★阿修羅♪ > 昼休み15 > 879.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.data-max.co.jp/old/2006/06/post_30.html
「竹中時代」の終焉と官僚の反乱(3)
「竹中時代」の終焉と官僚の反乱(3)
◆ 竹中ブレーンが次々に”失脚”
金融庁はさらに竹中人脈を狙い撃ちにしている。
カネボウの粉飾決算事件で中央青山監査法人を業務停止処分にし、奥山章雄理事長(元公認会計士協会会長)を引責辞任に追い込んだ。奥山氏は竹中氏の金融大臣当時の諮問機関・金融問題タスクフォースのメンバーであり、不良債権処のスキームづくりを主導した人物だ。
同じく竹中ブレーンとして知られる木村剛氏の日本振興銀行にも検査に入り、同行経営陣の情実融資問題で捜査当局と連動して動いている。横領事件など不祥事多発を理由に業務改善命令を受けた西京銀行の場合も、
「同行がライブドアとインターネット専業銀行の設立で業務提携(すでに解消)した背後に竹中ブレーンの仲介者がチラついている」(金融関係者)
という見方がある。
検察と金融庁、証券取引等監視委員会の最終的な狙いはより大きな構造的不正取引の摘発だと元特捜検事はいう。
「ライブドアによるフジ買収工作、楽天のTBS株買占め、村上ファンドの阪神電鉄など、一連の仕手戦は役者が重なっている。彼らを操っているのはゴールドマンなどの外資とオリックスなど国内の金主であり、買収合戦の裏では三井住友をはじめメガバンクも商売している。小泉・竹中人脈がその真ん中にいる。堀江や村上は端役にすぎない」
◆ 次は「小泉人脈」か?
《改革の果実》を得たのは竹中氏のブレーンたちだけではない。
小泉内閣の構造改革と規制緩和は新たな利権を生み、政権に入り込んで政策を動かす「政商」たちが最もその恩恵をうけることができる。
たとえば、郵政公社総裁の生田正治氏(商船三井元会長)は小泉首相から民営化推進のために「三顧の礼」で迎えられたが、古巣の商船三井は郵政公社が国際物流事業への本格進出をにらんで全日空と合弁で設立した航空貨物会社『ANA&JPエクスプレス』に資本参加し、《民営化ビジネス》にしっかりくいこんでいる。
村瀬清司社会保険庁長官は年金批判の嵐のなか、小泉首相の「民間から長官を」という指示で改革の期待を担って損保ジャパン副社長からスカウトされた。同社はここぞとばかりに厚生労働省の介護保険事業に関連する傷害保険分野などで営業をかけ、高いシェアを得ている。
規制改革の目玉として全国に設置されている構造改革特別区にしても、政府の審議会で委員を務める経営者が自ら申請し、「規制緩和の実験台」になることでいち早くその恩恵を受ける特権を得るケースが多い。
改革をビジネスに直結させてきた最大の大物がオリックスの宮内義彦会長だろう。10年近くにわたって政府の規制緩和関係の諮問委員会のトップを務め、現在は規制改革・民間開放推進会議議長だ。
「宮内氏は病院の株式会社化や混合診療の解禁などを強く主張しているが、本業のリースや保険事業にメリットがあるからだ。構造改革特区も、指定されると農地転用など不動産開発がしやすくなる。そうした改革利権の裏側に一番通じた人物だ」(自民党政調幹部)
さらに同社は国土交通省が規制緩和の一環として羽田空港の新国際線ターミナル(旅客と貨物)の建設・運営をPFI方式で公募すると、入札に参加。業界では「政治力で受注するのではないか」と注目されていた。
ところが、わが世の春を謳歌しているように見えた小泉人脈のそれら《改革派経営者》にまで急に逆風が吹き始めたのである。
金融庁は小泉改革に協力したはずの損保ジャパンに架空契約問題で容赦なく行政処分を命じ、村瀬長官は社会保険庁の不正発覚とのダブルパンチで窮地に立たされた。
宮内氏のオリックスは村上ファンドの大株主だったが、金融庁や検察が水面下で”村上ファンドつぶし”に動くと、この4月に提携を解消した。巻き込まれないように企業防衛に走ったとみていい。
それと同時期に発表された羽田国際線ターミナルの事業主体選考結果は、オリックスが旅客、貨物ともに敗れた。
「政権末期で小泉首相の威光が衰えるにつれて宮内ら改革派は政治防波堤を失いつつある。霞ヶ関はもう遠慮しないはずだ。もっと気になるのは、産廃やし尿処理事業の利権には小泉首相や安倍晋三官房長官の周辺が深くかかわっているのに、公取委がそれを承知で談合排除に動いたことだ。
何かが起きている。自民党ではこれから総裁選で事実上の権力の空白ができる。その間、小泉政治5年間の反動がいっぺんに出てくるのではないか」
森派幹部は「官僚の反乱」に怯えている。
日時: 2006年06月07日 17:56