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激変の序章が始まった (行政調査新聞)
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投稿者 パイプライン 日時 2009 年 8 月 25 日 01:38:32: mqQUVKm/jkdw2
 

http://www.gyouseinews.com/index.php?option=com_content&view=article&id=95:2009-08-21-11-04-38&catid=40:2009-07-09-03-16-55&Itemid=62
 


内外展望 - 海外情勢
2009年 8月 21日(金曜日) 20:03
激変の序章が始まった
複雑怪奇な世界情勢に対応するために日本が選ぶべき道は?

サブプライム・ローンの破綻、百年に一度の金融不安、混乱混迷する世界情勢……。誰が悪いとか、どこに責任があるといった問題はともかく、これまで世界を動かしてきた全システムが崩壊を始めている。あらゆるすべてが不気味な動きを見せている。そうした動きに連動して、世界の火薬庫・中東に戦火の匂が立ち上り始めた。中央アジア全域も怪しく、中国の新疆ウイグルも騒乱の雰囲気にある。強硬姿勢を崩さない北朝鮮の動きもまた不透明だ。

複雑な世界情勢を背景にして、日本では総選挙が終盤戦に差し掛かっている。日本人は未来をどの政党に、どんな政治家に委ねるのだろうか。世界情勢を大雑把に俯瞰しながら、日本がとるべき方向性を考えてみよう。

孤立を深めるイスラエル

7月12日に、EUのソラナ事務総長(兼安保上級代表)が厳しい口調でイスラエルを非難する演説を行った。

「イスラエルとパレスチナの交渉が成立しなくても、期限が来たら、国連はパレスチナ国家を正式な国連加盟国として受け入れるべきだ。同時に安保理は、イスラエルとパレスチナの国境線をどこに引くか、難民処遇をどうするか、エルサレム問題にどう対応するかを言及すべきだ」。

イスラエルの同意など不要で、国連主導でパレスチナ国家創設に踏み切るべきだとする強烈な意見だ。これは米国オバマ政権が対イスラエル政策を歴史的に大変換したことに対する、EUとしてのオバマ支持表明と受け止めることができる。

その翌日の7月13日、イスラエル軍艦の部品交換などに、英国政府が応じない措置を決定したと、イスラエル紙「ハーレツ」が報じた。昨年末から今年初めにかけて、使用目的を明らかにしないまま、英国が供給した軍艦をイスラエル軍が戦闘に投入したことがその理由だと説明されている。その表面的理由に意味はなく、この措置の本当の意味は、英国がイスラエルと距離を置き、見放すことを決定したということだ。

翌14日、イスラエル海軍の艦艇が二隻、スエズ運河を紅海に向けて通航したとエジプトが発表した。その直前にも、核弾頭を搭載可能なドルフィン級潜水艦が通航しているが、これは英国との関係がどうあれ、イスラエルはイランを攻撃する意思があると世界に誇示しているのだ。いや、誇示するどころか、本気でイランに対する先制攻撃を行うつもりがあると推測できる。

こうした状況下の7月下旬、地中海に繰り出していたロシアの艦艇が、修理を理由にシリアの海軍施設に入港している。シリアに対するロシアの軍事的介入の力量を示すことで、イスラエルを牽制しているのだ。イスラエルがイランを攻撃する場合には、ヒズボラやハマスを叩くためにレバノンを攻撃し、同時にシリアに対しても軍事行動の矛先が向けられる可能性が高い。ロシアはこうした動きに備えているわけだ。

パレスチナ地域だけではなく中東全域に於けるイスラエルの活動に対して、米国、EU、ロシアが完全に足並みを揃えたことになる。さらにこれらの国々は、近い将来起きるであろう“金融ハルマゲドン”の際に、世界同時多発的に起きる軍事的緊張を想定しているとも考えられる。

孤立状況に進んでいるとも見られるイスラエルに急接近している国もある。北朝鮮だ。その事実は、世界情勢をますます不安なものに陥れている。

中央アジアから極東へ

中東の緊張は、中央アジアに強大な影響を与え、さらに極東へと繋がっている。

7月22日には、“平和の使命2009”と名づけられた、中国とロシアの合同軍事演習が行われた。その中心舞台は中国の東北部で、期間は5日間。演習の主題は“対テロ戦”。

中国政府は新疆ウイグル自治区で起きた暴動を「国内外の反動勢力が画策したテロ」と位置づけている。中国だけではなく、中央アジア全域に散在して不穏な動きを見せているウイグル独立派勢力に対して、圧倒的な威嚇を見せつけるために行われた演習と考えられる。

ロシアが中国に同調してこのような大規模軍事演習を行った理由は、ロシアもまた現状の中央アジアが不安定なことを熟知しているからだ。だがロシアの危惧はそれだけではない。

米国英国を中心とする、いわゆるアングロ系国際金融資本勢力は完全に没落したが、水面下では復活のプログラムを模索している。彼ら金融資本勢力は、金融危機再発を演出し、それが世界的金融ハルマゲドンを引き起こし、最終的に世界大混乱・大戦争を勃発させることで、奇跡の復活を成し遂げようと目論んでいる可能性が高い。そうした最悪の事態まで想定して、ロシアは中国との合同軍事演習に加わったのだ。

中国はロシアと違い、明確な危機と直面している。新疆ウイグルという舞台を使って、中国を弱体化させ、分裂させようとする動きは、間違いなく存在する。チベット独立を唱え、ウイグル独立を唱え、やがては東北部――旧満洲一帯の分離運動に発展させようとする企みがある。ここに微妙に絡んでくるのが北朝鮮である。

EUのソラナ事務総長がイスラエルに対し厳しい演説を行った翌日、中国の劉振民・国連代表部次席大使は、「中国国内に秘匿されている北朝鮮高官らの資産を凍結」する姿勢を明らかにした。朝鮮戦争をともに戦い抜き、血と義で結びついていた中国と北朝鮮との関係が、根幹から変化したとの宣言だった。

中国と北朝鮮は、国交樹立60周年にあたる2009年を「中朝友好年」と定め、両国間に観光専用鉄道を通すことや、温家宝首相の平壌訪問など、夏から秋に向けて一連の祝賀イベントを計画していた。だが、4月以降、北朝鮮はミサイル発射、核実験等々を強行。6カ国協議からの離脱を宣言している。北朝鮮に対する国際的非難を躱し、北朝鮮をかばい続けてきた中国のメンツは丸潰れといったところだ。このため、予定されていた観光鉄道開通は無期限に延期され、温家宝首相の訪朝も「完全になくなった」(中国外交部)。

これまで60年間続いた中朝の「特別な関係」は、消え去ってしまったのだ。

米朝の奇妙な関係

国際社会が眉を顰める乱暴狼藉を働き続け、最大の友好国である中国からも冷たい視線を浴びる北朝鮮だが、その外交姿勢に揺るぎはない。

7月20日、米国のヒラリー・クリントン国務長官はTVで次のように語った。

「北朝鮮は、常に注意をひこうとしている。小さな子供や十代の若者を相手にした経験から言うと、関心を払ってはいけない。彼ら(北朝鮮)は注目に値しない」

ヒラリーは、北朝鮮に対する中国の姿勢を評価し、「北朝鮮が6カ国協議に復活しない限り、米朝直接協議を再開することはない」と言明したのだ。

アセアン地域フォーラム(AFR)で、米国は“東南アジア重視”を明確に打ち出している(7月22日)。北朝鮮との関係を保つ国が多いこの地域を取り込み、北朝鮮に対する圧力を強めようとする思惑もあるのだろう。だがそうした米国の姿勢や、AFRでの各国の発言に対し、北朝鮮外務省のリ・フンシク局長は、「6カ国協議は完全になくなったのに、なぜしきりに6カ国協議の話をするのか」と、改めて6カ国協議復帰への意思がないことを強調した。

さらに北朝鮮外務省は7月27日に、「現状を解決できる対話方式は6カ国協議ではなく別にある」とする主張を発表した。北朝鮮は明らかに、米朝二国間直接対話を要求したのだ。

北朝鮮のこの発言の直後の7月27日、これに応えるようにケリー国務省報道官は「核放棄を盛り込んだ6カ国協議共同声明に基づき、北朝鮮が具体的行動をとることが重要」と発言。さらに、北朝鮮が具体的行動をとれば「北朝鮮と会う」とも語った。米国は確かに、歩み寄る姿勢を滲ませていた。だが、北が核放棄に応じるとは考えられない。

最大の友好国・中国に見捨てられた北朝鮮は、いったいどうなるのか。世界中が固唾を飲んで北の行動に注目していた。そんななか、8月4日午前11時、ビル・クリントン元米国大統領が突如として北朝鮮を訪問した.。

クリントン元大統領の訪問は、公式的なものではなく個人的訪問だと説明されている。しかし世界中の誰もが、米朝間の秘密交渉が存在していたことを疑っていない。

クリントン元大統領は、訪朝の直前に日本の基地に立ち寄り、巨大コンテナを特別機に積み込んだことが関係筋の情報から明らかになっている。では、その巨大コンテナの中身は何だったのだろうか。それは誰にも見当がつかないものだ。証拠も何もない。推測はともかく、明らかにクリントン元大統領は、極秘で巨大な荷を北朝鮮へ持ち込んだ。この一事からだけでも、北朝鮮と米国の間には、公表されている以上の奇妙な関係が存在していることが理解できる。

1994年の北朝鮮危機の折りに、元米国大統領ジミー・カーターが北朝鮮を電撃訪問(6月16日)し、金日成と会談を行っている。この会談の内容は明らかにはされていない。だがこのとき金日成は、米朝関係が緊密になることを確信したと同時に、米軍が平壌に駐留することにすら許諾をしたとも伝えられている。

その直後の7月8日、金日成は急死した。心臓発作とされるが、一部には米国との関係構築に怒った中国筋が暗殺したのではないかとも囁かれたものだった。

北朝鮮問題を考え直すときか?

北朝鮮の国家安全保衛部は内部会合で、「金正雲大将の知略によりクリントン元大統領が太平洋を渡り、将軍様に謝罪した」としたうえで、「これはすべて、金正雲大将の非凡な英知と卓越した戦術によって用意された」と、後継者と目されている金正雲の宣伝をしたと伝えられる(韓国・聯合ニュース8月9日)。

金正雲とは金正日の三男。高英姫夫人との間に生まれた人物で、現在26歳。後継者に指名されたとの噂もある。6月には朝日新聞が「金正雲が訪中」と書いて世界中が呆気にとられたものだった。朝日の情報と同様の記事を英フィナンシャル・タイムズ紙も掲載したが、いずれもまったくの誤情報だった。ただし、金正雲が金正日の後継者候補No.1であることは、どうやら真実のようだ。北朝鮮では、実権が金正日から金正雲に移行する手続きが徐々に進められ、その体制を遠くない将来までに整えつつある、と見てもあながち間違いではないのかもしれない。

米国政府は、クリントン元大統領の電撃訪問後も北朝鮮に対する制裁の手を緩める気配は見せていない。制裁履行の徹底を図るために、米国務省幹部を今月中にも日本、韓国に歴訪させるとの発表を行っている(8月13日)。しかし日韓両政府は、米朝が水面下で急激な対話を進めるのではないかと警戒し、その準備も行っている。

ビル・クリントンの特別機は帰国に際して、平壌を発ってから往路と同様、青森県の三沢基地に立ち寄っている。この特別機の整備時間等から推測して、平壌に同機の整備要員が存在していたと考えられる。やはり北朝鮮と米国の間には、公表されていない秘密が明らかに存在しているのだ。

その「北朝鮮と米国を結ぶ秘密の関係」の一部に、日本の中央官庁が絡んでいる可能性は捨てきれない。

北朝鮮の人民は洗脳され、真実を教えられていないと、日本人の多くが考えている。だが同様に、日本の多くの庶民大衆もまた、北朝鮮について間違った情報を教え込まれているのではないだろうか。

たとえば「拉致」。いったい北朝鮮は、何が目的で日本人を拉致したのだろうか。南朝鮮(韓国)に対するスパイ活動のためとか、日本人パスポート取得のためと説明される。あるいは拉致された日本人が持つ特別な技術を求めたためと説明される場合もある。しかし、費用対効果の観点から考えても、あまりにもリスクの多い話ではないのか。まして1970年代には、北朝鮮に憧れ、渡航したがっていた学生や若者も多かったはず。「どうして日本人拉致などという、危険で、割の合わない事件を引き起こしたのか?」という問いかけに、明確に答えることができるだろうか。

拉致被害者である蓮池夫妻、地村夫妻、あるいは曽我ひとみさん・ジェンキンス氏に対する本格的調査は、未だ行われていない。また一部で報道されている、彼ら被害者自身の拉致当時の供述には、明確な嘘が存在している。なぜ警察はその嘘を暴こうとしないのか。

拉致の目的等々、この問題は多角的情報のなかで踊らされている。拉致をしたという「事実」を重大なものと受け止めさせるべきだという意見もあるだろう。だがもしその拉致に、米国が、あるいは日本の機関が関係していたとしたら、どうなのだろう。

実はそうした噂話はずっと以前から囁かれてきた。いままた新たな証言をもとに、拉致の真実を暴こうとする動きも活発化している。年内にも、そうした動きが表面化する可能性も高い。また、もし月末に行われる総選挙で民主党が勝利すれば、中央官庁、官僚たちが秘匿してきた北朝鮮問題の本質が、白日の下に晒されることになるだろう。

今回の総選挙を重大視していない人々も多い。「福田赳夫が勝つか田中角栄が勝つか、その程度の差なのだから期待しても意味がない」と考える人もいるらしい。だが、そうではない。日本を長期間にわたって支配してきた自民・公明与党が野党に転落するということは、中央の官僚たちの足元を揺さぶる効果がある。

今回の選挙は、自民党の政治姿勢にNOを突き付ける唯一最大のチャンスなのだ。自民・公明を野党に叩き落とすことにより、日本は戦後体制から脱却することができる。対北朝鮮外交だけの話ではない。米国に対して、中国に対して……。戦後体制を完全に払拭するためには、何が何でも自公体制を終焉させなければならない。

総選挙まであと数日。この選挙直前の時がいちばん危険だ。突発的に予想外の出来事が起きて、それが自公政権にプラスになるとも限らない。何が起ころうが、自公体制にNOと言う。その決意だけは揺るがせてはいけない。■

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