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<調査捕鯨>今年もシー・シェパード妨害予告 暴力的傾向に【毎日新聞】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000059-mai-int
<調査捕鯨>今年もシー・シェパード妨害予告 暴力的傾向に
11月19日13時56分配信 毎日新聞
目視専門船「海幸丸」の調査捕鯨を妨害したシー・シェパードの船=南極海で2008年12月26日、水産庁提供
米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)は今年度の日本の調査捕鯨に対し、12月上旬にオーストラリアから妨害船を出港させると発表した。近年、暴力的傾向をエスカレートさせるSS。調査捕鯨はどうなるのか。【ジャカルタ井田純】
SSは、活動方針の対立から環境保護団体グリーンピースを脱退したカナダ出身のポール・ワトソン代表が1977年に設立。クジラ、アザラシなど海洋生物の保護を掲げ、86年にアイスランドの捕鯨船に侵入し2隻を沈めたほか、その後少なくとも2度、ノルウェーの捕鯨船に同様の工作を試みるなど「直接行動」を続けてきた。
SSはここ数年、豪州に事実上の母港を置くスティーブ・アーウィン号で、南極海での日本の調査捕鯨に対する攻撃を強化。船体を衝突させたり、スクリューにロープを絡ませる危険行為や、薬品や発炎筒を投げ込む操船妨害で、07、08年に日本の乗組員計5人にけがをさせた。警視庁はSS側乗組員4人を威力業務妨害容疑で国際手配している。
日本側は、一連の妨害を資金集め目的の宣伝とみなし、SSの活動を「環境保護の名を借りたテロ」と非難している。派手な妨害行為で騒ぎを起こし、反捕鯨色の強い欧米メディアを通じて「クジラを守る英雄」像をアピール、欧米豪などでの資金獲得につなげる構図は鮮明だ。
SSは昨年度の調査捕鯨終了時、毎日新聞の取材に対し、年間活動資金を約350万ドルと回答、「ほとんどが支持者、支援企業からの寄付だ」と説明した。SSのウェブサイトは、日本にも出店している米アウトドア用品メーカー「パタゴニア」や、豪州のビール会社などをスポンサーとして紹介している。パタゴニア日本支社は資金提供について「時期、金額ともに公表できない」と回答した。
SSのメディア戦略について、調査捕鯨関係者は「SSから衝突してきても、向こうが直ちに『日本がぶつけた』と発表、それが独り歩きしてしまう。かといって、まともに相手にしても、都合よく宣伝に利用されるだけだろう」と語る。
SSは今年度の妨害活動に新たに高速船を投入、米国のテレビクルーも乗船させるという。SSの妨害によって、日本の過去2年間の調査捕鯨実績は計画頭数の60〜75%にとどまっているが、ワトソン代表は「今回は(計画頭数の)半分かそれ以上妨害するつもりだ」と話している。
一方で、鳩山由紀夫首相は10月26日、スティーブ・アーウィン号に船籍を与えているオランダのバルケネンデ首相に、海上の安全確保に向けた対処を強く要請。水産庁によると、首脳レベルでこの問題が取り上げられるのは初めてで、関係者の間にはオランダが何らかの措置をとるとの期待もある。
豪州でも今年2月、連邦警察がSSへの初の強制捜査に踏み切るなど変化もうかがえる。ただ、総選挙を来年に控えているため、反捕鯨世論に訴えて前回の選挙で勝ったラッド労働党政権は、踏み込んだ措置をとれないとの見方もある。