投稿者 まりお 日時 2010 年 3 月 30 日 10:01:07: igp8wnzHgZSDs
(回答先: アメリカと同じ轍を踏もうとしているロシア〜ロシア大統領 テロと戦う強い決意示す〜 投稿者 まりお 日時 2010 年 3 月 30 日 09:57:45)
【記事転載元:雨傘とカササギhttp://amagasakasasagi.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11】
まずコーカサスとはどこだろう。
コーカサスはロシアと中東を結ぶ細い部分にある。(日本の地図では)左手に黒海、右手にカスピ海(キャビアがとれるチョウザメやヨーグルトで有名なところ)に挟まれた地域だ。黒海とカスピ海を結ぶように連なるコーカサス山脈の北側(北コーカサス)、ロシアに接している方に、紛争地帯チェチェンを始めとした自治共和国と呼ばれる国々があり、コーカサス山脈の南側(南コーカサス)、トルコやイランに接している方に、グルジアなどの国内に未承認国家、紛争地域を抱えた国々がある。
以前読んだ本に「ザカフカス」という場所が出てきてカフカス(=コーカサス)とどう違うのかだろうと思った。この「ザ」というのは南を表すそうだ。だが、ザカフカスは北コーカサスのことだ。じゃあ、なんで「南」?それは「モスクワ」からの見かただからだそうだ。ロシアの影響は今も非常に大きい。
ピョートル大帝の時代からの本格的な侵略に始まる長いロシアとコーカサスの歴史。そして、ソ連が崩壊した現在、その関係はどうなっているのだろうか。
『強権と不安の超大国ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」』(廣瀬陽子、光文社新書338)
ソ連解体後のロシアの対旧ソ連諸国政策とコーカサスから見たロシアについて。筆者の実際のコーカサスでの体験談も書かれていて面白い。
ロシアってソ連の崩壊後もやること大して変わってないんだなーと実感する一冊だ。
ベラルーシについての本(『不思議の国ベラルーシ』服部倫卓、岩波)を読んだとき、ベラルーシがソ連に還りたがっているのに驚いたものだが、旧ソ連国のなかでそう感じているのはベラルーシだけではないそうだ。今回の本でとりあげられている国々にも“ソ連”を依然として残している国がある。ベラルーシとは背景がそれぞれ異なるところもあるが、同様にソ連の微章を使用し続けていたり、レーニン像がそのままだったり。ロシア文化のほうが自国文化より重視されるのもよく似ている。
謎の死亡事件、自作自演の噂、当局関与の噂って言葉が出て来過ぎだ。
『コーカサス 国際関係の十字路』(廣瀬陽子、集英社新書0452A)
ロシアだけではなく、南に隣接する中東、アメリカ、EUとの関係を解説。
かつて大国だったことを忘れられないロシア、中東関係・地下資源において優位に立ちたいアメリカ、ロシアとアメリカの関係の変化とテロ事件後のプーチンのレトリック、コーカサスの欧州接近が進む中でのEUの思惑、コーカサス諸国間関係、トルコ・イランとの関係。
まず、北コーカサスと南コーカサスではロシアとの関係に違いがある。北コーカサスが自治共和国なのに対して南コーカサス諸国は独立国だ。南コーカサスが「外国」なのに対して、北コーカサスはロシア「内部」だ。ロシアは北コーカサスの独立闘争は〈ロシアに対する「テロ行為」〉であり、南コーカサス内の未承認国家が独立を求めるのは〈「民族自決のための紛争」〉であるとする。
ロシアは自国の利益のため、紛争を解決する気はないし、紛争を続けさせることで外交上有利に立っている。9・11はプーチンがロシアのコーカサス政策を正当化するのに利用された。テロとの戦いだと言われれば、9・11以降のアメリカを始めとした国々は批判できなくなってしまうからだ。こうして紛争の終わりは見えず、悲劇が加速していく。
こうした強国たちの利害と紛争の構造、また、プーチンは紛争地域を強く叩くことでロシア国民に強いロシアの指導者をアピール、支持されてきたというロシアの体質にも驚かされる。
つい最近、カナダ・バンクーバーで行なわれた冬季五輪が閉会した。次の冬季五輪の開催地はロシアのソチだ。閉会式でロシアのアピール映像のなかでの宇宙飛行士がスプートニクを転がしていたところがいい。このソチの招致とプーチンの思惑について二冊とも触れている。
ソチは黒海のほとりにある世界有数といわれる保養地だ。ソ連時代の本を読んでいると、ソチに別荘を持っていた指導者は多い。そして、ソチはグルジアのすぐ側、正確に言えばグルジア内に存在している未承認国家のすぐ側にあるという位置だ。プーチンの思惑とソチ五輪による懸念についても解説されていて興味深かった。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
フォローアップ:
次へ 前へ
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 国際4掲示板
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの
引用、転載、リンクを許可します。
確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 国際4掲示板