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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010081002000035.html
ロシア火災 核施設延焼の恐れも モスクワでは死者倍増
2010年8月10日 朝刊
【モスクワ=酒井和人】ロシア西部を中心に拡大する森林・泥炭火災は九日も猛威を振るい、新たな核施設への延焼の恐れや、一九八六年のチェルノブイリ原発事故で汚染された森林の“再汚染”も懸念され始めた。首都モスクワでは火災のスモッグによる健康不安が高まり、脱出の動きが加速している。
ロシア非常事態省の九日の発表によると、ロシア最大の軍用核研究所とされるウラル地方チェリャビンスク州の連邦原子力センターに火の手が迫り、五百人態勢で鎮火に全力を挙げている。核関連施設ではニジェゴロド州などでも危険が指摘されたが、すでに延焼を阻止したという。
このほかブリャンスク州などのチェルノブイリ事故の汚染地域でも火災が発生し、放射性物質が大気中に拡散する恐れが出ている。
一方、モスクワ市の大気中の有害物質は依然、許容限度量の三〜六倍に達している。市保険局長は九日の会見で、猛暑や火災のスモッグにより市内の一日あたりの死者数が、通常の三百六十〜三百八十人から七百人に倍増していると述べた。
ロシアメディアによると、米国とイタリアのほか、ドイツ、オーストリア、イスラエルなども自国民にロシアへの渡航自粛を勧告。欧州を中心に一部外交官や家族を引き揚げさせる国も増え続けている。
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