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http://www.shinmai.co.jp/news/20090126/KT090124ETI090014000022.htm
かんぽの宿 まずは詳しい説明を
1月26日(月)
「かんぽの宿」の売却問題が揺れている。宿を保有、運営する日本郵政がオリックス不動産と結んだ契約に、鳩山邦夫総務相が異議を唱えているのだ。
日本郵政の株式はすべて政府が持っている。かんぽの宿も今の時点では国民全体の財産と言える。売却に不透明、不明朗な部分が残るのは許されない。
日本郵政は資産の評価額や契約の経過について、国民に詳しく説明すべきである。一括売却するのがいいかどうかの判断は、その後の話になる。
日本郵政によると、譲渡対象となる全国70のかんぽの宿は、合わせて年間40億円の赤字を計上している。譲渡額は109億円。資産から負債を除いた純資産額を上回る。競争入札には外資系企業も参加、2度の入札を経て一括譲渡することが決まった。
以上の説明を聞く限りでは、契約に不審な点は見当たらない。
「待った」を掛けた理由について、鳩山総務相は次の3つの疑問を挙げている。
(1)経済情勢が悪い時期になぜ売るのか(2)それぞれの施設は地域振興に役立てるべきなのに、なぜ一括売却なのか(3)政府の総合規制改革会議議長などを務め、民営化路線の旗振り役だった宮内義彦オリックス会長の企業グループになぜ売るのか−。
入札に問題がなかったとしても無視できない疑問である。「(譲渡は)出来レースと受け取られる可能性がある」。総務相はそんなことも言っている。
かんぽの宿は地域で大事な役割を果たしていることが多い。例えば長野県内で対象となっている「かんぽの宿諏訪」(諏訪市)は、諏訪湖一帯の観光に欠かせない拠点の一つである。
地方の立場からは、地域観光への影響がとりわけ心配だ。働いている人の今後も気にかかる。
日本郵政の説明によると、譲渡してから2年間は承諾なしに施設を転売しない条件が付いているという。意地悪な見方をすれば、2年後からは不採算施設を売ることが可能になる。
今の時点で売却に「OK」を出すわけにはいかない。
日本郵政の西川善文社長は、社内に弁護士らによる検証委員会をつくり、譲渡経緯などについて調べる考えを示している。その結果を見守るときだ。
宿の利用者は年間200万人を超える。客室稼働率は約70%。人気の施設である。地域と利用者のために生かす道を広く探りたい。