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http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090207k0000m040162000c.html
キヤノン工事脱税疑惑:九電工も裏金作り 大光側に2億円
キヤノンの大型工事を巡る資金の流れ キヤノンの大型工事を巡るコンサルタント会社「大光」(大分市)グループの脱税疑惑で、電気設備工事大手「九電工」(福岡市南区)が05年、西日本の電気工事会社に約2億4000万円の裏金作りを指示し、うち約2億円が大阪市のコンサルタント会社社長(61)に渡っていたことが分かった。東京地検特捜部はこの社長が大光の大賀規久社長(65)と一体となって脱税を繰り返したとみて、法人税法違反の疑いで本格捜査に乗り出す方針を固めた模様だ。
既に判明していた鹿島側からの裏金5億円超と合わせ、大賀社長らによる不正蓄財の総額は7億円超に達した。特捜部は他地検などから応援検事を集めて専従班を設置し、関係者から事情聴取を進めているとみられる。
捜査関係者によると、裏金作りの舞台となったのは川崎市幸区の研究施設「キヤノン矢向(やこう)事業所」建設工事。業者側が自治体に提出した工事経歴書によると、鹿島が約273億円で受注し、九電工が電気工事部分約21億8000万円を鹿島から下請け受注した。
電気工事は地区名別に「矢向プロジェクト」と「塚越プロジェクト」の二つに分かれており、工期はそれぞれ03年10月〜04年12月、05年1月〜06年1月。九電工は約9億3000万円で受注した塚越プロジェクトの一部工事について05年、約4億8000万円で西日本の電気工事会社に発注。電気工事会社は約2億4000万円を工事に回さず、裏金化して、うち約2億円を05年8月〜同11月、計4回にわたって大阪市のコンサルタント会社社長に支払ったという。
裏金作りは九電工が05年6月ごろ、電気工事会社に指示して実行された。特捜部はコンサルタント会社社長が大半の裏金を大光▽建設関連会社「匠(たくみ)」(東京都千代田区)▽同「ライトブラック」(大分市)−−の大光グループ3社側に渡したとみて解明を進めている模様だ。
大賀社長は実兄が御手洗冨士夫キヤノン会長(日本経団連会長)と大分県立佐伯鶴城高校(大分県佐伯市)の同級生。
民間信用調査会社によると、九電工の従業員は約5000人で、08年3月期売り上げは約2128億円。業界内順位は全国11位。九州電力などが大株主。
▽九電工総務部広報グループの話 個別の取引についての説明は控えさせていただきたい。