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【世日、「かんぽの宿」疑惑(上)】(小泉が政局に関らないのは自由ですが、かんぽ疑獄については国民に語るべきです)
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak16/msg/432.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 3 月 03 日 12:19:52: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www.worldtimes.co.jp/special2/kanpo/090303.html
2009年3月3日
「かんぽの宿」疑惑(上)
国民新党副代表・参議院議員 自見庄三郎氏に聞く
 国民の貴重な財産である健康増進・福利厚生施設の「かんぽの宿」が一万円で売却、六千万円で転売されるなど、特定業者への不当廉売疑惑が深まっている。疑惑を追及している国民新党副代表で政審会長の自見庄三郎・参議院議員(元郵政大臣)に問題点を聞いた。
(聞き手=編集委員・野村道彰)
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一括売却は筋書き通り
オリックス株大量買い増しも
 ――オリックス不動産への「かんぽの宿」の一括売却に疑惑を持ったのはいつごろからか。
 (郵政民営化関連法案による日本郵政公社の)四分社化の際、「かんぽの宿」がかんぽ生命保険会社ではなく、持ち株会社の日本郵政会社の所管になった時から、不審に感じていた。今思うと、オリックス不動産への一括売却は筋書き通りだったのではないか。

 ――その筋書きとは。

 りそな銀行、住友信託銀行、中央三井トラスト銀行がそれぞれ三分の一ずつ出資して立ち上げた日本トラスティ・サービス信託銀行という(三井住友系の)金融機関がある。この会社が下がり続けるオリックス株を大量に買い取って筆頭株主になっている。これは、オリックスが「かんぽの宿」を安く買い、その運用・売却によって巨額の利益を上げ、オリックスの株価が上がることを事前に知り得たからではないだろうか。これが事実ならインサイダー取引に当たる。

 その日本トラスティが、旧日本郵政公社が外部委託した郵便貯金保有の百三十兆円相当分の国債管理業務(国債の元金や利息を国に代わって管理する事務。日銀が国債の元金百円当たりで一律に手数料を支払う仕組み)を(他社がゼロ円を提示したのに)マイナス九億八千万円で落札したというのも、奇妙に感じる。一年間で百億円規模の手数料を得ていることになるのではないか。

 ――オリックス不動産が最終契約するまでの経緯にも不透明さが漂う。

 日本郵政側は最初、「競争入札」と言っていたが、(国会での野党の追及に)フニャフニャとなって、最終的には「事業譲渡」だと言っている。競争入札といったら、普通は一般競争入札を指す。重大な誤解を招いた。

 実は、国民新党が日本郵政の幹部を呼んで問いただしたら、最初から、会社分割で事業を継承する別会社を設立し、その会社の株式をオリックス不動産に売却することが狙いだったことが分かった。これだと地方税の一部を払わなくてもよくなるから、オリックス不動産にとっても都合が良いということだ。

 ――「郵政民営化」推進論者が「郵政民営化すると税金を納めるようになる」と言っていたのと矛盾するではないか。

 そうだ。もともと旧日本郵政公社は必要な資本を確保した後は、法人税率より高い50%を納付金として国に納めることになっていた。「税金を納めていない」という民営化推進論者の批判は全くの的外れだ。

 問題はまだある。日本郵政株式会社法の第十一条によれば、会社分割は総務大臣の許可が要ることになっているが、日本郵政側は昨年の臨時国会が終了した後の十二月二十六日に許可をもらいに来た。誠実な経営者だったら、売却交渉する前に総務大臣に説明をし、許可をもらうところだ。だから、鳩山邦夫総務大臣は怒ったのだろう。

 ――日本郵政側はオリックス不動産とホテルマネージメントインターナショナル(HMI)が残って第二次入札に参加したが、目玉物件を除外したため、HMI側は六十一億円を提示したと言っていた。しかし、衆院予算委員会での追及でHMIが入札を辞退したことが判明したが。

 日本郵政側の答弁がウソだったことが判明した。(「競争入札」なるものの疑惑を考慮すると)最高経営責任者の西川善文社長は、(政府による日本郵政の株式総数の三分の一以上の保有を義務付けた)日本郵政株式会社法二条および(日本郵政にも適用される)「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」違反で、入札談合罪に問われてもおかしくないだろう。


法令遵守の条件に抵触
オリックス「かんぽの宿」取得に照準
 ――「郵政民営化」推進論者は、「かんぽの宿」事業は赤字だから安値売却は当然だと言っている。
 生命保険事業というものを全く理解していない。生保業では死差益、利差益、比差益という三種類の利益があるが、国民の平均寿命が延びれば死差益が大きくなり、全体としての利益増に貢献する。だから、明治安田生命などの民間生保もガン制圧などのために研究費を出している。旧簡易保険事業法でも、生命保険事業とともに国民の命を守るための福祉増進事業を行うよう謳っている。そのために、「かんぽの宿」事業を展開してきた。それで、加入者がサービスを受けやすくするために利用料金の一部は簡易保険側が負担してきた。営利目的のホテル業とは次元が違う。

 それと、民営化がスタートしたから固定資産税を払わなければならなくなったし、(公社化時代から)減価償却費も過大になった。「かんぽの宿」事業の赤字は不当廉売のために意図的につくられたものとみられ、資産を減損処理して収益還元法で事業の価値を計るといった手法は通用しない。

 ――一九九六年から二〇〇六年まで政府の行革推進本部に設置された規制改革関係の会議の議長などを務めたオリックスの宮内義彦会長は、最初から「かんぽの宿」事業に狙いを定めていたのか。

 〇七年十二月発行の宮内社長の日経ビジネス文庫『経営論』によると、「『かんぽの宿』は、本来は簡易保険や郵便年金の加入者向けの宿泊施設でしたが、加入していなくても申し込みさえすれば泊まることができます。料金の割に施設が充実しているため、主婦層を中心にした顧客基盤をしっかり築いています。こうした施設に民間のホテル、旅館業が対抗していくのは並大抵ではありません」と書いてある。生命保険業のイロハも知らずによく書いているが、「かんぽの宿」の取得に照準を当てていたことは間違いない。(日本郵政株式会社法の)「かんぽの宿売却条項」も、(法案作成完了前の)わずか二日前に竹中郵政民営化担当大臣(当時)の指示で「附則」として付け加えられたといわれている。

 また、オリックス側は「郵政民営化」にタッチしたことはないと言っているが、鳩山総務相が反論したように、これは事実に反するだろう。

 ――「官から民へ」というスローガンは聞こえが良い。しかし、実際には“改革利権”を総合規制改革会議参加メンバーの関連する企業に利益を不当供与してきたとの疑惑も出ているが。

 「日本郵政は、スペシャル・アドバイザー(SA)にメリルリンチ日本証券を選定した。親会社のメリルリンチ自身が今回の米国発国際金融危機と世界同時大不況の張本人(投資銀行)の一角であったことを考えると、何故、この会社の日本子会社をSAに選定したのか疑問がわく。

 また、メリルリンチが昨年夏、事実上破綻してバンク・オブ・アメリカに吸収されて以後も、メリルリンチ日本証券をSAとして重宝し続けたことにも問題がある。

 さらに、メリルリンチ日本証券の投資銀行部門が昨年の四月一日に示した応募要項では、応募の条件として真っ先に、「法令遵守状況とコンプライアンス体制の確立」を審査対象に挙げている。しかし、これに最も抵触するのがオリックス不動産ではないか。

 ――何故、オリックス不動産が抵触するのか。

 実は、高知県の中核医療施設である高知医療センター(〇五年三月開院)をめぐる贈収賄事件というのが〇七年九月に発覚したことがある。「構造改革」路線の流れの中で、一九九九年に「PFI(プライベート・ファイナンシャル・イニシアチブ)法」が制定された。このPFIというのは、財政難で経営が困難になった地方自治体の事業を、民間の資金やノウハウを借りて再建するというもので、高知県の橋本大二郎知事(当時)はこの考えに共鳴した。高知県と高知市の赤字の公立病院をこの方式で高知医療センターに再生するという、公立病院としては全国初のPFI事業を推進した。国立国会図書館から取り寄せた資料によると、同事業は四グループの事業団が参入を希望し、最終的には三井物産グループとオリックス・グループが残った。当初は三井物産グループが有利だったが、最終的にはオリックス・グループが三十年間で約二千百三十億円の契約金額で受託した。

 ――受託の背後には何があったのか。

 オリックス・リアルエステート(現オリックス不動産)の松田卓穂氏と矢倉詔喬氏が、高知医療センター病院長になった瀬戸山元一氏にプラズマディスプレイや冷蔵庫、ソファなど二百五十万円相当の物品を贈賄、瀬戸山氏がこれを収賄して、オリックス・グループが最終的に受託に成功した。瀬戸山氏は契約金額を引き下げるため、予定していた病院施設や医療機器のコストの引き下げを図った。この贈収賄事件は結局、松田氏と矢倉氏が贈賄の起訴事実を認め、執行猶予付きだが有罪判決が確定している。オリックス側は組織ぐるみの関与を否定しているが、オリックス不動産こそ、法令遵守というメリルリンチ日本証券作成の応募条件に真っ先に引っかかっているのではないか。

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