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http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh090126.htm
かんぽの宿/一括売却問題の全容解明を
政府百%出資の日本郵政株式会社(西川善文社長)によるオリックス(宮内義彦会長)への「かんぽの宿」の百九億円での一括売却に、鳩山邦夫総務相が待ったを掛けた。国民の貴重な資産の不当廉売になる可能性もあることから、当然だ。政府、与野党とも国会で入札から落札に至るまでの経緯の全容を解明すべきである。
低過ぎる一括売却価格
疑惑の一例は、ホテル・ラフレさいたま(埼玉県さいたま市)の売却に関してだ。野党議員の指摘では、一括売却予定の「かんぽの宿」リストに含まれているラフレさいたまの土地、建物、備品の取得、建設、購入価格は、総額で三百億円超だという。
また、一部報道によると、日本郵政がオリックスに売却するのは全国七十カ所の「かんぽの宿」だけではなく、附帯する社宅や首都圏社宅九施設も含まれ、同九施設だけでも四十億円以上の価値があるとのことだ。また、一括売却が、日本郵政のファイナンシャルアドバイザー(FA)であるメリルリンチ日本証券の提示した「絶対条件」だったというのだ。
それなのに、「かんぽの宿」の一括売却価格はわずか百九億円という。これでは、国民の疑惑は深まるばかりだ。また、「かんぽの宿」は簡易保険加入者の福祉施設として建設された国民の資産である。そうである以上、売却は明確な雇用の維持を含め、地域の振興や福祉の増進を第一に考慮すべきではないか。
さらに、国際金融危機を引き起こした張本人の一角、メリルリンチグループのアドバイスを金科玉条にし、地域への配慮を二の次にしてオリックスへ一括売却するというのも理不尽だ。
郵政民営化を推進した元総務相の竹中平蔵氏は産経新聞(19日付)で、(1)「かんぽの宿」は赤字を出している不良資産で早期売却は適切(3)「かんぽの宿」を安売りしても売却資金で新たな事業に投資できる(2)郵政民営化のプロセスにオリックスの宮内会長が議長だった総合規制改革会議は関係したことはない――などと述べている。
これに対し鳩山総務相は、(1)日本郵政から安売りして何を買うといった話は一切聞いていない(2)総合規制改革会議は郵政民営化に関する答申を出していないがそれまでは民営化を議論しており、宮内氏も郵政民営化への熱意を見せていた(3)官僚と族議員がゆがんでいて財界人が真っすぐだといういいかげんな理屈は成り立たない――と反論。
日本郵政はまだ民営化されておらず、その資産は国民の資産である。国益の代弁者である鳩山総務相が国民の利益を守るため、売却価格が適正か否かなどの調査を総務省に指示するというのは納得できる。
関係者の国会招致を
市場原理は大切だが、政府の役割を不当に軽視した上で政策を間違え、市場原理にすべてを委ねれば、経済にゆがみが生じ、バブルの発生、格差の拡大、雇用の喪失などかえって弊害が大きくなる。これこそ世界が今、学んでいる教訓のはずだ。
総務省の調査結果の公表とともに、国会で関係者を参考人招致し、入札から落札までの全容を明らかにすべきである。