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http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
2009年3月31日(火)付
民主党―このまま沈むつもりか 民主党に吹きつける世論の風が、いちだんと厳しさを増してきた。
朝日新聞の世論調査で、小沢代表の辞任を求める人が63%に達し、西松建設からの違法献金事件で公設秘書が逮捕された直後の57%よりも増えた。
千葉県知事選では、自民党が三つの陣営に分裂したにもかかわらず、民主党の推薦した候補が敗れた。
この冷たい風には、大きく言って二つの原因があるのではないか。
まず、小沢氏自身の説明に説得力が欠けることだ。何の見返りもなしに、あれだけ巨額の献金をしてくれる企業があるものだろうか。出所の怪しいカネまで受け取って、どんな政治活動をしようというのか。
小沢氏の言葉をいくら聞いても、こうした基本的な疑問は消えない。朝日新聞の世論調査で、86%もの人が小沢氏の説明では「不十分だ」と答えたのは当然のことだろう。
もうひとつは、民主党の議員たちの対応があまりに鈍いことだ。
先週、小沢氏は党の参院議員と衆院議員の総会でそれぞれ経緯を説明し、続投に理解を求めた。だが、そこで批判や疑問の声をあげたのはわずか2人だけだった。「小沢代表をリーダーとして頑張ろう」という執行部の方針があっさり追認された。
確かに、一昨年の参院選を大勝に導いた選挙上手の小沢氏は頼りがいがあるのだろう。寄り合い所帯の民主党を束ねるのに、その重量感が役立ってきたのもその通りかもしれない。
だが、多くの国民が民主党に期待しているのは、その先にあるはずの政権交代であり、日本の政治を変えるという、民主党の約束なのではないか。
そのためにも、政官業の癒着構造にどっぷり漬かった古い体質をあらわにした小沢氏を、このまま党首にかつぎ続けていいとは思えない。
天下りや官製談合を根絶し、税金の無駄遣いをなくすという民主党のマニフェストが、有権者にどれだけ白々しく響くことだろうか。そこを問う声が党内からほとんど出ないことに、人々は不満と不信を膨らませているのだ。
この1カ月近くというもの、民主党の国会論戦、政策論議は著しく精彩を欠いている。捜査の推移や小沢氏の出方を見守ろうという空気が強かったためだが、そろそろショックから覚め、党の立て直しを真剣に論議しなければならない。このままでは、党の統治能力そのものに深刻な疑問符がつく。
今回の事件は、秋までに必ずある総選挙に向けて、民主党の政権担当能力が問われる試金石だ。対応を誤れば国民の期待を裏切り、政権交代の実現も遠のきかねない。その危機感を、民主党の議員たちは持つべきだ。
執行部の腰が重いならなおさら、議員ひとりひとりの行動が問われる。