるべきだとの声が依然高かった場合、そして民主党の支持率が浮上しなかった場合、それを受けて代表辞任の考えはあるのか。また、小沢代表は会見の冒頭で涙ぐんでいたが、この間の辛かった日々を思い浮かべたのか、あるいは検察への怒りなのか、同志の温かい声を受けた涙なのか、何の涙だったのか、お願いします。

【代表】これから国民の皆さんがどういう受け止め方をするか、それについては予測は私にも分かりません。ただ、何度も申し上げるように、次の総選挙で国民の皆さんの支持を得る、そして今の官僚機構に支えられた自公政権に代わって、国民サイドに立った政権を打ち立てる。それがひいては議会制民主主義の定着につながるとの思いを持っていますし、常にそのことを基準にして考えたいと思います。私はこのようなことを言っては僭越に聞こえるかもしれませんが、自分自身、国民の中に入って、いろんな意見を聞き、直接、声を交わしているつもりです。そういうことは、そういう中から自分で判断します。

男が不覚な涙で恐縮ですが、辛かったからというわけではありません。ただ本当に、私があたかも犯罪を犯したかのような世間の状況の中で、多く仲間の皆さん、特に一般の皆さんから本当に多くの励ましの言葉をいただきました。そのことを申し上げるときに胸が詰まって、不覚の涙ということです。

【記者】党内では代表に今回の件についてきちんと十分な説明をしてほしいとの声がある。秘書の逮捕直後の世論調査では、多くの国民が代表の最初の会見のときの説明は納得できないとの声がかなりあった。逮捕から今日までを振り返り、十分な説明責任を果たしたとお考えなのか、不足だとすればどうするお考えなのか、お伺いします。

【代表】もし私の説明に分からない点があれば、私はこうして毎週、また全国行脚するときには毎日のように、みなさんの質問に答えているわけですので、どうか国民の皆さんの中にそういう声があれば、代弁してそれを質問してください。私は何も隠すこともありません。

【記者】3月4日以来の記者会見で代表が説明責任を果たそうと、フリーランス記者、雑誌記者、海外メディアに記者会見を開放したことについて敬意を表したい。自民党、首相官邸、全官公庁、警察を含め、私のような記者が質問する権利がない。仮に政権交代が実現したら、記者クラブを開放して首相官邸に入るのか、お聞かせください。

【代表】私は、政治も行政も経済社会も、日本はもっとオープンな社会にならなくてはいけない。ディスクロージャー、横文字、カタカナを使えばそういうことですが、それが大事だと思っております。これは自民党の幹事長をしていたとき以来、どなたとでもお話をしますということを言ってきた思いもあります。そしてまた、それ以降も、特に制限は全くしていません。どなたでも会見にはおいでくださいということを申し上げています。この考えは変わりません。

【記者】代表を続投することについて、自身ひとりで考えるにはあまりに多くの問題があったということを話していたが、これまで辞任を考えたことはあったのでしょうか。また今日という日は民主党にとってどんな意味を持つ一日になるとお考えでしょうか。

【代表】私は先ほども申し上げたように、私の秘書、事務所は、政治資金規正法に違反した行為をしているとは思っていませんでした。今もそう思っております。したがいまして、そのことで辞任しなければならないと考えたことはありません。ただ結果として、今日、起訴ということになりました。それで私は別に一人でもこのままいくということを決めたわけではありません。先程来申し上げましたように、私の気持ちとしては、何としてもみんなと一緒にこの大目標を達成したいけれども、この点については皆さんのご判断をいただきたいということで、役員会、常任幹事会を開催して、みなさんのご判断をいただいて、その上でこの会見に臨んでいます。

【記者】今日、日本にとって一番さわやかな話題は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、イチロー選手が日本に勝利を呼び込んだ。民主党のチームのリーダーとして小沢一郎さんがこれからも続投する中で、かなり厳しい戦いになることを強いられると思う。そのときにイチロー選手のような起死回生のクリーンヒットを打つことに関して、企業団体献金の全面廃止を、党として一つの方針としてまとめ、総選挙の争点にするという大方針はお考えでしょうか。

【代表】今日の、同じ名前ですが、イチロー選手のような役割を自分が果たせたら、この上ない喜びと思っていますが、今後そういう役割ができるように頑張ってまいりたいと思っています。

それから、企業献金の全廃ということは、これは私は突然言い出したわけではありません。『日本改造計画』(小沢代表の著書)の中でも触れていますし、私自身の持論はディスクロージャーということでありますが、企業献金にまつわるいろいろな問題があるとするならば、また今回のことも考慮に入れて、やるならば企業献金を全て禁止するという方策しかないだろうと思っていまして、これが民主党の党内の結論になるかどうかは、幹事長をはじめ皆さんの議論を待ちたいと思っておりますし、それが民主党のみんなの総意ということになれば、一つの総選挙の争点になることは間違いないだろうと思っています。

【記者】今日、検察の結論が出たが、いまの話を聞いていると違法行為がないという立場は変わらないと承っています。一方で献金を返還することはいかがでしょうか。

【代表】最初から申し上げていますように、違法なことであることが確定した場合には、返却したいと思っています。問題は、一つは政治団体が解消されているということもありますし、また、その政治団体からのお金がまったく西松建設から、関係のある団体であることは秘書も認識していたと思いますけれども、西松建設がそういう手法で全額を出資していたということは、多分、彼らも知らなかったことだと思います。そういう意味で、この問題が結論を得たときには、そういう返却ということは、当然考えていくべきだと思っています。▲

投稿者: ニュース・スパイラル 日時: 2009年03月31日 00:00 | パーマリンク
 

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