http://www.asyura2.com/09/kokusai4/msg/826.html
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http://wiredvision.jp/news/201006/2010061623.html
メキシコ湾沖の石油掘削施設『ディープウォーター・ホライズン』で起きた爆発事故の6日前に書かれた電子メールの中で、英BP社のエンジニアはすでにこの油井を「悪夢」と呼んでいた。
この電子メールは、米下院エネルギー・商業委員会が14日(米国時間)に発表したもので、今回の災害が起きるまでに、経費を削減する目的で危険な決定がいくつも行なわれていたことを示す多数の社内文書の1つだ。
「この油井は、この施設のあらゆる場所にいる誰もが見ている悪夢のようだ」と、BP社のエンジニアBrian Morel氏は同僚に向けて書いている。Morel氏はBP社に対し、ガスがパイプから噴き上がり、場合によっては爆発する事態を防ぐために、油井の周囲に「ライナー」と呼ばれる被覆を使用するよう求めていた。
4月初めには、Morel氏が指摘したようなガスの噴出により、ディープウォーター・ホライズンでは一時的に作業が中止されていた。しかしBP社は、 700万ドルから1000万ドルの追加費用が必要となることから、ライナーを設置しないことを決めた。
一方、油井縦坑のセメント工事を担当していた米Halliburton(ハリバートン)社は、油井の中央に通す鋼管の位置決めを行なう「センタリング装置」を21機使うことを推奨した。鋼管が中央からずれると、セメントの硬化速度が場所によって異なり、隙間や溝ができるため、構造が弱くなって失敗する可能性が高くなるからだ。しかし BP社では、センタリング装置を6機しか使わなかった。
ディープウォーター・ホライズンに関する4月中旬の報告書には、「セメント工事が成功したとは考えにくい」とある。しかしBP社は、セメントが確実に固まっていることを1日かけて評価する「セメントボンド検層」を拒否した。評価を実施するために到着した作業員は送り返された。
さらにBP社は、掘削時に油井にたまった泥を循環させる作業も適切に実行しなかった。その結果、油井の底に泥が残り、ガスや堆積物を吸収して、油井の土台部分のセメントがさらに弱くなった。[WSJの記事によると、油井のすべての泥を循環させるには6〜12時間を要するが、この作業は4月19日にわずか30分間行なわれただけだった。こうした短縮の背景には、「工期が1日遅れると、リグのリースや請負会社への支払いで100万ドルのコストが発生する」事態があったという]
しかもBP社は「ロックダウン・スリーブ」も使わないと決定した。これがもし利用されていたら、海底から出ている油井の上部が保護されていたかもしれない。
報告文書は、下院委員会のサイトにある。BP社のHayward CEOは17日に委員会で証言する予定だ。
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓]
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