http://www.asyura2.com/09/kokusai4/msg/870.html
Tweet |
8月22日7時57分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100822-00000096-san-int
【シドニー=宮野弘之】21日に行われたオーストラリアの総選挙では与野党の二大勢力がともに過半数を獲得できない公算が大きくなり、両陣営はそれぞれ、無所属議員らとの連立交渉に入る考えを明らかにした。
もともと今回の選挙では労働党、保守連合の二大勢力の政策に大きな違いがなく、そのことが有権者の選択を難しくした側面がある。事実上の二大政党による政権交代の仕組みを維持してきたオーストラリアだが、今回緑の党が健闘したように、従来の政党に飽き足らない層が出てきているのも事実だ。
労働党のギラード首相は、左派学生運動の活動家で「マルクス主義者」(オーストラリアン紙)。一方、アボット氏は学生時代には右派の学生運動にかかわり、カトリックの熱心な信者でもあるため、人工中絶に反対するなど保守派として知られる。
ところが、今回の選挙戦で両者は、イデオロギーを感じさせないばかりか、政策では中道寄りの姿勢に終始した。
その理由について、西シドニー大学のデビッド・バーチェル教授は「二大政党制では、より多くの支持を得るために、政策は中道寄りにならざるを得ない」と指摘する。
たとえばギラード氏の場合、ラッド前首相が「中央集権的」で党内の反発を招いたことから、党内の意見調整をはかり、支持を集めるために左派を切り捨て、中道・右派寄りの路線を取ることを優先したという。
一方、アボット氏も政権獲得に向け、妥協を重ねた。政治の師とあおぐハワード元首相が目指した全国レベルの労使関係法「ワークチョイス」の導入も選挙戦で国民の評判が悪いとわかると期間中に断念を表明。温暖化対策など議論を呼ぶ問題は、選挙戦では触れるのを避けた。
もっとも、こうした両党の姿勢に不満がないわけではない。とくに今回、下院でも初めて議席を得た緑の党には労働党ばかりか保守連合からの票も流れたとみられる。
緑の党が今後、下院でも大きな勢力になるかどうかは不透明だが、今回のように二大勢力のどちらも過半数をとれず、少数政党や無所属議員が政権づくりで主導権を持つ事態が続けば、選挙制度を含め、二大政党制のあり方をめぐる議論が高まりそうだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。