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米国でサブプライム問題が顕在化してから、よく言われるのは金融資本と軍需資本(あるいは戦争屋)の対立があるという見立てである。しかし、これは本当なんだろうか?田中宇さんやその他多くの、事情通と思われている人たちから、この見立てが主張されている。
田中宇さんは、2003年イラク攻撃が始まる当初、穏健派(あの当時はパウエル国務長官)と強硬派(チェイニーやラムズフェルドなど)という見立てをしていた。そのうち、田中宇さんだったかは忘れたが、国防長官がラムズフェルドからゲーツになると、ネオコンに対して現実派という見立てが登場し、これはかなりの人が言っているのを目にしたことがある。
どちらのケースも言っていることは、米国内にも気違いみたいな連中とまともな連中がいて、米国の政策はその間を彷徨っているということだ。そして、まともな連中が権力につきさえすれば、米国も健全な国になる可能性があることを示唆している。言うなれば、本来は健全なのだが、時々極端に走る、あるいは狂うこともあるという米国に対する肯定的意見である。さらに言えば、いわゆる民主主義という欧米的制度の暗黙の肯定である。しかし、良くなったはずのオバマがノーベル平和賞受賞演説で主張したことは、ブッシュやチェイニー、ネオコンと同じ先制攻撃、予防攻撃の肯定である。いろんな理屈は付いたが、自由にしても何にしても、根本的にはブッシュが言っていたことと同じということになる。
対立という見立てもいいが、そもそも現在の世界情勢は、内部対立していられるほど欧米に余裕のある状況かということだ。少なくとも金融立国を目指した英米の目論見はもろくも破綻した。そして、やたら市場原理主義者に経済学賞を与えていたノーベル賞は、先制攻撃、予防攻撃を肯定するオバマに平和賞を与えるまでに至った。軍需とか金融というより、植民地時代からの優位を維持したい欧米が、CO2削減問題などをはじめとして一体となっている姿が浮かび上がってこないだろうか。まだ、死にものぐるいではないにしても。
なぜオバマにノーベル平和賞が贈られたか?
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/12/16/4759285