★阿修羅♪ > 昼休み15 > 344.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
民主党は、日本の自立を目指せ
1月19日19時0分配信 ツカサネット新聞
インターネットが出現し、高速ネットワークのインフラが整備されることによって、世界は、フラット化していると言われる様になった。
このフラット化した世界を前提に、アメリカの金融機関や企業が、自分達が戦いやすいルールを「グローバル・スタンダード」と称して世界に強制することにより、世界の富を手に入れようとしていたのは、ついこないだのことである。
その野望がとりあえず潰えた事は、当然のこととは言え、世界にとって幸福なことだったが、一方で、その余波として、不景気が世界を覆っている。
不景気は、企業を倒産に追い込み、労働者から職を奪い、嘆かわしいことではあるが、資本主義の特性でしかない。好景気があれば、不景気もあり、不景気の無い好景気も存在しないと言うことで、不景気は資本主義社会では、自然災害の様なものである。ただ、資本主義自体、人間が作った仕組みに過ぎない以上、単純に自然災害とも言い切れない。
この単なる自然災害では無い、と言う観点で、不景気を考えると、貨幣価値と言うものが不思議に思える。
この不景気の中で、多くの労働組合は、賃上げを要求しているが、もし、全ての企業が、組合の要求どおりの賃上げをすれば、どの様な形であれ総事業コストを引き上げることになり、それは価格に転嫁せざるを得ない訳で、つまり、その分物価は間違いなく上昇するため、賃上げ前と比べて、本当に給料が上がったのかどうかわからなくなってしまう。価格に転嫁できないほど競争力の無い企業は、淘汰されることになり、従業員は賃上げどころか職を失う場合さえある。
別に労働組合を非難しようとしているわけではなく、給料が、30万円から30万3000円に上がるとの、物価が1%下がるのとでは効果としては同じか、若しくは所得税を考慮すれば後者の方が、つまり給料が上がらない方が、デフレ局面では、有利になってしまうという貨幣価値の不思議さの一つの例である。
全国民の給料が半額になったとしても、それで、物価が、半減すれば、現在の貯蓄で倍の消費財を購入することが出来るのだから、生活レベルを向上させることも可能だ。(心にも余裕が出来るのでは無いだろうか。)貯蓄率の高い日本では、給料が上がるよりも、むしろ物価が下がることの方がみんなの為になると言う考え方も出来る。もう今以上の利便性向上や経済の拡大が、必要無いとすれば、名目経済成長を犠牲にした方が、日本人全般は、幸福になると言うことだ。
貿易立国などと言われるが、数字上の日本の貿易依存度は、実際は、それほど高くは無い。2006年度の統計で、輸出依存度が14.9%、輸入依存度は13.3%に過ぎず、差し引きすれば、貿易により引き上げられているGDPは、1.6%でしかない。中国がそれぞれ36.9%、30.1%、6.8%、ロシアが30.9%、18.3%、12.6%であることを考えれば、我々の繁栄が、中ロとは違って、十分な内需に支えられたものであることが分かるだろう。
極端なことを言えば、内需拡大と雇用確保のためには、国際競争力を理由に、日本の労働者を雇用しないような企業や、日本で生産を行わないような企業、あれこれと難癖をつけて、日本の労働習慣に従わない様な企業には、日本市場から出て行ってもらうべきなのである。中国市場でビジネスを拡大するために中国に投資をする様な企業活動を日本政府や国民がサポートする必要は全く無い。フラット化した世界と言う幻想で、利益を得ていたのは、日本を含む資本主義諸国の資本家達とロシア、中国などの新興国の独裁者達でしかなかったのだから。
ただ、貿易関係において、絶対的に困るのは、食料とエネルギーだろう。日本が自立するためには、この二つの自給率を可能な限り、出来れば100%まで高める必要がある。道路や給付金と言った緊急の課題でもなく長期的にも意味の少ない政策に税金を投入するのなら、石油代替エネルギーの開発と農業生産拡大の為にこそ、税金を使い、フラット化しない世界での自立と自給自足を目指さなければならない。
次に日本の政権を担うことになる可能性の高い民主党に求められるのは、単なる経済回復だけでない。今回の事を教訓として、欧米、中国、ロシア、韓国の強欲資本主義から日本国と国民の生活を守るための政策の立案、実行することを望みたい。
(記者:黒猫トム)