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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090309-01-0101.html
鳩山セレブ兄弟のその先
2009年3月2日 AERA
祖父は元首相、父は元外相、母はブリヂストン創業者の娘。
鳩山由紀夫、邦夫兄弟の存在感が政界で急上昇中。
仕事にあぶれた労働者が、路傍で毛布をかぶって横たわる。歩道に座り込んで真っ昼間から酒をあおる人もいる。
日雇い労働者の街、大阪・あいりん地区に2月上旬、上等なスーツで登場した民主党の鳩山由紀夫幹事長は一瞬で数十人に囲まれた。
「次は民主党政権や」
「選挙勝ってな」
取材カメラに怒鳴り散らした男性も由紀夫氏を見つけて表情が和らいだ。由紀夫氏は「がんばってな。政権とったらまた来るから」。
浮世離れは筋金入り
一昨年の参院選以降、ほぼ全都道府県を遊説で回った由紀夫氏の周りには必ず人垣ができる。配った名刺は約3万枚。子ども用名刺もつくり、握手は両手で、相手の目を見つめる。
車いすの高齢者や子どもには目線を低くし、しゃがんで話し込む。どんなに寒くても、相手に失礼だからとコートは着ない。「育ちのよさ」がにじみ出る物腰の柔らかさ。警戒心を起こさせないギョロ目のルックスで、みんなを笑顔に変えるのだ。
東京・音羽の洋館「鳩山会館」。祖父の一郎氏が建て、由紀夫氏と邦夫氏が育った。
見事なステンドグラスに残る修理跡は、兄弟が庭でキャッチボールをして壊したから。祖父の高級碁石をバットで打って遊んでいたジャイアンツファンの由紀夫氏のもとには、優勝報告に監督以下選手全員が鳩山会館にやって来る――。
今も昔も浮世離れは筋金入りだ。
「政治を科学する」「政治は愛」
といった物言いから、理解不能の意も込めて「宇宙人」と呼ばれた由紀夫氏。1993年に自民党を離党して以来、新党さきがけ、民主党の結成など、政界再編の真ん中を歩いてきた。
だが、そんな「浮世離れぶり」が時に禍し、自由党との合併が党内で理解を得られず、代表を辞任したこともあった。
鳩山兄弟発の政界再編
幹事長になって3年あまり。キャラクターは小沢一郎代表と対照的で「陰」と「陽」。兄弟で100億円は下らないと噂される資産家であることをネタに、
「私に1万2千円を配る定額給付金は愚策だ」と政権批判をやってのける。突き抜けたキャラクターもあってか、イヤミを感じさせないのだ。
由紀夫氏は2月上旬、日本郵政のオリックス不動産への「かんぽの宿」一括売却問題に火をつけた邦夫氏の活躍ぶりについて、野党の立場をわきまえつつもこう称賛した。
「『かんぽ』と言えば、弟の顔が出てくるようで。私にとっても別に悪い気持ちではないが、こそばゆい気持ちでもある」
昨秋の自民党総裁選で、側近として麻生首相誕生に一役買った邦夫氏は、かんぽの宿以外に、定額給付金の所得制限に異議を唱えたり、小泉元首相が主導した三位一体改革を批判したり。閣内を揺るがす言動で物議を醸すが、そんな振る舞いが世間受けしている。
お互いの資産を出しあい、旧民主党を一緒に立ち上げた兄弟間には、邦夫氏の離党後、長らく与野党に分かれ、確執もささやかれてきた。
しかし、二人は昨年4月、祖父が掲げた理念「友愛」を冠した人材育成の「鳩山友愛塾」を開講。由紀夫氏が昨年末に、「弟から政界再編を持ちかけられた」と暴露するなど、兄弟の氷解も噂されている。新たな兄弟船の船出があるかもしれない。
編集局 村松真次