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(回答先: サミット開催地でM4.1の地震=伊(時事) 投稿者 kamenoko 日時 2009 年 7 月 03 日 23:08:40)
G8サミット:「おれのサミットだ」 伊首相が開催地変更
イタリア中部の地震の被災地ラクイラで7月8日から10日まで主要8カ国首脳会議(G8サミット)が開かれる。ベルルスコーニ首相の一声で開催2カ月半前に突如、開催地を変更。準備不足や遅れにもめげず、最後の最後にうまく帳尻を合わせる。そんなベルルスコーニ風「おれのサミット」の舞台裏を歩いた。【ローマ藤原章生】
◇マッダレーナ落胆
■波打ち際の会場
前のサミット予定地、マッダレーナ島を5月下旬に訪ねると、依然「G8厳戒態勢」が敷かれていた。実際の開催地ラクイラの会場は簡単に入れても、こちらは近づこうとすると、周辺警護の海軍に「許可証は?」「同行の災害救助隊員は?」と厳しくチェックされる。
イタリアでは、天災や国際会議、法王の葬儀など恒例でない大イベントはすべて災害救助隊に任される。しばらく待つと隊員のバルバラさん(32)が愛犬を連れて現れた。「イタリアらしいでしょ? もうG8会場じゃないのに、厳戒態勢を解くのが遅れてるんです」
バルバラさんが「すてきなサミットになったのに」と嘆くメーン会議場は波打ち際に建てられ、ガラス張りの床下に海が見える。著名な建築家、ステファノ・ボエリ氏の設計だ。入り口には「ここが本当のG8会場」と殴り書きしたベニヤ板が立っている。
隣には古い海軍武器庫のれんがを土台にした迎賓館が仕上げ段階に入っていた。「皆、オバマ・ハウスと呼んでるんです」。館の全面がガラス張りで真っ青な海の中にいるようだ。「ここにね、オバマ米大統領とミシェル夫人がつかる予定だったんです」と、作業中の50歳代の男性が泡風呂をいくつも見せてくれた。
4月23日午前、ベルルスコーニ首相がテレビで開催地移転を発表すると、ラジオを聴いていた作業員たちは「えー?」「ああー」と叫び、一斉に手を止めた。「ばからしい!」「ふざけるな」と罵声(ばせい)が上がり、建設作業は丸1日ストップした。
だが、屋外施設担当の現場監督、アンドレアさん(56)は「まあ、おれたちはただ仕事を終えるだけ」と黙々と働き続けた。移転は建設の遅れが原因という見方もあったが、結局、会場は一部の装飾を残し、予定通り5月末に完成した。
首相は「移転で2億ユーロの節約になる」と語ったが、1年半の建設期間の最後の1カ月間、材料費を多少削った程度では、それほど費用は浮かない、と災害救助隊員は言う。
■捨てられた理由
マッダレーナを捨てた理由は別のところにあると、島生まれのジャーナリスト、ニエドゥさんは言う。マッダレーナには原子力潜水艦が寄港する米軍基地が03年まであった。米軍受け入れという負の歴史、撤退による市財政の悪化から、前の中道左派政権(06〜08年)のプロディ首相がこの地をG8会場にしたという。「だが、前の首相の決定という一点がベルルスコーニには面白くなかった」
首相は昨年5月の就任以降、ローマ近郊の町やナポリ、ミラノに開催地を変えると口にしてきた。人口1万2000人のマッダレーナ島民はそのたびに冷や冷やしてきたが、結局変えられた。
ベルルスコーニ氏は94年以来、過去3度の首相就任の度に、国費を使い、首相府の家具や調度品、じゅうたんまですべて変えることで知られる。「場所から何から、おれが決め、おれが仕切る会議でなければ意味がないと思っている」とニエドゥさんはみる。
今月16日に初めて外国人記者向けにG8についての会見を開いたボナイウティ首相秘書官は、移転理由について「被災者への強い思いが首相を決断させた」と言う。が、島民はこれを「きれいごと」と切り捨てる。「もともとマッダレーナのあるサルデーニャ島は左派が強い。今年の知事選でベルルスコーニの右腕の右派候補が勝ったのは、G8開催が予定されていたからだ。それが済んでから、首相は計算したんだ。マッダレーナのある州の140万票より、震災地重視で得られる票の方がはるかに多いと」
首相は「9月にマッダレーナ島で環境サミットを開くようオバマ大統領に相談する」と島民をなだめたが、実現の見通しは立たない。島民がだまされたと感じるのも無理はない。
「(昨年のサミット会場)洞爺湖の人が直前になって会場を変えると言われたら、どう反応します? むちゃくちゃです。せっかくマッダレーナの名が世界に知られ、観光客が来るはずだったのに。私など参加国の外交団をみな案内し、それぞれの国、サミットのこと、ずいぶん勉強したんです」。マッダレーナのアンジェロ・コミチ市長(55)は町のカフェで食前酒をなめながら嘆き続けた。
◇のんびりラクイラ
■まだ2カ月ある
会場予定地のラクイラ西方、コッピート地区の財務警察学校をやはり5月に訪ねたが、ずいぶんのんびりしていた。アペニン山脈が見下ろす田園に囲まれた学校は、日本で言えば北アルプスのふもとのようだ。広さは東京ドームの約10倍の48ヘクタール。イタリア最大の警察施設だ。
ちょうど昼時なので玄関にいる警察官は2、3人。ほとんど素通りで中に入れた。災害救助隊のG8担当、ガットさん(35)は現れるなり「いや、G8のことは何も決まってませんから、何もしてないんです」と打ち明けた。開催まで2カ月もない、と言うと「でも、まだ2カ月ありますから」。その後、6月上旬に取材した隊のミッツォG8担当局長も「遅れ? 誰が言ったんですか? 準備は万端です。我々は1年以上前からG8のことを考え、その総力を今注いでいるのです」と心外という口調だった。
これで無事済めば、サミット準備の最短記録になるだろう。裏を返せば、それでもできてしまうということ。2月の財務相・中央銀行総裁会議を皮切りに環境相やエネルギー相などG8の準備会合も担当省が数日前からの大慌てで準備し乗り切った。短期速攻。細心の注意や不安とは無縁の、この国ならではの「労働効率の高さ」が垣間見える。
■宿泊施設にひび
表玄関をくぐるとヘリポートのある大きな広場が目に入る。「撮影は?」と問うと「まだG8態勢じゃないから、構いませんよ」とガットさんは応じ、宿泊施設からメーン会場まで1人で自由に歩き回れた。4階建ての宿泊施設は棟という棟に、地震で割れた大きなひびが入っていた。
「一応耐震構造ですから、ひびは入っても壊れることはありません」とガットさん。宿泊施設はどこも8畳ほどの部屋にベッドが三つ。手狭な合宿所のようだが、現時点でここに41カ国・機関、約2300人の代表団が集まる予定。ベルルスコーニ首相が訴える「史上最も質素なサミット」にふさわしい場所だ。
ここ最近、18歳女性とのつき合いや、国費を使いマッダレーナのすぐ南にある高級リゾートの別邸に50人もの若い女性を集め裸のパーティーをしていたことが発覚した首相。「とにかく自己宣伝にG8を最大限利用しようとしている。ぜいを尽くした供宴、ファーストレディーたちの交流といったあでやかさよりも、震災現場のツアーなど、いろいろ仕掛けを考えている」と首相府職員は言う。
質素さなどみじんもない首相が訴えるところがこっけいだが、首脳陣が集まるのはわずか3日間。国費を使って派手にする理由は何もない。そう気づく場になるのかもしれない。
◇4月6日に地震 犠牲者270人以上−−伊中部ラクイラ
イタリア政府は当初、地中海に浮かぶ観光地のマッダレーナ島をG8サミットの開催地とし、豪華船なども活用した華やかな会議を予定していた。しかし、ベルルスコーニ首相は4月23日、「質素な会議が経済危機にふさわしい」として急きょ変更を発表。同月6日に発生し、死者270人以上を出した地震の被災地ラクイラを開催地に決めた。現地の報道によると、首相は発表の数日前に突然変更を言い出し、政府内の反対を押し切ったという。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090619ddm007030005000c.html