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http://www.news.janjan.jp/media/0902/0902137354/1.php
小泉さん自身の小泉改革の総括こそメディアがまず追及すべきではないか
矢本真人2009/02/14
郵政民営化をめぐって迷走する麻生首相の発言について、小泉元首相が「怒ると言うより笑っちゃう。ただただ呆れている」と酷評したことをめぐって、メディアが「さあ、政局」と色めき立っているが、それは違う。今の社会不安はすべてが小泉改革のせいでもないが、当の小泉さんはどう総括するのか。メディアはまずそれを追及すべきだろう。
自民党議員連盟「郵政民営化を堅持し推進する集い」の役員会で、小泉さんが麻生総理の発言について、「怒ると言うより笑っちゃうくらい、ただただ呆れている」と酷評、閉塞感の漂う今の政界にあって風穴を開ける発言として、「さあ政局か」とメデイアが躍り上がった。
自民党の「郵政民営化を堅持し推進する集い」での小泉発言を伝える新聞(2月13日の朝日新聞より)
しかし、小泉さんの発言によると、「常識的な判断が必要だ」とか、「ねじれ国会は悪くない。お互いに納得のいく案を協議すればよい」とか、「定額給付金は3分の2を使って成立させなければならないモノではない」「政治に一番大切な事は信頼感だ」など当たり前のことを言っているに過ぎない。
現在の政治が異常であるために小泉さんの発言が「より重みを持って」聞こえてくるだけではないのか。
そして、先の総選挙での大量得票で当選した国会議員も多く、この役員会にも16名が集まり、小泉さん発言の定額給付金問題で反対すれば第2次補正予算が衆議院で否決され、麻生さんの言う「政局より景気対策」も頓挫し、麻生政権が危うくなり、一気に政局へ走る危険もあるだろう。しかし第2次補正予算や関連法案が通らなければ景気対策が遅れることは分かっており、自民党も自殺行為はしないだろう。
もっと早く発言していれば定額給付金問題をいったん補正予算から切り離すことも出来ただろうが、どうして今郵政民営化論争とは別にこの問題に言及したのかわからない。
小泉さんは自分が推進した郵政民営化などの政策を批判されることに怒っているらしいが、郵政民営化について小泉さんはどう評価しているのか。
郵政民営化の目的は、はっきり覚えていないが税金のムダ遣いを排除するための資金の入りと出を改革することが第1ではなかったかと思う。そのほかに法人税が入ってくる、効率化、コンビニのようになるなど良いことばかり宣伝されたように思う。しかし、最大の目的は米国の「規制改革要望書」に沿ったことだろう。
今、郵政は本当に民営化されたのかと疑いたくなる問題も出てきた。「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括売却の問題だ。西川さんは住友銀行から社長に抜擢された人と聞くが、今回の「かんぽの宿」を初め郵政資産の売却問題では官僚的不明朗さが露わになり、とてもではないが民営化されたとは判断しにくい(もちろん民営化されても不明朗な事は絶えないとは思うが)。
更に小泉さんは「批判的意見を述べれば後ろから鉄砲を撃つな」と抑え込まれると発言しているが、小泉政権時代は反対意見を言うと「抵抗勢力」とのレッテルを貼られ皆沈黙、抑え込まれたことをどう考えるのか。
今、国民は多くの社会不安を抱えて生活している。すべてが小泉改革のせいではないが、小泉さんは自分が推進した改革をどう総括するのか。表舞台で政局を動かしたいのであれば、まず国民に説明すべきである。
メディアは政局になるのではと煽るが、ここで冷静に読むのがメディアの役目だ。