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http://blogs.yahoo.co.jp/kosuke_everonward/46188139.html
ドル・シニョレッジ(通貨発行益)の悪魔 傑作(0)
2009/1/16(金) 午後 5:33Asia Times 掲載記事アジア情勢 Yahoo!ブックマークに登録 日本やアジアの債券市場について、大和証券SMBCの執行役員にインタビューした英文雑誌の仕事も一段落した。
雑誌は金融専門誌でちょっと値段も高く、一般の人の目にはなかなか目に触れられないかな。
http://www.nikkeibpm.co.jp/cs/f_mag/ii/ii/index.html
来月、僕の記事が載った号が出たら、ホームページにでもアップデートします。
さて、最近、Asia TimesやAsia Sentinel以外の仕事もできるようになってきている。嬉しいことに仕事が自然と人づてに入ってきている。上記の雑誌の仕事も、ダウ・ジョーンズ時代の上司からの依頼だった。
英軍事誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリー」(電子版)からも、月2回ほど、書いて欲しいとの依頼も来た。まだ日本で社会的に大きな話題になっていなかった昨年11月の早い段階で書いた、ソマリア海賊退治の記事が良かったのかなぁ。
http://www.atimes.com/atimes/Japan/JK21Dh01.html
友人たちとの飲み会の席で、ひとりソマリアの話をして、KYみたいな感じになっていたから。(^^)
さて、そんな中、ドル・シニョレッジ(ドル通貨発行益)について、来週のAsia Timesに向け、書こうとしている。デスクからは「書いてもいいよ」とOkayのサインが出た。中谷巌さんが最近の著書で書いている問題です。
アメリカ経済のこれまでの強みは、基軸通貨ドルを発行し、通貨発行益(シニョレッジ)を稼いできたから。100ドル札一枚を作るのに、実際のコストは1ドルしかかからないとしましょう。そうすると、100ドル札一枚をする度に、アメリカは99ドルのシニョレッジを儲けることになるのです。シニョレッジで恩恵を受けることができるのは、基軸通貨だけ。円は国際取引の基軸通貨になっていないので、シニョレッジで対外的にほとんど稼ぐことはできません。
端的にいえば、アメリカは、貿易で購入した製品に対し、米ドル札を新たに刷って渡すだけで、他国から好きなものを手に入れることができます。アメリカは、お金がなくて、借金に陥っていても、どんどんドル札を刷って、他国に渡せばいいのです。日本や韓国、中国、ドイツ、フランスといった他国のように汗水流し、苦労して輸出先を開拓し、商品やサービスを販売して稼ぐ必要はありません。
このシニョレッジの誘惑に負けて、米中央銀行のFEDが貨幣供給の適切な管理にあたっていなかったからこそ、ドルの過剰供給、そして、ひいては住宅バブルの崩壊、金融危機を招いたとの見方があります。バブルの元凶は、グリーンスパン前FED議長の時代に生じたとの見方が大勢です。
いま、膨らむ財政赤字で、切羽詰まったアメリカが再びドルをどんどん印刷すれば、また、同じことが起こり得ます。将来のハイパーインフレーション(超インフレ)を招く危険性がすでに一部で指摘されています。
http://www.cnbc.com/id/15840232?video=1005419227
実際、バーナンキFED議長も政府系住宅金融機関(GSE)が発行した債券の買い取りを拡大し、長期国債の買い入れを検討すると表明しました。これは新たなドル紙幣を刷って渡すと同じことです。アメリカ政府の国債発行を通じ、アメリカの中央銀行から、新たに印刷されたお金が市中に流れるのです。
これまではホワイトハウスが拡張的な経済政策を採って、経常収支の赤字額を拡大すればよかっ
たんです。そうすると、赤字分のドルは海外に流出し、アメリカはシニョレッジを稼ぐことができたんです。どんどんドルが海外に出回ると、まるでネズミ講やマルチ商法のごとく、ドルの基軸通貨としてのネットーワークが広がります。アメリカの国内でいかに借金に直面していても、それをまかなう人々が海外にいる限り、ドルは基軸通貨としてワークし続けます。中国や日本などが主にアメリカの国債を買い支えてきました。韓国などの他のアジア諸国も新興国も、自国通貨がドルに対して高くなると、為替介入をして、ドル買いをしています。ドル覇権を支え、守ってきたのです。
しかし、「過剰になったドルの価値は低下する」とみんなが思い始めると、事態は反転します。人々のドルへの信認が揺らいで、お金の流れが実際に変わった時です。そして、アメリカへの自転車操業的な資金の流入が滞ったとき、(ドル発行のドル・シニョレッジでアメリカが稼げなくなったとき)、ドル基軸体制は崩壊します。マルチ商法やネズミ講の商売が破たんするときと似ています。こうなると、世界での基軸通貨がなくなり、国際取引はできなくなり、世界は巨大な損失を生みます。経済学者はこんなことを心配しています。
こういうドルリスクがある以上、日本の輸出入企業も、ドル一辺倒の国際決済取引から、徐々に、いろいろな通貨建てでの国際決済に切り替えていった方がいい。リスクは分散させていかなければならない。
中東の湾岸諸国は2010年までの通貨統合を目標に掲げている。
http://blogs.yahoo.co.jp/kosuke_everonward/45925886.html
(関連サイト)
http://note.masm.jp/%A5%B7%A5%CB%A5%E7%A5%EA%A5%C3%A5%B8/
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