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http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200902100128.html
郵政民営化 見直すなら本腰入れて '09/2/10
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「賛成ではなかった」と、衆院予算委で先週発言したかと思えば、きのうは一転して「閣議決定の時には賛成だった」。郵政民営化をめぐる、麻生太郎首相のあまりの言葉の軽さには、あきれるほかない。
民営化が論議された当時のポストは総務相。「二年間かけて勉強して、民営化がいいと結論を出した」というのである。
忘れてもらっては困る。自民・公明の連立与党が衆院で過半数を占めているのは、二〇〇五年の郵政選挙のおかげだ。麻生内閣もその延長線上にある。
こうした麻生首相の発言のぶれは、そのまま支持率に跳ね返る。週末に、共同通信が行った世論調査では、麻生内閣を支持すると答えた人は18・1%。前回より1・1ポイント下げた。「言うことが信用できない」と、みられてもいるのだろう。
二〇一〇年度からの郵政会社の株売却については、昨年秋にも「凍結した方がいい」と発言している。株価が下がっているから、という理由だった。
そして今年は、三年ごとに進ちょく状況を委員会で総合的に見直すとされる年。四分社化した現体制を含めて見直しを考えてもいいのではないか、というのが麻生首相の言い分だろう。内閣支持率が低迷する中、総選挙で「郵政票」を取り込みたいという腹づもりもありそうだ。
確かに、郵政の民営化後の評価は芳しくない。「遅配が増えた」「窓口での待ち時間が長くなった」など、利用者の苦情が増えている。競争を導入するとされた郵便事業では、宅配便やメール便などに押されがちだ。
それ以上に深刻な事態になっているのが過疎地である。これまでは外出の不自由なお年寄りが郵便配達の人に貯金を下ろしてきてもらうなどということができていた。ところが分社化されて融通がきかなくなった。
あるいは郵便局が広域で集約されて、無集配に格下げされている。民間に窓口業務を委託している簡易郵便局の閉鎖も増えた。
過疎地にとっての郵便局は、単にお金を出し入れする金融機関というだけでなく、人々のよりどころにもなっている。そこが危うくなっている。いわば「切り捨て」が現実になろうとしているかのようだ。
昨年の決算では、持ち株会社の下にある四つの事業会社のうち、業務委託手数料が頼りの郵便局(窓口)会社の不振が目立った。前々から心配されていたことだ。
もともと四分社化は、郵政民営化を論議する際、根幹をなしたものである。自民党内でも反対意見が強かったのを、小泉純一郎元首相が押し切って衆院を解散。国民に問うた経緯がある。
見直しを口にするのであれば、それなりの覚悟が必要だ。衆院を解散し、民意を問い直すつもりがあるのだろうか。それこそが、首相としての発言に対する責任の果たし方ではないか。