英与党惨敗…保守党第１党へ、過半数は届かず

【ロンドン＝大内佐紀】６日行われた英国総選挙（下院、定数６５０）は、一部選挙区を除き即日開票され、７日未明（日本時間同日午後）現在、最大野党の保守党が第１党に躍進する見通しだ。

　ただ、単独での過半数獲得は困難な情勢で、１９７４年以来、３６年ぶりに全党が過半数割れする「ハングパーラメント（中ぶらりん議会）」の状態になりそうだ。保守、労働両党のいずれかが過半数を制し政権運営してきた英国の２大政党制を大きく揺るがす結果となった。

　保守党は、財政赤字の迅速な削減策などを公約に掲げ、１３年間に及んだ労働党政権からの「変化」を訴えながら、支持を広げてきた。同党のデビッド・キャメロン党首（４３）は７日未明、地元の中部オックスフォードシャー州で自身の当選を決めた後、「国民が新しい指導部を求めていることは明白だ。労働党は政権を担う正当性を失った」と演説し、政権を担う信任を得たとの考えを強調した。

　７日午前５時１５分（日本時間午後１時１５分）現在、保守党の獲得議席数は２３４議席。ブラウン首相率いる与党、労働党は１７９議席、野党第２党の自由民主党は３６議席。ＢＢＣ放送などの出口調査に基づく獲得議席数の予測では、保守党は過半数に２１議席足りないものの、３０５議席まで伸ばす勢いだ。

　キャメロン氏率いる保守党が第１党の座を奪回すると、同党は他党の協力を取りつけた上で少数与党の政権を選ぶ公算が大きい。

　しかし、現職首相が最初に政権作りを試みる権利を持つため、第２党への転落が確実な現与党、労働党のブラウン首相は第３党、自由民主党との連立を模索し、政権維持を図る構えだ。

　◆英国総選挙＝２院制の英国議会のうちの下院選。最多得票候補１人が当選する単純小選挙区制で全６５０選挙区から６５０人が選ばれる。今選挙は、候補者急死に伴い、２７日に投票が延期された１選挙区を除き、計６４９選挙区で６日に投票が行われた。任期５年。

（2010年5月7日11時31分 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100507-OYT1T00214.htm

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