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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000055-san-pol
高齢者医療制度は現状維持！？ 宙に浮く「抜本見直し」
1月25日8時3分配信 産経新聞
麻生政権が公約として掲げた６５歳以上を対象にした高齢者医療制度の抜本見直しが難航している。政府・与党は今春をめどに結論を出すとしているが、議論は停滞気味だ。妙案が見あたらないだけではなく、景気悪化で新たな税負担が必要な策が打ち出しにくくなったことが背景にある。与党からは「運用改善で現行制度への批判も落ち着いてきた。無理して制度を抜本見直しすることもない」との声も出始めている。
■関係団体は消極的
後期高齢者医療制度は、前身の老人保健制度に対し「若年層の負担増に際限がなくなる」「国民皆保険制度が維持できなくなる」などの批判が相次いだため、昨年４月に導入された。７５歳以上を別建てで区分する「独立型」とし、高齢者に一定の負担を求めた。しかし、導入直後から「姥捨て山だ」と高齢者の不満が爆発。政府・与党は保険料軽減など運用改善策を次々打ち出したが、高齢者の怒りは収まらず、麻生太郎首相は昨年９月の政権発足時に抜本見直しを明言した。
だが、１９日の厚生労働省の「高齢者医療制度に関する検討会」で、滋賀県広域連合の担当者が「これ以上、制度を動かさないでほしいというのが率直な思いだ」と抜本見直しに否定的な考えを示すなど、関係者には見直し慎重論が多い。
後期高齢者医療制度は１０年以上の議論の末、導入されただけに、利害調整のやり直しは避けたいからだ。
舛添要一厚労相が昨年９月に公表した、後期高齢者医療制度と国民健康保険を一体化して都道府県単位に再編する私案も、自治体や健保組合には異論が多い。
舛添案には、舛添氏が事前相談なく公表したことへの与党の反発も強く、自民党の保利耕輔政調会長と厚生関係議員、舛添氏らが昨年１２月に会談し、政府・与党一体で行うことを確認。主導権を与党側に移した。
■費用議論深まらず
与党は昨年１２月、高齢者医療制度プロジェクトチーム（ＰＴ）の会合で、独立型の原則維持を前提に、今春をめどに抜本見直し策をまとめる方針で一致した。
７５歳以上でも現役で働く高齢者は例外的に元の健保に継続加入できるようにするほか、「後期高齢者医療制度」という名称は、６５〜７４歳の前期高齢者も含め「高齢者医療制度」に見直す案が浮上している、
ただ、制度の抜本見直しとまではいえず、制度の根幹となる費用分担の在り方の議論は深まっていない。
高齢者の負担軽減の財源を若年層に求めるにも、少子高齢化で限界がある。景気悪化も議論の足かせだ。
■寝た子を起こすな
見直し論議が始まった当初は、前期高齢者医療への納付金が健保財政を圧迫している問題を解決するために「前期高齢者医療制度に税金を投入すべきだ」との意見や、前期高齢者の窓口負担割合を２割で統一する案も浮上した。だが、いまは「現役世代に負担を求めることは現実的でない」との雰囲気が強い。
与党内では「中途半端な見直し策は野党に攻撃材料を与える。寝た子を起こすこともない」（閣僚経験者）との意見もでている。
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最終更新:1月25日10時22分
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