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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/144195.html
かんぽの宿 白紙に戻し見直しては(1月31日)
日本郵政が保養・宿泊施設「かんぽの宿」売却を一時凍結することを決めた。
売却価格が安すぎるとの批判に対し、専門家を交えた検討委員会をつくり、譲渡方法などを点検する。
売却に反対する鳩山邦夫総務相に理解を求めるというが、施設の実勢価格などが明らかになるにつれ、疑問は広がるばかりである。
一時凍結ということではなく、売却をいったん白紙に戻してはどうか。経緯や資産価値を洗い直し、国民の理解を得る必要がある。
日本郵政は二度の入札を経て、昨年十二月、「かんぽの宿」七十施設をオリックス不動産に約百九億円で一括売却することを決めた。今年四月に譲渡する予定だった。
これに対し、鳩山氏が異議を唱えた。「なぜ不動産価格が下がっているこの時期に売るのか」「なぜオリックスなのか」などの疑問点を挙げ、質問書を日本郵政に提出した。
日本郵政の西川善文社長は入札手続きは「公明正大に取り運んできている」と強調する。一時凍結についても、オリックス不動産への売却の「白紙撤回ではない」としている。
しかし、施設の建設費用は約二千四百億円に上るという。それを二十分の一以下の価格で譲渡することには、やはり違和感を覚える。
売却対象に含まれる「ラフレさいたま」は約三百億円を投じて建設された豪華施設である。実勢価格は百億円以上。一緒に売却される首都圏の社宅九物件は四十億円以上の資産価値があるとみられている。
旧日本郵政公社の時代、一万円で業者に売った鳥取県内の「かんぽの宿」が半年後に六千万円で転売された事例も明らかになった。売却方法に問題なしとは言い切れまい。
問いたいのは、国民の目の届くところで事業譲渡が行われているかだ。日本郵政は施設ごとの資産評価額や入札参加企業などを公表していない。これでは譲渡が適正だったか、判断しようがない。
検討委では譲渡のあり方を論議するが、入札過程の検証までは踏み込まないという。
鳩山氏は、売却先の親会社オリックスの宮内義彦会長が郵政民営化の議論にかかわっていたとして、譲渡は「できレース」と批判する。検討委では、こうした疑問点が置き去りにされかねない。
内部の検討委で時間を稼いでいれば、やがて衆院解散・総選挙で議論をうやむやにできる。日本郵政にはそんな思惑もありはしないか。
個別売却の実現性も大事な論点だ。火を付けた鳩山氏には、より現実的な解決策を見いだせるよう最後まで責任をもって取り組んでほしい。